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Yatsugatake Kogen Salon Concert '24   [コンサートの記憶]

*追記しました


鈴木優人 チェンバロ・リサイタル
       ~八ヶ岳高原音楽堂


(プログラム)      *=当日に追加

G. フレスコバルディ:トッカータ集 第2巻より 第1番 ト調
J.J. フローベルガー:トッカータ 第2番 二調
D. スカルラッティ:ソナタ K.461 ハ長調 *
J.S. バッハ:イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV 971

L. クープラン:組曲 ニ短調 より「プレリュード・ノン・ムジュレ」
F. クープラン:クラヴサン曲集 第2巻 第6組曲「神秘的なバリケード」*
                     「 レ・ベルジュリー」*
J.P. ラモー:組曲 ト長調 より「めんどり」
J.S. バッハ:フランス風序曲 ロ短調 BWV 831
       Ouverture~Courante~Gavotte I ~Gavotte II
       ~Passepied I ~Passepied II ~Sarabande
       ~Bourrée I ~Bourrée II ~Gigue ~Echo

(アンコール)
H.パーセル:グラウンド c-moll
J.P. ラモー:未開人



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楽器の装飾のように

美しい音色で奏でられた音楽は

心踊る物語を紡ぎ出し

個性豊かな作品たちが

さらに魅力的に歌う。。






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演奏が始まる 少し前に
ステージが明るくなる。
長い調律の間には見えなかった
楽器の蓋に施された装飾が
まぶしく輝いて浮かび上がる。

拍手の中、
黒い衣装の優人さんが登場し
ゆるやかに弾きはじめる。
フレーズはたゆたい
短調と長調を行きつ戻りつ・・

演奏が終わると、優人さんのお話。
この日のプログラムのテーマは
フランスvsイタリア。
みなさんはフレンチとイタリアン
どちらがお好きですか?
という問いかけに客席に笑いが広がる。

昔、どちらの音楽が優れているか、
という議論があったとか。
そこで
前半イタリア、後半フランス
というプログラム。
J.S.バッハが「クラヴィーア練習曲集第2巻」に収めている
イタリア協奏曲とフランス風序曲を
前半・後半のそれぞれ最後に取り上げる。



二曲目は
最初に演奏されたフレスコバルディの弟子、
フローベルガーの作品。
同じトッカータだけど
かっきりしていて、いかにもドイツ人らしい。
これがJ.S.バッハに繋がっていくのね。

と、思ったら
「ここで、シェフからの一皿プレゼント」
バッハと同い年のD.スカルラッティのソナタを!
明るく、溌剌とした音楽は
まるでイタリアの青空のよう。



そして、いよいよ「イタリア協奏曲」。
イタリア生まれのスカルラッティと異なり
ドイツから一歩も出たことのないJ.S.バッハが
どうして「これぞイタリア!」という作品をかけたのかと
私はいつも感心してしまう。

「イタリア協奏曲」の演奏中に
雨音が激しくなった。
この音楽堂は
いわゆるホールのような防音をしていないので
外から鳥の声が聞こえてくることもある。
この日は朝から雨模様。
静かな二楽章は、より しっとりと。
けれど、三楽章は
湿気を吹き飛ばすような快演!
ヴェネツィアの運河を
超高速で疾走するボート!
爽やかな風
キラキラと輝く陽ざしに
笑顔がこぼれる。。





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後半は優人さんのお話から。

昔、芸大のオルガン科の教授の部屋にあったファイルに
「クープラン研究」というのがあった。
しかし、それは音楽家のクープランではなく
上野駅周辺の美味しいグルメ情報がつまった
「食うプラン研究」だった!www

そして奏されたルイ・クープランの組曲は
「ノンムジュレ」。
これはメジャーしていない(小節に区切っていない)
という意味で、音符も全音符のみ!
これがフランス人の「趣味」、という。
奏者は ほぼ即興になるのでしょうけれど
優人さんの演奏は とても見通しが良い。
そして、いかにもフランスらしい
細やかな装飾音が
品よく散りばめられる。

良く手入れされたフランス式の庭園
貴婦人がそぞろ歩く
笑いさざめき
やわらかに揺れる枝。。



ここでフレンチのシェフからの一品が
プレゼントされる♡
ルイ・クープランの甥のフランソワ・クープランの組曲から。
この日の「神秘的なバリケード」は
少しあっさりと。
すると、続く「 レ・ベルジュリー」の可愛らしさが
とても引き立つ。
大切な想いを
可憐な花束にして
微笑みとともに。。


そうそう、前半でも
ラジオ番組「古楽の楽しみ」のお話があったけど
ここで、チェンバロの名称について。
ドイツ語やイタリア語ではチェンバロだが
フランス語ではクラブサン、
英語ではハープシコードという。
ラジオでは作曲家の生国によって
名称を変えているそうだ。(へえ~)

次のラモーはフランス人なので
クラブサン組曲。
「めんどり」が元気に鳴く!
どんどん興奮して
賑やかなこと!




ここで優人さんの解説。
1685年(バッハの生年)に
ナントの王令(ユグノー=プロテスタントの信仰の自由)が廃止され、
ユグノーがフランスから逃れて来た。
ユグノーの音楽家が持って来た楽器はフレンチ・ピッチ。
それはドイツの415Hzより低く、
また、地域により様々なピッチがあったので
リコーダーなどはそれに合わせて、種類が多い。
そんなフランス音楽の影響を受けた、ドイツの音楽界。
バッハもその一人で
「フランス風序曲」を何曲も作曲した。。


そうして奏された
長大なBWV831。
様々な舞曲が次々に現れ
その どれもが
「これぞバッハ!」
というように堅牢に構築されている。
それぞれの個性を鮮やかに描き分ける
優人さんの素晴らしい演奏、そして集中力に
深い感銘を受けた。




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喝采に応えてのアンコール。
モノローグのような可憐な作品。
タイトルが解らなかったのがザンネン!

*追記:後日、佐藤俊介さんの演奏会に優人さんが聴きに来ているのを発見!
    アンコール曲名を尋ねたら、教えて下さいました!(上記)


鳴り止まない拍手。
最後に1曲ね、というように
指を一本立ててチェンバロに向かう優人さん。
踊り手が見えるような「未開人」♪♬
タイコの音までする!と思ったら
優人さんの靴音でした~w


このホールで優人さんのチェンバロ演奏を聴くのは2回目。
カラマツ材で作られた楽器は
以前に聴いた時よりも
いっそうホールに馴染んでいた。

そして、この日の演奏は
どれも本当に素晴らしく
また、お話にも惹き込まれ
フランスとイタリア
音楽の歴史に思いを馳せる
特別なひとときだった。



鮮やかな演奏は
雨雲を吹き飛ばした模様。
外へ出ると、青空が・・

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チェロ&ピアノ デュオ・リサイタル [コンサートの記憶]

ニコラ・アルトシュテット&マクシム・エメリャニチェフ
              ~フィリアホール



(プログラム)
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ 第1番 ヘ長調 Op.5-1
ブリテン:チェロ・ソナタ ハ長調 Op.65

シューマン:幻想小曲集 Op.73
ブラームス:チェロ・ソナタ 第1番 ホ短調 Op. 38

(アンコール)
ブラームス:野の寂しさ Op.86-2
ラフマニノフ:チェロ・ソナタOp.19より 第3楽章 アンダンテ



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まるで一つの楽器で奏でているように
呼吸ピッタリのデュオ!

美しい音色と圧倒的な演奏技術で
スピード違反ギリギリの
スリリングなパフォーマンスを繰り広げる。


その喜びに溢れた音楽を聴いたら
笑った顔が元に戻らなくなった。。





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ピアノのマクシム・エメリャニチェフは
あらゆる鍵盤楽器をあやつり、指揮者でもある。
今回の来日も日本のオーケストラの指揮、
そして この演奏会。

私は以前、エメリャニチェフの
3種類の鍵盤楽器の演奏会を聴き
すっかりファンになった♡ ↓↓
      Maxim Emelyanychev



チェロのニコラ・アルトシュテット、
この日はモダンのチェロだったが
エンドピンの無い、オリジナル楽器も弾くそうだ。

二人とも、もの凄い超絶技巧!

そして、今回
この二人が初共演だと聞いてビックリ!
前世は兄弟だったのか?w


アンコールが終わっても、拍手が鳴り止まず。
二人はもう1曲やることに(そうこなくちゃ)。
そして、急いでタブレットから楽譜を探し出した。
それで見事な演奏を聴かせてくれるのだから
もう倒れそう~


まさに、胸がすくようなパフォーマンスは
昇天ものだった。


そして、今年の12月に
この二人にヴァイオリンのアヤレン・プリッチンが加わり
コンセルトヘボウで演奏会があるそうだ!
これは凄いことになるよ、絶対!
誰か~
私の代わりに聴きに行ってくださーい!







































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ウィーン放送交響楽団    [コンサートの記憶]

ウィーン放送交響楽団
     ~サントリーホール


(出演)
指揮:マリン・オルソップ
ピアノ:角野隼斗
ウィーン放送交響楽団

(プログラム)
モンゴメリー:ストラム
モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番ニ長調K. 537「戴冠式」
ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調Op. 55「英雄」

(アンコール)
角野隼斗:7つのレベルのきらきら星変奏曲(ピアノ・アンコール)
アイゼンドル:『アツィンヘイラ』より「ダークグリーン」
J. シュトラウスⅡ:シャンパン・ポルカ




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オルソップさんの
ドライヴ感いっぱいの指揮に
機敏に反応する対向配置のオケ!


ストラムのふくよかな弦楽に心を掴まれ
英雄フィナーレのフーガに感動。


角野隼斗さんのピアノは多彩な音色
変幻自在にハーモニーを操る。

以前よりもずっと、そう感じるのは
角野さんが打鍵のしかたを変えたことで
音色の幅が大きく広がり
和声の変化が波のように伝わってくるから。

さらに、先週の弦楽との共演も
もの凄く刺激になったに違いない。



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ウィーン放送交響楽団の来日ツアーは
なんと13日間で11公演!
無事に完走しますように(祈)。

この日は、その2公演目だったので
ソリストとオケは
この先、どんどん親密さを増して
音楽が熟成されていくことでしょう。
ソリストが弾くたびに変える
カデンツァとアンコールの行方やいかに~?





























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Hayato Sumino with String Quintet [コンサートの記憶]

角野隼斗オフィシャルファンクラブ「8810」リサイタル
             ~オペラシティコンサートホール

(出演)
角野隼斗(ピアノ)

成田達輝(ヴァイオリン)
石上真由子(ヴァイオリン)
鈴村大樹(ヴィオラ)
ルドヴィート・カンタ(チェロ)
ダニエリス・ルビナス(コントラバス)

(プログラム)
角野隼斗:かすみ草
角野隼斗:短編アニメーション映画「ファーストライン」より
角野隼斗:追憶 (弦楽五重奏版)
坂本龍一:Last Emperor (弦楽五重奏版)
ショパン:ピアノ協奏曲第2番 (弦楽五重奏版)

(アンコール)
人生のメリーゴーランド~ムーンリバー~大猫のワルツ~
ボレロ~Human Universe~英雄ポロネーズ~トッカティーナ



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成田さんを始めとする
弦楽の皆さんの素晴らしさに感激!

弦楽とピアノが刺激し合い
新しい音楽が生まれる瞬間に心が震える。

角野さんの宇宙がまたもや広がったなぁ。

そして極上のショパン協奏曲に
持って行かれた。。





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角野さんのソロ・ピアノは
ストレートでスタイリッシュ!
それが本当にカッコイイのだけれど、
クラシック音楽のアゴーギグがプラスされたら
どんな風になるのだろう?
そんな演奏も聴いてみたいと思っていた。

なんと、この日は
その思いが通じたのか、
これまでと違った演奏を聴かせてくれた。


巧みな弦楽奏者は
フレーズの抑揚を最大限に生かして
音楽を伸縮させる。
弦楽の倍音とともに創られる世界に
共演者を連れて行ってくれる。

この日の弦楽奏者たちは
角野さんのオリジナル曲の魅力を
ぐっと押し広げ
香り立つような演奏を繰り広げた。
角野さんはその波に乗り、
音楽のうねりをキャッチして
新しい世界の扉を開ける!

単に情感に流されるのではない、
自然で奥行きのある音楽は
優雅で、洗練されている。

このアンサンブルのために
編曲されたオリジナル作品は
ほんとうに見事!

特にステキだったのは「追憶」。
やわらかな浮遊感。
時の狭間で
揺れ動く心。。
あの
ほろ苦い秋の日を想い出させる。


そして
後半のショパンも、本当に素晴らしかった。

協奏曲は
ソリストもオーケストラも
指揮者が束ねた音楽の中にいる。
でも、室内楽は
個々の奏者の感性が
反応し、調和して音楽を創り上げる。
室内楽版の方が奏者の音楽性が浮き彫りになり
楽曲の芯が手に取るように解る。

優美で、繊細で
そして力強いショパン!

この日の角野さんの演奏、
それは
私が待ち望んでいたものだったよ。

実は、演奏会が弦楽奏者との共演と発表された時
少し不安だった。
上手な人が来てくれますように、と祈ったよw

けれど、心配は杞憂だった。
クラシック、そして現代曲も弾きこなせる
最高の奏者たちの登場!

私は安心して 彼らの音楽に身をゆだねた。。

それにしても、
アンコールのソロ・メドレーにはビックリ!

ファンクラブ・イベントらしくw
くじ引きでプレゼントが当たる企画。
座席番号でくじ引きをし、当たった人に
アンコール曲のリクエストをしてもらったら
7曲ぜんぶをメドレーにしてしまった!
すごいなあ~
会場は笑いと興奮につつまれたよ。



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ところで!
冒頭の文をSNSに投稿したら
角野さんご本人からイイネ♡をいただきました(嬉~


この演奏会は、オランダから帰国した日!
飛行機が遅れなくて良かった!
とりあえず荷物を家に置いて、駆けつけた=3

イイネで、そんな努力が報われました~♬♪














































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Nederland Ⅶ    [旅の空は]

ヨーロッパでは自転車専用の道路に良く出会う。
昔からの自転車の国、オランダは
その専用道路を走る自転車がとても多い。

そして、みんな凄いスピード!
日本の感覚で、今なら道路を渡れるな
と歩き出すと
あっっという間に至近距離に来ている。

カーブからシュッと出てくる自転車もいて
何度 ヒヤヒヤしたことか。
全方位 見ながら歩くクセがついたよ。




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ユトレヒトの街に ひときわ高くそびえるドム塔
カリヨンが鳴り響いてる

https://x.com/pfmazurka/status/1828994275440259220



オランダ人はオランダ語と英語のバイリンガルなので
何か説明する時に
「オランダ語?英語?」
と、聞かれる。
もちろん「英語」と答えるのだが
中にはオランダ語ナマリの英語で、チンプンカンプンのこともあったw



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ユトレヒトからアムステルダムに戻る。

アムステルダム中央駅ホームのスタバの前
自転車をおして歩く人

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アムステルダム中央駅の海側の改札から出たのは初めてだった。
夜景が美しかった~

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この時、私はカーディガンとパーカーを着て
手袋もしていたが
翌日いっぱい飛行機に乗って帰った東京は
30°超えだった~!

初の海外一人旅が無事に終わり、やれやれ。



さて、次はどこへ行こうかな~?

(えー!また行くの?!


























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Festival Oude Muziek Utrecht 5    [コンサートの記憶]

Vox Luminis
   ~TivoliVredenburg/Utrecht



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(プログラム)
Cristóbal de Morales  ca. 1500-1553
  Officium defunctorum
  Missa pro defunctis a 5


(出演)
[Vox Luminis]

cantus:Tim Braithwaite, Sophia Faltas, Tessa Roos, Korneel van Neste, Katerina Blizkovska
アルト:Marc García, João Moreira, André Pérez Muíño, Tobias Knaus
テナー:Olivier Berten, Philippe Froeliger, Adriaan de Koster, Vincent de Soomer,
    Massimo Lombardi, Lisandro Nesis, Emanuele Petracco, Roberto Rilievi
バス:Vincent Berger, Javier Cuevas, Pieter Stas
指揮・バス:Lionel Meunier




圧倒的な存在感の声!
そして恐しく完璧な音程!

耳ではなく
全身に声が飛び込んでくる。

デッドな空間に 重い倍音が
オーロラのように立ちのぼる。

輪になって創る祈りの歌。。





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             (この写真はweb上からお借りしました)





クリストバル・モラーレスは1500年頃 セビリアで生まれた。
スペインの伝統的なレパートリーと
フランドルの対位法の要素を組み合わせた音楽で
ビクトリア以前のスペインで最も影響力があった
ルネサンスの作曲家。

この日のプログラム「死者のための聖務曲集」と「ミサ曲」は
モラーレスの時代の儀式のように
輪になって歌われた。



クワイヤに女性もいるが、ソプラノは無く
まるで、修道士が敬虔な祈りを捧げているよう。


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        (この写真はweb上からお借りしました)





Vox Luminis は2004年にリオネル・ムニエによって
ハーグの王立音楽院で設立されたアンサンブル。
16世紀から18世紀までの声楽に焦点を当てており、
楽器奏者との演奏もしている。

同じ音楽院だった鈴木優人さんが
このアンサンブルでオルガンなどを演奏していた。

動画などで聴くVox Luminis の演奏は本当に素晴らしく,
いつか聴いてみたいと思っていた。

しかし、来日する様子がない。
それなら、こちらから行くしかない!

そういうわけで
今回のオランダ旅行の主目的は
Vox Luminis !

だから、彼らの演奏を
同じ空間で聴いている時は
夢じゃないかと思った。

しかも、しかも
動画などで聴いていたのと全然違う!
ホール中の空気が
ビリビリと震えるナマの凄さ。

想像をはるかに超えた演奏にクラクラ。。



演奏が終わると
静寂につつまれる。
1700人収容の満員の大ホールは
深い森のような闇。
長い 長い
全く音のない時・・


そして
静かに拍手がはじまり
割れんなばかりの喝采へ!


ああ、なんて素晴らしいオーディエンス。
ともに聴くことが出来た幸せ。。


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声の魔力は
時を操り
空間を膨張させ
そして 伸縮させる。

異次元へ誘われ
深い恐れと
多幸感につつまれる。。

まさに
今ここでしか聴けない音楽。

最高の夜を
ほんとうに ありがとう










































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Festival Oude Muziek Utrecht 4    [コンサートの記憶]

Opera Omnia
    ~Jacobikerk/Utrecht

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(プログラム)
Juan García de Zéspedes 1619-1678
  Convidando está noche

Juan de Araujo 1646-1712
  Vaya de gira


Gaspar Fernández  ca. 1570-1629
  A San Pedro a 4

Antonio de Salazar  ca. 1650-1715
  A de la nave

Manuel Blasco  ca. 1628-ca. 1696
  La chacona me piden

Antonio Martín y Coll  ?-na 1733
  Folías

Juan Gutiérrez de Padilla ca. 1590-1664
  Stabat mater


Sebastián Durón 1660-1716
  Salve de ecos
  Duerne, rosa, y descana


Juan Gutiérrez de Padilla ca. 1590-1664
  A la xácara, xacarilla

Anoniem  17de eeuw
  Vaya de xácara

(出演)
ソプラノ:Manon Chauvin, Cristina Teijeiro, Adriana Mayer
アルト:Beatriz Oleaga, María Morellà
テノール:Fran Díaz Carrillo, Felipe Nieto
バス:Fabio Barrutia
管楽器:Fernando Pérez Valera, Juan Alberto Pérez Valera,
      Luis Alfonso Pérez Valera, Eduardo Pérez Varela
チェロ:Guillermo Martínez
アーチリュート・ギター:Josías Rodríguez
パーカッション:Pere Olivé
オルガン:Asís Márquez
指揮・アーチリュート・ギター:Isaac M. Pulet



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ドンドコ打ち鳴らすタイコのリズムに乗って
陽気な歌のパフォーマンス♪♬
思わずステップを踏みたくなる
楽しさ満載のラテン・アメリカ音楽!



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歌手たち全員、もの凄く上手い!
声が良いのはモチロン、
とっても芸達者。
どの曲もオペラの一場面のように
魅力あふれるパフォーマンス。

そして、
オリジナル楽器の奏者も
余裕で超絶技巧をやってのける。

歌手と器楽の
遊び心満載のアンサンブルは
沸き立つような喜びで いっぱい!




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こんな、かぶりつきの席で
圧巻のパフォーマンスを堪能~
なんという幸せ♡


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開演直前、1列目の空いている席に係の人達が座ってしまった。
2列目のおばちゃんが
「アンタ、大きいから私(ステージが)見えなくなっちゃったじゃない!」
と、文句を言い出した。
「大きくてゴメンネ~」大きい身体を縮める仕草w
おばちゃんは
「いいわよっ 前に座るからっ」
と、1列目に席を移したのだった。周りは大笑い。

さっきの演奏会の女性といい、
けっこうハッキリと言う人が多くて驚くw




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演奏会の聴衆は、割と高齢の方が多い。
古楽祭では、聞いたことがない曲が多いと思うが
こちらでは耳なじみが無い曲でも聴くのが普通らしい。
現代音楽も、どんどん聴くそうだ!すごいなあ。
日本では「知ってる曲」がプログラムに無いと集客できない、
というのと大違いだね。



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Festival Oude Muziek Utrecht 3   [コンサートの記憶]

Pierre Hantai/klavecimbel
     ~TivoliVredenburg・Hertz / Utrecht


(プログラム)
Domenico Scarlatti 1685-1757
Pierre Hantaï maakt tijdens dit concert een persoonlijke keuze uit de klavecimbelsonates van Domenico Scarlatti

(ドメニコ・スカルラッティの555曲の鍵盤ソナタから
 ピエール・アンタイが選んだものを演奏する)




美しいチェンバロの音色は
細かい光の粒子のよう。
まるで
ほの暗い木立の間に
飛び交う蛍。
異国の庭園で
故郷に思いをはせる夜。。



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ドメニコ・スカルラッティはイタリア人だが
スペインに渡り、活躍した。

今年のユトレヒト古楽祭のテーマはスペイン。
ピエール・アンタイはD.スカルラッティのソナタから
スペインに関連するものを選んで演奏した。

演奏前に本人がそんな経緯を話し始めると
客席から「何番を弾くの?!」と女性の声。
ソナタは555曲あるので、その中のどれなのかを知りたいのだ。
会場に笑い声~。
でも、アンタイは あえて番号を知らせず
この日の雰囲気を楽しんでほしい、
というような事を言って(たぶん)、演奏が始まった。

チェンバロは本当に綺麗な音色。
そして、生真面目な音楽は彼の性格だろうか。
きちんと整った演奏は
もしかしたら、王室に仕えたD.スカルラッティに
通ずるものなのかも、と
心は この春に訪れたスペインへと浮遊する。。







































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