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SUMIDA      [コンサートの記憶]

すみだクラシックへの扉 #13
       ~すみだトリフォニーホール

(出演)
指揮:大植 英次

ピアノ:小曽根 真*
ベース:小川 晋平*
ドラムス:きたい くにと*

管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団


(プログラム)
小曽根真:ピアノ協奏曲「SUMIDA」*
     (新日本フィル創立50周年委嘱作品/世界初演)

ワーグナー:歌劇『ローエングリン』より「エルザの大聖堂への行進」
ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調 WAB 109
             
(ソリスト・アンコール)
小曽根真:Asian Dream





ふくよかにうねる弦楽
香り立つ管に導かれ
おおらかにピアノが響く!

深いベースのビート
歌うドラムス

スタイリッシュなのに懐かしい
色鮮やかなドラマ。。







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     (おことわり ピアノ協奏曲「SUMIDA」の事だけを書きます)





小曽根さんと
ベースの小川晋平さん、
ドラムスの きたいくにとさんが
3人とも白のロングシャツ姿で登場。

マエストロ大植をはじめオケの皆さんは
もちろん黒ずくめ。
まぶしいくらいの白と黒のコントラスト。

「SUMIDA」は
昔の遊び歌のような節から始まった。
弦楽のピッチカートにわくわく。
そのフレーズが増幅され
懐かしい古里の風景が広がる。

心地よいベースとドラムスに乗って
柔らかなハーモニーが重なっていく。

青い空
爽やかな風が梢をゆらす
豊かな大地
人々が笑いさざめく。。


ピアノとベースの会話が
水の波紋のように広がる

やがて
雲行きが変わり
にわか雨が
雷を連れてくる

風景は
いつのまにか
心の葛藤に変わり
漆黒の世界をさまよう。。


暗転


ゆるやかに奏される
管楽器の独奏が
次第に厚みを増し
白い大聖堂が立ち現れる。

栄華のかけら
廃墟に佇む
心の旅人
来し方行く末を思い
口ずさむのは
愛しい旋律。。

時を操るような
ドラムソロ!
それを合図に
疾走!!

ピアノもベースも
ジャズのビート満載で
壮大な風景の中を
一気に駆け抜ける!
絢爛豪華なオケ!

慟哭 悔恨 
 赦し 
慈愛・・




ピアノの渾身のカデンツァから
一気にフィナーレへ!

・・そして 回想。。





'23MarOZ1.jpg





「SUMIDA」は
音楽を聴いているはずが
まるで映画のように
ストーリーが目の前に繰り広げられ
もう、息をするのを忘れるくらい!

情景描写と心の動きが
見事に融合された
壮大なドラマの体感。

こんな途方もない音楽を生み出す小曽根さんって
ほんとうに凄いっ!
しかも、演奏は自分1人じゃなく
トリオとオーケストラ!
自分の思いを表現してもらえるように
楽譜をかくって本当に大変な作業。

おそらく、これまで演奏してきた
クラシックのピアノ協奏曲の経験が
モノを言っているのでしょう。

聞かせどころを心得たソロ楽器。
そして、見事なオーケストレーション。
ハーモニーのバランスと流れが
なんとも自然で心地良いことと言ったら!

もちろん、テンションノート満載なんだけど
とてもハートフル♡
ゲンオンにありがちな
ヒリヒリとした音は存在しない。

ひとりひとりの心に寄り添い
音楽の旅に連れて行ってくれる。。


この作品は墨田の地と歴史を背景にかかれた。
この地が経験した悲しい出来事や
そこに生きる人々の思いが音楽になった。

けれど、
そんな経緯を知らなくても
真意が伝わってくる。

日本人がかいたピアノコンチェルトですって
胸を張って世界中に言える!

しかし正しくは、
ピアノトリオコンチェルト。
とても斬新な編成なんだけれど
本当に自然に溶け込んでいる
ドラムスとベース。

そうそう、
私はこんなに歌うパーカッションを聴いたのは
クラレンス・ペンちゃん以来!


この素晴らしいコンチェルトを
きっと
天国のパパ・グルダが
「漸く私の後継者が現れたな」
と、喜んでいることでしょう~。




小曽根さん、これからも
後に続く者のために
「信じて走り続けて」
ください!







アンコールで奏された
ピアノ・ソロ。

アジアの風が
世界へふきわたる。。











































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