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Infanta Margarita Teresa         [アートに逢いに]

ハプスブルク展
     ~国立西洋美術館


17世紀スペインの画家 ディエゴ・ベラスケスの晩年の作品、
「Infanta Margarita Teresa(王女マルガリータ)」

青いドレスに身を包み、気品あふれる立ち姿。
王家に生まれた運命を受け入れ
おそらく生涯を毅然と生きたにちがいない。


ベラスケスは宮廷画家として王族の肖像を多く描いた。
マルガリータ王女が幼い時、画家にポーズをとっている作品は
国王夫妻が壁に掛かった鏡に描かれていて
その描写がおもしろく、私が大好きな一枚。

構図もさることながら筆致の素晴らしさには目を見張る。
例えば王女マルガリータの青いドレスは
ささっと筆を走らせているのに
少し離れると、サテンの光沢が鮮やかに浮かび上がる。


王女は幼い時からウィーンのハプスブルク家に嫁ぐことが決められていた。
写真がなかった時代、数年おきに描かれた王女の肖像画が
スペインからオーストリアへ送られ、成長の様子を伝えたという。

赤ん坊だった王女が、ようやく立ってポーズをとれるようになった頃から
可憐な少女となり、美しい花のつぼみがふくらんでくるような頃まで
画家は優しく見守り続けた。

画面から伝わってくる、その敬愛のまなざし。
遠い異国へ嫁いでも、幸せであるようにと
祈りを込めて描いていたことだろう。。


'19Decハプスブルク1.jpg


マルガリータ王女は15歳で輿入れし、6人の子を授かったが21歳で亡くなった。
11歳年上の実の叔父との結婚生活は
画家ベラスケスの願い通り、幸せなものだったと思いたい。







'19Decハプスブルク2.jpg


この展覧会はハプスブルク家の膨大なコレクションが主眼で
王女マルガリータだけが来ていたのではありませんw

でもね、ハプスブルク家の歴史=ヨーロッパ史。
もう本当にあらゆる美術工芸品が展示されていました。
なので、省略しますが(え?

あ、こちらも大変おもしろかった!
ヤン・トマス怍「神聖ローマ皇帝レオポルト1世と皇妃マルガリータ・テレサの宮中晩餐会」

'19Decハプスブルク3.jpg

                      (web上からお借りしました)


晩餐会をカメラで撮ったようにリアルで、それぞれの人物の動きがとても楽しい作品でした。









































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