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OZONE60 Classic × JAZZ   [コンサートの記憶]

ひとりひとりの
心に届くように
奏でられたピアノは
大きな空間を
あたたかい愛で満たし
いつまでも
輝きつづける。。





'21March OZ3.jpeg



小曽根真 60th Birthday Solo
         ~サントリーホール

(セットリスト)
Makoto Ozone:Gotta Be Happy
        Struttin’ in Kitano
Moszkowski:20 Petit Etudes, Op.91: No. 8 in B Minor: Moderat
Makoto Ozone:Need To Walk
Always Together
Mozart:Eine kleine Gigue in G Major, K.574
Prokofiev:Piano Sonata No.7 in B-Flat Major, Op. 83: 3. Precipitato
Makoto Ozone:The Puzzle
Chick Corea:Spain
Makoto Ozone:Listen…
        O’berek
        For Someone

(アンコール)
Makoto Ozone:Reborn


エントランスを入ると、なんだか赤い!
ロビーに飾られている沢山のお花が赤・赤・・
ホールの中も赤い!
赤いライトに浮かび上がるステージ。
その床には「OZONE60」の文字が!


'21March OZ 1.jpg


この日は小曽根さんの還暦の誕生日。
ご本人の演奏を聴いて祝えるなんて、すっごい贅沢♪♫

客席は文字通りの満席。
全員の熱い期待も最高潮。

拍手の中、登場した小曽根さんは
やはり赤いシャツ姿。

さあ!特別な時間が始まる。
Gotta Be Happy!!

イントロはソロ・シンガーのモノローグ。
クワイヤーのステップが始まる。
重心の低いリズム。
クラップ!クラップ!
ソロの熱唱、そして
コール&レスポンス!

ゴスペルのステージに放り込まれたような
この最高に Joyful な曲が大好き!
小曽根さんが、以前ゴスペルクワイヤーのオルガンを弾いていたと知り
いつかゴスペル調の曲をかいてほしいと願っていたので
新しいアルバムに入れてくれて、本当に嬉しい♡

心をわしづかみされた客席から大きな拍手!
笑顔・笑顔!

ウェルカムの挨拶に続いて、
小曽根さんの原点という
ジャズバー・Kitanoの雰囲気を曲にしたデキシー♫♪
軽やかなストライド奏法はお家芸。
ちょっとお酒が入ったようなアドリブ。
にぎやかなセッション。
さんざめく会話。




モシュコフスキーのエチュードといえば
15の練習曲 Op.72 を思い浮かべるけど(トオイメw
演奏されたのは 20の小練習曲 Op.91。
8番はh-mollの美しい作品で、三声でかかれている。
なめらかなピアノ。
さりげないゼクエンツ。
そして
原曲からの自然な流れの即興・・
まるで
深い森の奥から湧き出たすきとおった水が
せせらぎとなり
谷川の急流になるように。
それは 
いつのまにか
再び森へ還っていく。。



一転してブルース。
「体重がが・・なので歩かなくちゃ!」
というわけで、
太~い人が歩いているようなベースラインw
おチャメ全開でメチャ楽しいこと!
この曲を聴きながらウォーキングする人が増えそうな予感。


そしてAlways Together♡
これを聴くと笑顔になれる。幸せ~♪♫
元気いっぱいの笑顔から
ふわっと空をあおいで思い出し笑いをしたり
ステップを踏みたくなったり。

この曲は去年の新曲で、タイトルは一般公募になったのでした。
たくさんの応募の中から小曽根さんが選んだわけですが
命名者となった方が客席に。
小曽根さんが「いらしてますか?」
と、1階客席の方を捜すと
背後のP席で「はい!」と手を挙げた方が。
1階前列のワタシタチが「あそこに!」と指してあげたのでしたw


さあ、モーツァルト!
キラキラの音たちがくるくると宙を舞う。
飛び跳ねて笑い
ちょっとスネたり
思いっきり走ったり
ホモフォニーとポリフォニーを自在に操る
ステキなインプロヴィゼーションに心が躍る。



アタッカで始まったプロコ!
鋭い打鍵
炎のようにぐいぐい突き進む
これは圧巻!!


ほんとうに、
この日演奏されたクラシック曲たちの素晴らしかったこと!
CDを録音した時から、さらに深化を続けているなあ(尊敬っ





後半、小曽根さんは春らしい桜色と白のツートンのシャツ姿。

The Puzzleは元々アップテンポの曲だけど
さらにヒートアップしてる。
床を鳴らす靴音のタイトなこと!
ゆるぎない細かいパルス。
火花が散る!
まるでイリュージョン!


こんなに凄い早弾きの後、息が上がることなくフツーに喋る小曽根さん(凄~
「みんな、まだ居てくれてありがとう」←帰るわけないじゃんw

そして、来場しているミュージシャンや俳優の友人達を紹介。
ひとりひとりが客席のあたたかな拍手に応える。

「予定してなかったのだけれど」
と言って弾きはじめたのは
チック・コリアの Spain !
星になってしまったチックさんは
小曽根さんの大切な師であり、友人だった。

さあ
あのフレーズ!
一瞬、天をあおぐ小曽根さんの笑顔。
ああチックさんが一緒に弾いている!
いつかのように。
チックさんの大きな愛が そこに。。

弾き終わって小曽根さんが思わず叫ぶ
「We love you!
We miss you!」

涙があふれる。。



・・やさしいピアノの音

Listen…

子守歌のように穏やかな空気は
頑なな心をときほぐし
懐かしい記憶の中で たゆたう。。



次の O’berek(オベレク)をソロで弾くのは本邦初公開。
元々ピアノカルテット&パーカッションのためのオリジナル曲。
それをCDでは2台のピアノで多重録音、という難曲!

ものすごいサウンドの厚さ。
それなのに、なんだこのグルーヴはっ!
エキゾチックな香りと
近未来のシャープさが混在し
緊迫感が渦巻き、駆け巡る。
まさに圧倒的!!

オベレクはポーランドの民族舞踊で
輪になって軽やかなステップを踏みながら踊る。
でも、小曽根さんのオベレクはそれとは違う!
何故?

・・もしかしたら
小曽根さんは器楽で演奏するための作品にしたのかも。
ピアソラがアルゼンチンで踊られていた、
その土地固有のダンスミュージックを
楽器の演奏で「聴かせる音楽」に発展させたように。。






セットリストの終わりは 
For Someone 

日々の
何気ないことの繰り返しの大切さ
くりかえすうちに
積み重なって
豊かなものになってく・・

「For Someone 誰かのために」
そしてマイクを置いた小曽根さんが
もう一度 言う。

「みなさんの ために」


淡い色彩で描かれた水彩画の世界・・
どこまでも続く道
穏やかな風
誰かを想う心
あるいは ときめき
それとも あきらめ

あなたは あなたのままで いいんだよ
そんな優しさにつつまれる。。


・・ピアノの響きが消え
長い 長い 沈黙の後
静かに拍手が始まる
そして
喝采へ。。







アンコールは もちろん Reborn

ブルージーにバウンスするピアノ。
私も心の中で歌う。クラップしながら!

スタンディング・オベーション!
またひとつ
忘れられない 大切な時間が心にきざまれた。。







'21March OZ2.jpeg




この日は、なんと最前列でした!
小曽根さんの大切な日を、こんなに凄い席で祝うことができて
本当に幸せでした。

しかーしっ
何故か数日前からソワソワと落ち着かない。
当日は、自分の本番のように緊張・・!

小曽根さんが「お客さんは僕のパートナー」と言っていた事を
後になって思い出し、大反省。
客席の緊張が伝わってはいかんっ!!
次の時はもっとテンション上げて聴きに行かなくてはっ。


実は、小曽根さんが後半のMCで
「こんなにたくさん来てくれるとは思っていなかった。
開演前に(入場の様子の)モニターを見ていて
・・こんなに緊張したことはない」
と言っていたのです。

しかし、どんなにプレッシャーがあっても撥ねのけて
すばらしいパフォーマンスを聴かせてくれる、
これこそプロ中のプロ!
心から尊敬します。



さて「OZONE60」は、この日が初日。
1年かけて全国60カ所をまわるそうです。
さあ、あといくつ行けるかな?楽しみ~。
































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