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風に乗って         [音のしずく]



扉のむこうの空気が

ふっと やわらぐ

そして優しい声。。





心が さわさわしていたのは

予感があったから?





扉を開けると 

あたたかな時が流れる

夕ぐれと 夜の狭間・・














その仕草がストップモーションになった瞬間

旅への道すじが見えてくる!


光のむこうへ


風に乗って

遠くの街へ行こう




いつか

あなたが教えてくれた古い街へ。。





































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PLUS BAROQUE        [語られる音たち]

バロック・ピアニストへの道

大塚直哉先生のセミナー。
編著されたバロック音楽の楽譜について。


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普段は二次元の楽譜から音楽を作るが
3D(ダンス)で身体を使い、拍子とリズムから読み解くと、
生き生きと躍動感のある演奏になる!

ということで「拍の感じ方」を体験。
基本は
プリエ=膝を曲げる
エルヴェ=伸び上がる→これが1拍目。

メヌエットやガヴォットなど、それぞれの舞曲には
決まり事として「ステップのまとまり」がある。
2拍目を大事にするところもある。

ヘミオラの拍子感に気をつける。
小さな歯車がヘミオラの時に大きな歯車になる、という解説に納得!
だからテンポを変えずに演奏する←ダンサーが踊れるように。

いくつかの舞曲についての大まかな説明があったが
バッハの舞曲は例外だらけなので、ダンスをするのは難しいとのこと。

この楽譜集はかわいいイラスト満載。
ナイスなキャラクターたちのダンスのフォームが
バッチリ描かれていて、楽しく勉強できそう!
なんとパラパラ漫画まであるよw







ところで、チェンバロの語源はシンバルなのだとか!
キラキラした音が出るから、ということでナルホド~。

本日の楽器は
久保田さんが工房から運んで来た二段鍵盤のチェンバロでした♬♪


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Healing Live       [コンサートの記憶]

ヒーリングライブ
     ~日経ホール

(出演)
NAOTO(Violin),
啼鵬(Bandoneon)
柏木広樹(Cello)
榊原大(Piano)
越田太郎丸(Guitar)
一本茂樹(Bass)
齋藤たかし(Drums)

(セットリスト)
Get Wild
strings shower
幌筵島の歌
想いの届く日
State of the Art
恵織の誇り
PARAMUSHIR
Polyvalent
UNKNOWN ASIA
Precious Day
Glowing
HIRUKAZE

(アンコール)
Progress





オープニングはNAOTOさんのソロ。
ノリノリのバンドの曲をヴァイオリンだけで演奏するという!
これ、前の時よりさらにカッコ良くなってますね♪

続くアップテンポの曲もヴァイオリンとチェロで。
チェロの柏木さんも、この手の曲はお得意でしょう~
NAOTOさん曰く
「芸大ではこんな弾き方は習わなかった」
そりゃそうだw
弦楽器の可能性を追求しているのだそうです。

そしてピアノの榊原さんとは
「幌筵島の歌 」をしっとりと。
ああ、この曲なんかはナマ音で聴きたかったなあ。。

この日のPAは とてもバランス良くて
後でフル編成のバンドになっても
それぞれの音の聞こえ方が素晴らしかったけれど。




次は この日のゲスト啼鵬(ていほう)さんのバンドネオンとともに
「想いの届く日」を。
啼鵬さんは編曲家と思ってましたが演奏家でもあるのですね。




デュエットはここまで。
「State of the Art 」からは全員で!

エネルギッシュな曲も
壮大な音楽も本当にいいなあ。。
そして何といっても
「PARAMUSHIR」は熱かった!!


ヒーリング・ライブだからといって
静かな曲ばかりではない。
NAOTOさんが言うには
「ヘビメタ聴いても癒やされる人もいる」
そりゃそうだw

NAOTOさんの「客席練り歩き」も飛び出し
大変な盛り上がり~
さらには一緒にハモったり手拍子したり
参加型はまことに楽しかった♪♬






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このブログは自分でチケットを購入した公演だけを書くことにしていました。
でも、今回はその誓いを破ってしまいました!
このコンサートは応募して当選したものでした。
招待公演なのに、今回が10回目。
十年も続いているなんてすごい。
かなりの倍率だったと聞き、初心者ラッキーだったと知りました。
まさにタイトルどおり
「こころに響く ヒーリング・ライブ」でした!








































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Anthem       [コンサートの記憶]

PURCELL PROJECT 2019
       ~日本福音ルーテル東京教会

(出演)
(ソプラノ) 澤江衣里 藤崎美苗
(アルト)  青木洋也 布施奈緒子
(テノール) 石川洋人 中嶋克彦
(バス)   藤井大輔 加耒徹
(オルガン) 山縣万里



(プログラム)
ヘンリー・パーセル (1659-1695)

主よ、私たちの罪を思い出さないでください Z.50
おお万軍の神、主よ Z.37
主を賛美せよ、すべての異邦人よ Z.43
おお神よ、あなたは私たちを追放し Z.36
主よ、あなたはいつまで憤っておられるのでしょうか? Z.25
人は女から生まれ Z.27

主よ、私をお救い下さい Z.51
私の目に、夜も昼も涙を流させて下さい Z.24
主よ、私の祈りを聞いてください Z.15
誰が私たちの知らせを信じてくれたろうか? Z.64
深い淵から、私はあなたに呼びかけています Z.45






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優しいオルガンの音色とともに
8声で紡ぐ祈りの歌

聖書の言葉が
そのまま純真な旋律となり
弧を描き戯れる

無垢な声は協和と不協和を行き来し
絶妙なアンサンブルを繰り広げる

心が通い合った演奏に満場の喝采。。












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パーセルの声楽曲を演奏するプロジェクトが発足して10年。
今年は記念の年なので、秋に 歌劇「アーサー王」の演奏会が控えているそうだが
今回はアンセム(教会音楽)を集めた演奏会。



祭壇の中央にポジティブ・オルガンを置き
歌手たちは その周囲で
次々に立ち位置を変えながら演奏していく。
もちろん指揮はなし。

位置が変わるとバランスも変化し
響き具合が驚くほど変わる。

前半は声質が固めで
器楽的な印象を受けたが
後半は深みのある、ふくよかなサウンドに。
特に男性4人が中央で演奏した曲は秀逸!

それにしても
1パートをたった一人で受け持ち
全身を耳にして他の声部を聴きながら
音程を測って歌う・・
まさに職人技だ!










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終演後の笑顔から
親しい演奏家どうしが刺激しあって
音楽を創り上げる喜びが。。






































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Érard Piano          [コンサートの記憶]

エラールの午后
       ~サントリー 小ホール



梢をゆらす風

どこまでも続く草原

軽やかにステップを踏みながら

昔から伝わる歌を口ずさむ。。









(出演 )
ピアノ:トマシュ・リッテル(第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール優勝)

ヴァイオリン:原田陽、堀内由紀
ヴィオラ:廣海史帆
チェロ:新倉瞳
コントラバス:今野京

*使用ピアノ:サントリーホール所蔵のエラール(1867年製)

(プログラム)
ショパン:
ポロネーズ第14番 嬰ト短調
2つのポロネーズ 作品26
4つのマズルカ 作品33
バラード第4番 ヘ短調 作品52
ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 作品21(室内楽版/ケナー、ドンベク 編曲)

(アンコール)
ショパン:ピアノ協奏曲第2番より 第2楽章




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ピアノの高音部の繊細な音色を
絶妙なコントロールで操る。
軽やかに軽やかに
羽がはえたような音の粒が舞い上がり
ショパンがかいた装飾音になって
空気の中にとけていく。。

そしてバスのふくよかな響きは
音楽に安定感を与え
独特のハーモニーを際立たせる。



モダンピアノとは全く違った音色の楽器は
その構造や特性を知り尽くした演奏家によって
ほんとうに生き生きと歌う。

透明感のある響きは
あくまでもクリアで清々しい。
ショパンの非和声音はモダンピアノだと
おどろおどろしくなりがちだが
エラールのピアノにはそれが無い。


それにしても
なんというセンスだろう!
ポーランド人だからこそ弾ける歌い回し、そしてリズム感。
これこそがショパンのマズルカ!

旋律からは、ポーランド語の歌詞が聴こえてくるよう。
呼吸やステップの微妙な「ため」具合には
いちいち納得させられる。
まさに、他の国の人には真似の出来ない音楽。

聴いているうちに
あまりにも幸せすぎて
いくども
涙がこみ上げる。。





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後半のピアノ協奏曲は室内楽版で。
BCJにも度々登場する弦楽メンバーたちは
もちろん、ガット弦のピリオド楽器での演奏。
エラール・ピアノとの音色にも
本当に良くマッチしている。

そして全員が凄腕!!
演奏技術がハイレベルのはもちろん
アンサンブル能力の高さにはマイッタ!
ピアニストも含めて
お互いを聴く耳、空気の読み方が凄すぎる~w

端正な第1楽章
優美な第2楽章に続き
第3楽章は それこそ丁々発止の駆け引きの連続に
息をするのも忘れるくらい。


アンコールは第2楽章が再演されたが
全く別の音楽づくりになっていてビックリ!
ピアノが方向性を示すと
弦楽はそれを察知して寄り添っていく。。
ほんとうに見事!
ライブはナマモノ。
二度と同じ演奏はない。
でも、それを自ら仕掛けていくリッテルくんに喝采!!



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                      (この写真はweb上からお借りしました)







トマシュ・リッテルくんは
昨年のピリオド楽器によるショパンコンクールのライブ配信で知った。
他の追随を許さない、抜群の安定感と存在感が印象的だった。
でも、生演奏はそれにプラスして非常に繊細で優美で
感性のほとばしる、素晴らしい演奏に心を奪われた。

(あのコンクールは、えええ・こんな人が入賞?というような裏事情を垣間見てしまい
 ちょっとザンネンに思ったけれど、リッテルくんの優勝は、もう誰にも文句言わせんっ
 というような他を圧倒する演奏であった)

コンクールの時と同様、この日も大変に落ち着いていて
風格さえ感じられるくらいだったが
なんとっ 1995年生まれっ!
すごいなあ。

ところで
この日の楽器は、ホールが所有しているもので
「ピリオド楽器があるから弾いてね」という企画だった(ホントか?w)けど
ショパンが好きだったのはエラールよりプレイエルだったようだ。
繊細な音色が特徴のプレイエルは
身体が弱いショパンが弾きやすい楽器だったとか。
リッテルくんの弾くプレイエルも聴いてみたいなあ。

いずれにせよ
作曲家が生きていた時に聴いていたであろう音色が再現されるというのは
ファンタジーをかきたてられるね。

















































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THE TALLIS SCHOLARS      [コンサートの記憶]

タリス・スコラーズ
       ~紀尾井ホール

指揮:ピーター・フィリップス

(プログラム)
ラッスス: うるわしき救い主のみ母
ジョスカン: ミサ・パンジェ・リングァ

アレグリ: ミゼレーレ
クローチェ: ミゼレーレ
タリス: ミゼレーレ
ロッティ: 十字架につけられ
イザーク: いと聡明なる処女

(アンコール)
ロッティ: 十字架につけられ(10声)




ひとりひとりの声は

精密にコントロールされ

古い祈りの歌となり

果てしない宇宙の空間を

どこまでも浮遊する。。







楽しみにしていたアレグリの「ミゼレーレ」は
二部の最初に演奏された。
ところが、ステージに登場したのは
指揮のピーター・フィリップスと5人の歌手。
え?
まさか5人で歌うの?
と思ったら、2階のバルコニー席に4人が現れた。

そして、もう一人(テノール)が一階席の端にいて
彼がまずグレゴリオ聖歌を歌う。
それに促され
ステージの歌手たちが先行唱のように歌うと
バルコニーの歌手たちが それに応える。


まるで教会で聴いているように
響きは立体的に広がり
いにしえの空間が再現される。。



まさに圧巻!
特にテノールの艶と深みのある声に魅了され
ス○ンヘッドでも許しちゃうw

そして「ミゼレーレ」といえば
ソプラノのハイ・トーンが有名だけれど
それを難なく すうっと歌ってしまう!
バルコニーで歌った歌手たちの近くの席だったため
目の前でそれを目撃してしまい
まさに ノックアウト!




タリス・スコラーズは数年前に聴いた時とは少し印象が変わったようだ。
メンバーの交代もあり(かなり若返ったかも)
一人一人の個性がはっきり解るアンサンブル。
前半はそれが邪魔しているような感じを受けたが
プログラムが進むにつれて
グループの方向性が見えてきて楽しめた。

今年で創立から46年になるというタリス・スコラーズ。
メンバーは変わっても
創立者であるピーター・フィリップスは
エネルギーに溢れた、すばらしい指揮者。

終演後、全員にサインを頂けて感激したけれど
特に指揮者のあたたかい笑顔とオーラにはマイリマシタ♡



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HERREWEGHE      [コンサートの記憶]

新日本フィルハーモニー交響楽団 第606回定期演奏会
                 ~すみだトリフォニーホール

指揮:フィリップ・ヘレヴェッヘ(Philippe Herreweghe)


(プログラム)
メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」op. 26
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 op. 54
シューマン:交響曲第2番 ハ長調 op. 61




待っていたマエストロ・ヘレヴェッヘ!!
録音でしか聴いたことがなかったから
本当に振っている姿を見ても
夢じゃないかと思ったよ。。



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       (おことわり・コンチェルトのことは書きません。突っ込み不可ご了承ください)




交響曲が
まるで室内楽のように細やかに表現される!
一つ一つのフレーズは
歌詞が聞こえてきそうな程
ていねいな抑揚がつけられている。

綿密に組み立てられたパーツが
はっきりと聞こえるのは
楽器の配置のおかげかもしれない。
ヴァイオリン1stと2ndを向かい合わせた対向配置、
さらにコントラバスが正面の最後列に。

重低音の地鳴りのような響きの上で
すべてのパートが それは生き生きと歌う。
お互いに細心の注意を払って聴き合い
絶妙なハーモニーを創り上げる。

そして
ここぞ!というソロの時は
のびやかに主張する。
ことに木管の艶やかな歌い回しに
耳を奪われる。

そして、素晴らしい推進力!!
これだけ細かい音楽創りをしていながら
エネルギーいっぱいの演奏が繰り広げられる。
それは
マエストロのポジティブなオーラのように
喜びに溢れた音楽。。




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             (この写真はweb上からお借りしました)




指揮棒を持たないマエストロの手がとても細かく動いていて
最初は不思議に思ったけれど
それが各楽器のフレーズを一つ一つ描いているのだと気付く。
綿密な音楽はそれこそ先般、大旋風を巻き起こしたクルレンツイスも真っ青なくらいw
でも、クルさまは手兵のオケとの綿密なリハーサルをした上での事だったが
ヘレヴェッヘさまは初顔合わせのオケとわずか数日のリハで
これだけの事をやってのけたのだ。
もちろんオーケストラが高い技術を持ち合わせ、
指示に俊敏に反応できたこともあったでしょう。



ところでマエストロは指揮をしながら
たまにニヤっと笑顔を見せてコンマスに目配せしたり。
「ほらね!」とか
「やったぜ!」
みたいに見えて、一体何が起こっているの?と思っていたら
どうやら何か仕掛けていたようなのだ。
翌日の演奏がマエストロの仕掛けで、ずいぶん違うものになっていたらしい。
ライブはナマモノ。
二度と同じ演奏はしない。
大きく俯瞰しつつ細部を充実させるヘレヴェッヘさまは
まるで神のようです~。

本当はヘレヴェッヘさまが振るなら、彼が主宰しているオケで聴きたいと思っていたけれど
逆にヘレヴェッヘさまの実力を目の当たりにできて幸せだった。







しかも、まさかのサイン会があった!(きゃーw



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 ↑↑ 金太郎飴の袋は私がプレゼントしたの♡「のど飴」が入ってます~

私はあなたの音楽が大好きです。
いつまでもお元気で。。









































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