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OZONE60 in MITO      [コンサートの記憶]

小曽根真 60TH BIRTHDAY SOLO
         ~水戸芸術館 コンサートホールATM


(セットリスト)
Makoto Ozone:Gotta Be Happy
        Struttin' In Kitano
        Departure
        Need To Walk
Mozart:小さなジグ K.574 G-dur
Prokofiev:ピアノソナタ 第7番「戦争ソナタ」より第3楽章 Op.83

Ravel:ピアノ協奏曲 G-durより 第2楽章
Makoto Ozone:The Puzzle
        Listen..
        O'berek.
        For Someone

(アンコール)
Makoto Ozone:Always Together



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ここは ソロアルバムを収録したホール。
やわらかな空気。
自然な残響。
それは奏者の耳に心地よく
気負わずに音楽と向かい合える。。

だから
聴く者も心をひらいて
一度きりの音楽の時間をだきしめる。


ピアノは様々な国の言葉で歌い、物語を紡ぐ。

幸せな夢、シリアスなドラマ、日々の営み。。
まるで映画を観るように繰り広げられる音楽!

まさに
ベストパフォーマンス!!




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ほんとうに、この日の小曽根さんは
まるでホームに還ってきたようにリラックスして
のびのびと弾いていた。

音の一つ一つに心が込められ
見事なバランスでハーモニーが奏でられる。
そして
メロディーは いつのまに登場したのか
ヴォーカリストが歌っている・・と思うほど
たとえば
ブルースからは英語が聞こえてくる。
グラスが触れあう音がするライブハウスで
マイクを握って熱唱するのはベテランのシンガー?


Listen...は 日本語の子守歌。
懐かしい記憶の中の風景。。

そしてポーランド語で歌われるO'berek!
この曲は、今までリズムにとらわれてしまい
何故これがオベレクなのか、実は良く解らなかった。
でも、この日は言葉のニュアンスが伝わってくるように
ポーランド語なんて話せないのに
不思議なことに、心にストンと落ちた。。



そして、もちろん器楽的に演奏される作品もある。

モーツァルトの可愛らしく飛び回る
妖精の笑顔。

そしてプロコフィエフは
恐ろしくピアニスティックに楽器が鳴り響く!
その中に ふと現れる音楽的な表情の見事だったこと。
もう、口をあんぐり開けてしまいましたよw




嬉しかったのは、サントリーホールで聴けなかった
Departure が聴けたこと。
それは 旅立つ時の不安?
ざわざわと落ち着かない心
それでも その時は容赦なくやってくる。。

そしてラヴェルも!
やわらかな音色が
高く低く静かにそよぎ 
ゆるやかに弧を描くとき
すべてが許され
幸福感にみたされる。。



セットリスト最後の For Someone は
間合いをじゅうぶんにとって
ホールの響きを確かめるように弾かれる。
その音のゆくえを
小曽根さんと一緒に聴く。
なんて幸せな瞬間だろう。

最後の一音の響きが
彼方に行ってしまった後の
長い長い静寂を
私は決して忘れない。。







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この日の小曽根さんは
前半は赤、後半はシルバーのシャツ。
めずらしく靴のヒモが緩んでしまったそうで
二度ほど結び直していましたw
足でリズムを刻むからね。

その数日後、ラジオで角野隼斗さんが生演奏をする時に
アナウンサーが「靴を脱いで靴下でペダルを踏んでいますっ」
と実況していました。
小曽根さんも靴を脱げば良かったですね(え?

その翌日、別のラジオ局で小曽根さんと角野隼斗さんが対談。
若い音楽家の角野さんに、小曽根さんが語りかける言葉のあたたかかったこと!
小曽根さんの自作曲「クリスタル・ラヴ」のエピソードには私も涙が。。

そしたらっ
その翌日、角野隼斗さんはYTライブで
さりげなく「クリスタル・ラヴ」を弾いているじゃありませんか。

こんなふうに
音楽と、そして大切なものが伝わっていくって すてきだ。
それを目撃して ふふ、、と微笑んでしまう。
永遠の愛。。



























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