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メサイア!!    [歌にたくして]

高いマストの

美しい帆船で

大海原へ漕ぎ出そう!


今まで誰も

行ったことのない世界へ

今まで誰も

聴いたことのない音楽の時間へ。。





'19Decメサイア2 - コピー.jpg
                        (この写真はweb上からお借りしました)



初めてのヘンデル「メサイア」。

いつものように楽曲分析をすると
バッハのような難しい対位法がなく、とても解りやすい。
旋律も親しみやすく、
ソリストだけでなく合唱が活躍する曲が多い。
そして合唱の4声部それぞれに聴かせどころがある。
200年以上も昔の曲なのに
今も毎年、数多くの演奏会が行われている理由が解ってきた。
さすがヘンデル!
イタリアで学んだオペラの手法を
イギリスへ持って行き大成功を収めた作曲家ならでは。


この素晴らしい音楽を自信を持って歌えるようにしたい!
それには練習しかない。

しかし、他の合唱もあるので
練習している曲が なんと50曲以上!!
日々の練習時間を増やしても
なかなか思うように成果が出ない。


ところで、女声合唱ではメゾソプラノだったが
それは今までの混声合唱とは全く異なり
とても高い声が必要だった。
これにはマイッタけれど
発声の丁寧な指導を受け、練習するうちに
声域がぐんと広がった。

その女声合唱の演奏会が終わってからの3週間。
あらためて「メサイア」に向き合うと、
まあなんと楽に声が出ること!

しかも「メサイア」のオケはオリジナル楽器なので
ピッチがA=415Hz。
家のチェンバロで音を確かめながら自主練するのだけど
おそろしく低いっw


しかし、そんなふうに懸命に練習しても
まだ何かしっくり来ない。
それは言葉!
ヘンデルは歌詞を全て聖書から引用した。
英語だから意味はわかるけれど
聖書となると、ハナシは別。
さまざまな歌詞の対訳を読むが
どれも難解。

そして、ある日
ヘンデルが引用した聖書の箇所について
詳しく述べている解説に行き当たった。

切望された救い主の誕生から受難、
そして復活へ続く物語を
旧約聖書のイザヤ書、詩篇
新約聖書の福音書などから引用し
どのように組み合わせて音楽にしていったのか。

それを読んで、この劇的な作品の全体が
絵巻物のように目の前に広がった!

今年の夏に訪れたベネルクス各地の教会。
聖堂の装飾や祭壇画の聖書の場面。。
音楽はまさに
それらを表現していたのだ。

納得すると、身体の中に音楽がすうっと入ってきた。
あとは確信をもって歌うだけ!


    (この解説は去年の演奏会で配られた船木弘毅氏によるもの。
     解説では「信仰告白のオラトリオ」とされている)




オーケストラとの合わせ練習。
メンバーの中にBCJなどで活躍中の古楽のスペシャリストたちが!
彼らの素晴らしい演奏とともに
青木洋也先生の指揮を見ていると
どんな音楽を創ろうとしているのかが
本当に良く解る!

ここへ至るまでの練習で
青木先生が細部にわたって伝えてくれた決めごとが
具体的になって立ち現れる。

「新しいメサイアを創ろう!
 今まで なかった 
 ここでしか聴けないメサイアを!」





'19Decメサイア1.jpg

                     (この写真はweb上からお借りしました)



そして、本番!!

自分の中に取り込んだ「メサイア」がホールの空間に舞っていく。

悦び 哀しみ 怒り
そして歓喜。。
さまざまな感情が豊かに表現されていく。
なんて充実した音楽の時間だったことだろう!






'19Decメサイア3.png
               (今回は弾き振り!だったのではありませんw)


「メサイア」はヘンデルが毎年のように再演しましたが、
その時によって版が異なります。
今回は1754年版で、ソプラノのソリストが二人。
なので、アルトのアリアが少なかったのでした。
アルト・ソロ、客席で聴きたかったなあ。。
テノールとのデュエットなんて、超絶かっこよかったもの。


ところで、この合唱団には「メサイア」が大好きで
何十回も(!)歌っている方が沢山いたので
初心者の私も本番で心おきなく歌うことが出来たのです。
本番に向けての練習が始まった10ヶ月前、
もう既に曲が出来上がっていたと言っても良いくらい。
だから、指導者の先生方もとても和やかでした。
追いつくのに必死な私!


実は「メサイア」はベルリンで歌うはずでした。
せっかく行くなら、ちゃんと歌いたいと思い、この合唱団に入ったのです。
ところがっ
ベルリン行きは募集人数が満たず、流れてしまったのです(悲。。

でもね
フィルハーモニアでは歌えなかったけど
これだけ綿密なリハーサルが出来たし
青木先生のテンションマックスな指揮にガチで反応できたし♡
知り合いも大勢聴きに来て、褒めてもらえたし
大満足でありました~♪♫♪


































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