笛を吹く少年 [アートに逢いに]
たった今
筆を走らせたよう!
つややかな光沢と
油絵の具の香り。。
オルセー美術館展 印象派の誕生 ―描くことの自由―
~国立新美術館
入り口を入ると、いきなり マネ!
印象派の水先案内をした画家だから当然とはいえ、心の準備が・・w
最初から「ピアノを弾くマネ夫人」が登場するとは思いませんでした!
そして、ウナギですー。
マネが好んで使った黒。
日本の墨色のような。
だからウナギさえもマネの色をしてます。すてき。
それがまあ、つやつやとしていて
エドヴァール(マネの名前です)が たった今 筆を走らせたよう!
イーゼルに立てかけられたキャンバス。
油絵の具の香り。
まるで 私の横に彼がいるような。。
何かとても懐かしい気持ちでいっぱいになる。
エドヴァール!
たった半世紀しか生きなかったのに
あなたは どんなに密度の濃い人生を送ったことだろう。。
振り向くと、あの少年。
大きな瞳 笛に息を吹き込む口もと
柔らかな指。。
私は笛の音を聴きながら
飽くことなく眺め続けていました。
時間の経つのを忘れて。。
この作品は、ナポレオン三世の時代の
フランス皇帝近衛兵の鼓笛隊員がモデルになっています。
笛はファイフという木製の横笛で、ヨーロッパには当時のものが現存しています。
会場には、それを参考に制作されたものが展示されていました。
展覧会は、風景・人物・静物など
印象派の作品を次々に紹介していきますが
どれもこれも 素晴らしいものばかり。
ミレーの「晩鐘」は画集・画像で見るとぼやけてしまって解りにくいのですが
細部がとても丁寧に描き込まれていて驚きました。
マネのモデルにもなっていたベルト・モリゾが
女性らしい視点で描いた「ゆりかご」
そして、クロード・モネの若き日の大作「草上の昼食」
木漏れ日がまぶしい!
418×150 cm(左) 248.7×218 cm(右)という本当に大きな作品。
元は1枚だったものが、保存状態が悪く 切り取らざるをえなくなったのだそうです。
でも、こういう形で観ると かえって構図が斬新でインパクトがあります。
この会場は天井が高いので、こういう大作が余裕で展示されていて
本当に見応えがあります。
最後にマネの円熟期の作品で展覧会の幕が下ろされます。
「ロシェフォールの逃亡」
マネが何かの事件にインスパイアされて描いた作品です。
月夜に光る波頭
海の上をすべるように進む小舟
エドヴァールは
自分の魂を
水平線の彼方へ
そして
その先へと
旅させていたに違いない。。
2014-08-29 00:33
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