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MARTIN GARCIA GARCIA    [コンサートの記憶]

マルティン・ガルシア・ガルシア ピアノリサイタル
          ~東京オペラシティ コンサートホール

オール・ショパンプログラム



4つのワルツ:第14番 ホ短調 op.posth.
       第3番 イ短調 op.34-2
       第2番 変イ長調 op.34-1 「華麗なる円舞曲」
       第7番 嬰ハ短調 op.64-2
ノクターン 第16番 変ホ長調 op.55-2
スケルツォ 第2番 変ロ短調 op.31
即興曲 第3番 変ト長調 op.51
前奏曲 嬰ハ短調 op.45
ポロネーズ 第6番 変イ長調 op.53 「英雄」

3つのマズルカ op.50 ト長調、変イ長調、嬰ハ短調
24の前奏曲 op.28より 第17番 変イ長調 、第19番 変ホ長調 /、第23番 へ長調
ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 op.58 
           Ⅰアレグロ・マエストーソ  
           Ⅱスケルツォ:モルト・ヴィヴァーチェ
           Ⅲラルゴ
           Ⅳフィナーレ:プレスト・マ・ノン・トロッポ

(アンコール)
ショパン:ワルツ op.34-3
ラフマニノフ:楽興の時 op.16-4
リスト:2つの演奏会練習曲より 第2曲「小人の踊り」
ラフマニノフ:楽興の時 op16-3
ラフマニノフ:エチュード op.39-1
モンポウ:子供の情景から 第5番「庭の乙女たち」



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メロディはもちろん、
バスからも内声からも
全てから聴こえる愛にあふれた
歌のフレーズ!

そして彼のハミング。。



前奏曲23番からアタッカで奏された
ソナタ3番はまさに圧倒的!!

そして怒涛のアンコール。

幸せな笑顔。。







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マルティン・ガルシア・ガルシアは
昨年(2021年)のショパン・コンクールで第3位に輝いたピアニスト。
生国のスペインでは両親それぞれの姓を名乗るというので
たまたま同じ姓の両親を持ったのでしょう。

ショパン・コンクールで、ガルガルさんは演奏しながら朗々と歌うことで話題になった。
配信でも張りのあるテノールが良く聞こえ、
楽しそうに演奏する姿はコンクールではなくリサイタルのようだった。
音楽も常にポジティブ。
こんなショパンがあって良いのか?とも思うが
ガルガルさんは最後までそのスタイルを貫き
コンチェルト賞まで獲得したのだった。




年が改まり、日本でショパンコンクール入賞者コンサートが催されるはずだったが
外国人の入国が難しいため、中止になってしまった。

春の訪れとともに規制が緩和され、少しずつ来日コンサートが増えてきた。
その中に、ガルガルさんの演奏会も!
しかも日本国内で数公演ある(凄~
チケットの売れ行きが良くて
私は2階のバルコニー席を辛うじてゲット。
ステージに直角なので非常に見にくくて辛いけど、仕方ない(汗




そして、ガルガルさんのハミング!確かに聴きましたよ!!
気持ちが高揚し、音楽に没入すると思わず歌ってしまうのでしょう。

ガルガルさんは最初に登場すると、休憩までずっと弾き続けました。
曲のまとまりの間にお辞儀をし、拍手を受けることはあっても
ちょっと汗を拭くと、すぐに次の演奏へ。
なんだかコンクールのようです~w



YTでガルガルさんの演奏会がいくつか聴けますが
J.S.バッハがプログラムに入っている事が多く、
とても巧みにポリフォニーを操っているのです。
この日のショパンを聴いているうちに
各声部を息ながく弾ける理由はそこにあったのか!
と合点がいったのでした。




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              (この写真はweb上からお借りしました)





さて、後半。
いきなりピアノが鳴り出してビックリ!
低音の深い響きの上に
色彩豊かなハーモニー。
美しいフレージングの旋律。。
すべてが立体的に立ち現れ
ドラマが動き出す。

絶妙な間合いとリズムのマズルカが運んでくるのは
ショパンの祖国の風と香り。
続く前奏曲は
回想シーンのように戯れ、微笑みを連れてくる。

この選曲のセンスは誰にも真似できない。
それは、3番のソナタに繋がる序章。
ドラマティックなソナタが
さらに輝きを増し、深淵な記憶となった。。










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                 [この写真はweb上からお借りしました)



演奏会の最中にピアノの鳴り方が変化するのは良くある事。
観客が入った状態にピアノが慣れてくるのか、
演奏者の緊張がほぐれ、力まずに打鍵するせいなのか解らないけれど。
しかし今回のように、まるで違う楽器に聴こえたのは珍しい。
のびのびと弾き歌うwガルガルさんが聴けて良かった!
しかも、あの笑顔!
まさにポジティブな音楽を奏でる人の、柔らかな表情。

ピアノ(ガルガルさんが好んで弾くファッツィオリ)がステージに真っ直ぐでなく、
やや斜めに置かれていたのは
ガルガルさんの顔を見たいファンへのサービスだったのかしら?
(まさか! ホールとピアノの相性を考慮したものでは?w)



ガルガルさんは他のホールでも「第3部」と喜ばれるほど沢山のアンコールを弾いたそうです。
この日は、最後に演奏したモンポウが印象的。
やはり、同郷の作曲家とは通じるものがあるのでしょう。
アルベニスやグラナドスも聴いてみたいな~♪♬





























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