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Bach to Piazzolla     [コンサートの記憶]

Pianos’ Conversation 2022
鈴木優人 plays Bach to Piazzolla
        ~オーチャードホール

バッハからピアソラへ
―多彩な鍵盤楽器で繋ぐ300年のタイム・トラベル

(出演)
鈴木優人(オルガン・チェンバロ)

鈴木崇朗(バンドネオン)
鈴木広志(サクソフォン)
鈴木大介(ギター)

(プログラム)
【第一部 鈴木優人ソロ】

J.S.バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565 (org)
     :トッカータ ニ長調 BWV912 (chem)
     :フランス組曲 第5番 BWV816 より アルマンド(pf)
F.クープラン:神秘的なバリケード(chem)
J-P.ラモー:めんどり(chem)
武満徹:夢見る雨(chem)
F.クープラン:教区のためのミサ曲 より 世の罪を除きたもう主よ(org)
J.S.バッハ:小フーガ ト短調 BWV578(org)


【第二部 鈴木優人 with 鈴木タンゴ・トリオ(スズキトレス)】

J.S.バッハ:フーガの技法 BWV1080 より Ⅰ(chem)
ピアソラ:「ブエノスアイレスの四季」 より 春・夏 ☆ *
J.S.バッハ:フーガの技法 BWV1080 より Ⅲ(chem&sax)
A.ピアソラ:フーガと神秘☆
J.S.バッハ:フーガの技法 BWV1080 より Ⅴ(chem & gt)
A.ピアソラ:「ブエノスアイレスの四季」 より 秋☆ *
J.S.バッハ:フーガの技法 BWV1080 よりVIII (org&b-n) 
A.ピアソラ:「ブエノスアイレスの四季」 より 冬☆ *

(アンコール)
A.ピアソラ:リベルタンゴ☆ *  

*編曲:山下康介


・オルガン  コンティヌオ・オルガン 製作・設計 GARNIER Organum 有限会社
・チェンバロ フレンチ・タイプ ヴィレム・クルスヴェルヘン製作(ユトレヒト、1987年)
       (クシェ・モデル、2段鍵盤:8'8'4)
・ピアノ   スタインウェイ D-274





このホールでパイプオルガンとチェンバロが聴けるとは!!
優人さんの胸がすく独奏に感激!



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前半は優人さんが3種類の鍵盤楽器を次々に演奏。

まずは正面の高い位置に据えられたパイプオルガンから。
大ホールにあるものより、ずっとコンパクトなせいか
音がとてもクリア。
優人さんが快速に弾く「鼻から牛乳」(違)の
足鍵盤が活躍するフレーズも、すっきりと良く聴き取れる。
このパイプオルガンはBCJの特注で製作されたもの。
ポジティブ・オルガンよりも通奏低音がしっかり鳴るし
組み立て式なので、このホールのようにパイプオルガンがない場所でも演奏可能。
とはいえ、オソロシイ数の部品をバラして運び、再び組み立てるという作業は
想像しただけで気が遠くなる!
良い音楽をしたいという一念の、なんと素晴らしいことか。



次はチェンバロ。
先月のブルーノートでは鈴木家の新しい蝶々くんだったけど
今回は黒地のシノワズリが美しい、古参のエビちゃん。
きらきらと明るい音色で、トッカータがカッキリと描き出される。
チェンバロも公演のたびにお家からお出まし。
最高の音楽を届けるためには、労力を厭わない。



そして、なんとピアノでバッハ!
ペダルを使い、暖かな音色で奏されるアルマンドの
なんと表情豊かだったことでしょう。。
しかし、バッハを人前でピアノで演奏するのは
「小学生の時の発表会以来で、とても緊張した!」
と、演奏後に語る優人さん。


バッハのフランス組曲にいざなわれ
フランスの作曲家の作品をチェンバロで。
アンニュイな表情の「神秘的なバリケード」
打って変わって
溌剌とした「めんどり」の鳴き声。

さらに、タケミツの「夢見る雨」は
見事な音程表現で
降る雨が見えるよう。。

前半の終わりにオルガンで奏されたのは
フランスとドイツの祈りの音楽。

重厚なクープランの作品は
下降する音型が印象的。
まさに頭(こうべ)を垂れて祈るよう。

そしてバッハらしさ全開の小フーガ。
優人さんが弾くと
風通しよく、どこまでも運んでくれる爽やかさ。



'22July Mast2.jpg

                 (この写真はweb上からお借りしました)



後半は4人の鈴木さんが軽やかに時空を行き来する!

J.S.バッハの「フーガの技法」の中から
コントラプンクトゥスを1つ演奏すると
ピアソラの「ブエノスアイレスの四季」を全員で演奏する。

まさに大きな振れ幅の中で、自在に奏でられる音楽の旅。

途中、ピアソラもフーガをかいたということで
「フーガと神秘」が演奏された。
これは、前半の「神秘的なバリケード」にリンクしているという。
(そんな優人さんのスペシャルなお話もいっぱい楽しめて嬉しかったな♡)


「フーガの技法」はチェンバロで演奏されたのが
優人さんの独奏に続く
サックスとのデュエット、そしてギターとのデュエット。
とても自然な編曲で、元からあった作品のよう!

そして、バンドネオンはオルガンとデュエット。

その昔、布教に行った宣教師が
讃美歌の伴奏のために携えて行ったのは
オルガンではなく、バンドネオンだった!という衝撃の事実。
それがアルゼンチンに渡って。。

この日、東京で
オルガンとバンドネオンが再会した。
素晴らしい弾き手に導かれた
幸せな再会。。


'22July Mast4.jpg

             (この写真はweb上からお借りしました)







アンコールは全員が黒いTシャツに着替えて登場。
(どうも時間がかかってると思ったらw)
双眼鏡(←)で見ると、黒地に白い文字で「SUZUKI」と書いてある!
そう、この公演はナント全員が「鈴木さん」!
優人さん以外の3人は「鈴木タンゴ・トリオ(スズキトレス)」として活動中。
何やら、ライブハウスの店主が「全員が鈴木というのは面白い」と集められたのだとか!

SUZUKI CUATRO(クアトロ) で弾くピアソラは
優人さんがピアノでベースをズンズン鳴らしてて
とってもカッコ良かった!



せっかくTシャツ作ったのだから、
再演よろしくお願いします♪♬
(あ!もう そのつもりだった?)




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              (この写真はweb上からお借りしました)








古い時代の音楽と現代の音楽を行き来する。。
それは、優人さんが以前からやっていた演奏会。
私はそれにすっかりハマってw優人さん推しになりました。

例えば、ヴィヴァルディと現代音楽を交互にプログラムした
この演奏会 ↓↓

ヴェネツィァの歌う庭


いつかまた聴きたいと思っていましたが、
この日はその続編が聴けたような嬉しさでいっぱいでした!












































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