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Cateen plays Rhapsody in Blue   [コンサートの記憶]

調布国際音楽祭第10回記念 オープニング・コンサート
かてぃんplaysラプソディ・イン・ブルー
         ~調布市グリーンホール 大ホール


(プログラム)
カプースチン:8つの演奏会用エチュードOp.40 第3番「トッカティーナ」
いずみたく/森下 唯編:ゲゲゲの鬼太郎
ガーシュウィン(D. ハンスバーガー):ラプソディ・イン・ブルー

(アンコール)
ショパン:英雄ポロネーズ
ガーシュウィン:アイ・ガット・リズム

指揮:鈴木優人
吹奏楽
ピアノ:角野隼斗
ピアノ:森下 唯



スタイリッシュで
カッコ良すぎるピアノに
魂を持って行かれた・・・

繊細なアプローチと
大胆なインプロ!

角野隼斗さんは
どこまで進化するのだろう。。





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優人さんがプロデュースしている「調布国際音楽祭」が10周年を迎えました。
そのオープニング・コンサートで角野隼斗さんが演奏する!
もちろん、指揮は優人さんです~♬♪

まずは開会のセレモニー。

そして角野さんの独奏でカプースチン。
ジャズ風だけど、きっちり譜面が書かれた激ムズの作品を
涼しい顔でさらっと弾いてしまう!
まことに軽やか(拍手~
トッカティーナ=Toccatina
あら、かてぃん=Cateen が隠れてました!
この作品は
軽やかに生きる角野さんそのもの♬♪







さて、優人さんが幼馴染みの森下唯さんと一緒に立ち上げたこの音楽祭。
森下唯さんは、かなり以前から演奏動画の投稿をしていた方で
いわば角野さん=かてぃんさんの大先輩。
ナマ演奏とデジタルの世界を行き来している二人の2台ピアノ。
有名な「ゲゲゲ」を森下さんが変奏曲にアレンジ。
様々なヴァリエーションで楽しませてくれましたが
中でもバロック音楽のようなフーガが印象的。
二人の音色がとても良く似ていて、息もピッタリ!
(譜面台にiPad、フットペダルを準備するところもソックリでしたw)




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                 (この写真はweb上からお借りしました)



ピアノが2台から1台へ。
角野さんは黒いジャケットの中のTシャツを白いYシャツにお召し替え。

「ラプソディー・イン・ブルー」

テンションノートがいっぱいなのに
ピュアでクリア!
粒立ちの良いピアノの音が飛び跳ねる。

ソロのメロディーを演奏するのは鍵盤ハーモニカ。
伴奏は左手でピアノ。
オンタイムでレイドバック。
微妙なさじ加減の見事なこと!

メロディーがピアノに戻る。
ダンサーの優雅なターン!
まばゆい光の粒子が
ホールいっぱいに広がる。

オケが、あの甘い旋律を奏でている間に
角野さんはステージ下手の方にあるチェレスタへ移動。
夢の中のオルゴールのような可愛らしさ。
月明かりの木陰
妖精の羽音。。

ピアノに戻るまでちょっと遠い。
足音を立てないように、そーっと歩く角野さんw

さあ、連打の始まり!
圧巻のピアノ・ソロ。
すっごいインプロヴィゼーション!
まさに、かてぃんワールド全開!


もちろんスタンディング・オベーション!

喝采を浴びてのアンコールが、あの曲!
最初のアコードが響いた瞬間に悲鳴がw
そりゃビックリしますよ。
ガーシュウィンの後にショパンなんて~。

演奏されたのは
きびきびと
エネルギーに満ちあふれた音楽。
希望、そして
明るい未来の予感。。



さあ、拍手が鳴り止まない!
指揮の優人さんが「もう一曲」の合図(いえいっ!
辞退する仕草の角野さん。
でも結局、ダブルアンコール♡
困ったような表情の角野さんに客席からクスクス笑い。
そして小さな音で弾き始めた「アイ・ガット・リズム」♪♬
でも、すぐに確信に満ちたピアノに。

超高速のストライド

繊細なたたずまい

そして ゴージャスなストーリー・・

今の角野隼斗さんの全てが凝縮されたような
すばらしいパフォーマンス!
興奮のるつぼ!!










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                 (この写真はweb上からお借りしました)



今年4月に優人さんがハンブルクで現地のオーケストラを指揮しました。
バルトークのピアノコンチェルトのソリストが角野隼斗さん。
角野さんは急な代役だったと聞き、一体誰が角野さんに依頼したのだろう?と思っていましたが
それが優人さんだったと、ご本人が明かしてくれました。
「ユーチューブでしか観たことのない人を、リアルに観られたら喜ぶでしょう」
と、優人さん。
その通り、ハンブルクの人達は大喜び♬
それにしても、たった2週間でコンチェルトを仕上げてしまう角野さん、本当に凄いっ!

キレ味最高のお二人は、お互いに刺激し合い 高め合って
これまで聴いたことのないような音楽を創り上げていく。
それを 同じ空間で聴くことができる!
こんな幸せは他にない。。




































































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森のピアノ          [コンサートの記憶]

「徹子の部屋」クラシック2022
           ~オーチャードホール


黒柳徹子さんの司会で、ゲスト4組の演奏とお話。

反田恭平さんは休憩後の最初に登場しました。その演奏のみ書きます。



(プログラム)
ショパン:ワルツ第5番 変イ長調 Op.42 “大円舞曲”
      ラルゴ 変ホ長調 遺作    
     英雄ポロネーズ





優美な音色で奏でる しなやかなワルツ!
ピアニストの楽しそうな横顔。
超高速のパッセージが舞い上がり、駆け下りる。
華やかなコーダから
ふいっと消えるように締める
お洒落なエンディング。

拍手に応えて、椅子に掛けたまま少しお辞儀。

それまで明るいオレンジ色だった舞台照明が
グリーンに変わる。

ここは「ピアノの森」・・

・・風がやわらかく吹き
  ゆれる木もれ日
  カイが弾く森のピアノ
  鳥たちが声を合わせる・・
  


深い表情のラルゴ。
大切な人への想い
ゆるやかな時の流れ
生きるもの全てに
やすらぎと愛を。。

その響きの中から導き出されるポロネーズ。
英雄は力強く歩み出る。
けれど 
どこか懐かしい香り。
勇壮な歌声は
風に乗って飛んでいく
はるか遠く
地平線の向こうへ。。






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                        (写真は加工してあります)


オールショパン・プログラムといっても、たった3曲!
反田さんの貫禄の演奏を楽しみましたが
やはり、もっと聴きたかった!が本音です。

どのゲストも演奏は3曲、と決まっているようなので仕方ないw
前半はPAが入っていて、かなりの爆音でしたが
反田さんの時は ほぼ生音だったしね。
演奏の後、黒柳徹子さんとのトーク。

反田さんのお話は、ショパンコンクールやピアノに関する事。
コンクール以来、様々なメディアで語ってきた反田さんですが
感心するのは、毎回とても新鮮に話すこと。
インタビュアーや、その場で聞いている人に合わせるように
その時、その場にピッタリの言葉で話す。
だから何度も聞いたことのある内容なのに
またワクワクしながら聞いてしまうw

思えば、ピアノも同じ。
常に異なったインスピレーションで演奏するから
作品が新鮮に聴こえる。
昔から演奏されてきたクラシック曲が
現代も愛される理由。。






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ラストはゲスト全員で「徹子の部屋」のテーマ曲を合奏。
反田さんも参加してました~♪♬


さて、私はいつになったら反田さんの【リサイタル】を聴くことが出来るのでしょうか?!!





































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THE ART OF VIOLIN         [コンサートの記憶]

THE ART OF VIOLIN
       ~Hakuju Hall


﨑谷直人(vn)
沼沢淑音(pf)

(プログラム)
ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ ト短調
チャイコフスキー:懐かしい土地の思い出より「瞑想曲」
イザイ:子供の夢
クライスラー:愛の喜び
       愛の悲しみ
       美しきロスマリン
マスネ:タイスの瞑想曲

フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調

(アンコール)
ピアソラ:オブリヴィオン
チャイコフスキー:懐かしい土地の思い出より「メロディー」







ヴァイオリンとピアノが創る小宇宙
ふたつの楽器が
語りあい 歌いあい
遠い昔から未来へ続く物語を
紡ぎだす。。



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ヴァイオリンの名曲の連続技にクラクラな演奏会でした。
まず、崎谷さんの音色の美しいこと!
そして丁寧に歌われる旋律の表情豊かなこと!
音楽に真摯に向き合った演奏は
聴き手の心に素直に届く。
どんなに激しい場面でも
これみよがしな弾き方は決してしない。
それなのに伝わってくる、情熱そして深い思い。

さらに、ピアノの沼沢さんとは息がピッタリ!
まるで二つの楽器が融合したよう。。





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あれは いつのことだろう?

何かのアクシデントでキャンセルになった演奏。
その子の事がずっと気になっていた。。

それから時が経ち、その子が演奏家になった事を知り
いつか聴いてみたいと思っていたけれど
それが実現するまでに、さらに時が過ぎていった。



アンサンブルやオーケストラで活躍していた崎谷直人さんが
ソロ活動をスタートさせる、その初めてのリサイタルを
長い間の念願がかなって 
とうとう聴くことができました。

しかも、学生時代の友人との共演という
これ以上ない幸せなステージ。

「とにかく楽しくヴァイオリンを弾きたい」
という本人の気持ちが伝わってきた、
ほんとうに素晴らしい演奏会でした。



















































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BACH at BLUE NOTE vol.2    [コンサートの記憶]

鈴木優人presents"BACH at BLUE NOTE" vol.2  2nd.Set /On Line



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一台のチェンバロが
アンサンブルをしているように
歌い 躍動し
多彩な音楽が繰り広げられる
まさにバ・ロック!





(セットリスト)
J.S.バッハ:パルティータ第2番 BWV 826 よりシンフォニア
                ・クーラント・サラバンド・ロンドー・カプリッチョ
G.F.ヘンデル:クラヴサン組曲 HWV 434 より メヌエット ト短調
D.スカルラッティ:ソナタ K.30 ト短調「猫のフーガ」
J.S.バッハ:平均律 第1巻 第1番 BWV 846 ハ長調 プレリュード・フーガ
            第2番 BWV 847 ハ短調 プレリュード・フーガ
D.スカルラッティ:ソナタ K.461 ハ長調
J.S.バッハ:イギリス組曲 第2番 BWV 807より サラバンド
G.F.ヘンデル:ハープシコード組曲 第7番 ト短調 HWV.432 より「パッサカリア」
J.S.バッハ:平均律 第2巻 第12番 ヘ短調 BWV 881 より プレリュード
     :イタリアンコンチェルト BWV971

(アンコール)
F.クープラン:クラブサン曲集 第2巻 第6組曲 より「神秘的なバリケード」 







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優人さんのブルーノート・ライブ第2弾を配信で聴きました。

昨年の初ライブで優人さんはチェンバロもピアノも弾き
何人ものお友達が出演され(通りすがりにw)
バラエティー・ショーのようになっていました。
今年はチェンバロのみでのソロ・ライブ!(そうこなくちゃ♡

今回の楽器は鈴木家の新人さん。
シノワズリの装飾が美しい、以前の楽器(エビちゃん)の音色は
素晴らしくて大好きでしたが、今度の楽器もなかなか。
張りのあるクリアな音色が魅力的。
側面に蝶々が描かれていて、優人さんが弾くとひらひらと舞っているようです。


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プログラムはJ.S.バッハを中心に、G.F.ヘンデルとD.スカルラッティを組み合わせた
バロックのステキな曲が並びました。
優人さんは演奏の合間に、自身の今後の演奏活動について話すので
それに関連した曲「鼻から牛乳」とかのサワリを弾いたりします。
(セットリストに入れていませんw)



チェンバロは鍵盤の側面に出っ張りがあって
リアル客席からは手元が見にくいのですが、
配信だとバッチリ♬♪


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いつも端正な演奏の優人さん。
この日はなんだか自由度が増したよう。。

特にセトリ最後のイタリアンコンチェルトは
しなやかで生き生きしていて
人生の楽しさを謳歌しているようでした。



そしてアンコールは、この日唯一登場したフランスの作曲家。
柔らかに語りかけるような揺らぎ。
幸せな夜がふけていく。。







































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MARTIN GARCIA GARCIA    [コンサートの記憶]

マルティン・ガルシア・ガルシア ピアノリサイタル
          ~東京オペラシティ コンサートホール

オール・ショパンプログラム



4つのワルツ:第14番 ホ短調 op.posth.
       第3番 イ短調 op.34-2
       第2番 変イ長調 op.34-1 「華麗なる円舞曲」
       第7番 嬰ハ短調 op.64-2
ノクターン 第16番 変ホ長調 op.55-2
スケルツォ 第2番 変ロ短調 op.31
即興曲 第3番 変ト長調 op.51
前奏曲 嬰ハ短調 op.45
ポロネーズ 第6番 変イ長調 op.53 「英雄」

3つのマズルカ op.50 ト長調、変イ長調、嬰ハ短調
24の前奏曲 op.28より 第17番 変イ長調 、第19番 変ホ長調 /、第23番 へ長調
ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 op.58 
           Ⅰアレグロ・マエストーソ  
           Ⅱスケルツォ:モルト・ヴィヴァーチェ
           Ⅲラルゴ
           Ⅳフィナーレ:プレスト・マ・ノン・トロッポ

(アンコール)
ショパン:ワルツ op.34-3
ラフマニノフ:楽興の時 op.16-4
リスト:2つの演奏会練習曲より 第2曲「小人の踊り」
ラフマニノフ:楽興の時 op16-3
ラフマニノフ:エチュード op.39-1
モンポウ:子供の情景から 第5番「庭の乙女たち」



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メロディはもちろん、
バスからも内声からも
全てから聴こえる愛にあふれた
歌のフレーズ!

そして彼のハミング。。



前奏曲23番からアタッカで奏された
ソナタ3番はまさに圧倒的!!

そして怒涛のアンコール。

幸せな笑顔。。







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マルティン・ガルシア・ガルシアは
昨年(2021年)のショパン・コンクールで第3位に輝いたピアニスト。
生国のスペインでは両親それぞれの姓を名乗るというので
たまたま同じ姓の両親を持ったのでしょう。

ショパン・コンクールで、ガルガルさんは演奏しながら朗々と歌うことで話題になった。
配信でも張りのあるテノールが良く聞こえ、
楽しそうに演奏する姿はコンクールではなくリサイタルのようだった。
音楽も常にポジティブ。
こんなショパンがあって良いのか?とも思うが
ガルガルさんは最後までそのスタイルを貫き
コンチェルト賞まで獲得したのだった。




年が改まり、日本でショパンコンクール入賞者コンサートが催されるはずだったが
外国人の入国が難しいため、中止になってしまった。

春の訪れとともに規制が緩和され、少しずつ来日コンサートが増えてきた。
その中に、ガルガルさんの演奏会も!
しかも日本国内で数公演ある(凄~
チケットの売れ行きが良くて
私は2階のバルコニー席を辛うじてゲット。
ステージに直角なので非常に見にくくて辛いけど、仕方ない(汗




そして、ガルガルさんのハミング!確かに聴きましたよ!!
気持ちが高揚し、音楽に没入すると思わず歌ってしまうのでしょう。

ガルガルさんは最初に登場すると、休憩までずっと弾き続けました。
曲のまとまりの間にお辞儀をし、拍手を受けることはあっても
ちょっと汗を拭くと、すぐに次の演奏へ。
なんだかコンクールのようです~w



YTでガルガルさんの演奏会がいくつか聴けますが
J.S.バッハがプログラムに入っている事が多く、
とても巧みにポリフォニーを操っているのです。
この日のショパンを聴いているうちに
各声部を息ながく弾ける理由はそこにあったのか!
と合点がいったのでした。




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              (この写真はweb上からお借りしました)





さて、後半。
いきなりピアノが鳴り出してビックリ!
低音の深い響きの上に
色彩豊かなハーモニー。
美しいフレージングの旋律。。
すべてが立体的に立ち現れ
ドラマが動き出す。

絶妙な間合いとリズムのマズルカが運んでくるのは
ショパンの祖国の風と香り。
続く前奏曲は
回想シーンのように戯れ、微笑みを連れてくる。

この選曲のセンスは誰にも真似できない。
それは、3番のソナタに繋がる序章。
ドラマティックなソナタが
さらに輝きを増し、深淵な記憶となった。。










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                 [この写真はweb上からお借りしました)



演奏会の最中にピアノの鳴り方が変化するのは良くある事。
観客が入った状態にピアノが慣れてくるのか、
演奏者の緊張がほぐれ、力まずに打鍵するせいなのか解らないけれど。
しかし今回のように、まるで違う楽器に聴こえたのは珍しい。
のびのびと弾き歌うwガルガルさんが聴けて良かった!
しかも、あの笑顔!
まさにポジティブな音楽を奏でる人の、柔らかな表情。

ピアノ(ガルガルさんが好んで弾くファッツィオリ)がステージに真っ直ぐでなく、
やや斜めに置かれていたのは
ガルガルさんの顔を見たいファンへのサービスだったのかしら?
(まさか! ホールとピアノの相性を考慮したものでは?w)



ガルガルさんは他のホールでも「第3部」と喜ばれるほど沢山のアンコールを弾いたそうです。
この日は、最後に演奏したモンポウが印象的。
やはり、同郷の作曲家とは通じるものがあるのでしょう。
アルベニスやグラナドスも聴いてみたいな~♪♬





























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