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Summer Music Festival '22     [響きのゆくえ]

今年もスイスから嬉しい音楽祭の配信!!

ヴェルヴィエはダニール・トリフォノフ、アヴィ・アヴィタルと、
次々に私の推しが登場するので、大忙しw
時差があるので、リアルに聴くのが大変でも
すぐにアーカイブになっていて、ホントに親切♡

昨年、この音楽祭でモーツァルトの全曲演奏会が話題になった藤田真央さん。

今年は独奏と室内楽で登場、と思っていたら
なななんと!
いきなりアルゲリチの代役にっ!!
ベトヴェンのコンチェルトをシッカリ演奏♬♪
無事に代役の重責を果たしたのでした。

そして、リサイタルは言わずもがな。
千変万化のタッチを駆使して紡がれる物語に感激!
詩情あふれるショパン、オペラのようなリスト、渾身のシューマン!
アンコールのモーツァルトは羽のように軽やか。
作曲家からの手紙を朗読するように世界を描き分けた最高のライブでした。
お顔と手元のアップは配信ならではですねえ♡

この前に、真央さんの師匠であるキリル・ゲルシュタインのリサイタルがありました。
師弟で音楽祭に登場なんて、すばらしい!




他にも、12歳のピアニストTsotne Zedginidzeくんが登場して
自作曲やドビュッシーを美しく演奏して度肝を抜かれたり!
(お名前、読めなくてゴメンナサイ・汗)
真央さんとのツーショット♡
真央さん、すっごくお兄ちゃんw


'22July真央.PNG
        (この写真はweb上からお借りしました)






そうそう、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの指揮者クラウス・マケラが
チェリストとして室内楽を演奏しているのも聴き逃せません。
指揮者になる前はチェリストだった!しかもイケメン!
天は二物どころか三物も与えたもうた♡


大物といえば、アンドラーシュ・シフの代役が
あのサイモン・ラトル!!というのにはビックリ仰天でした!

ヴェルヴィエ音楽祭のインスタグラムで、その発表があった時の様子。
音楽祭のオーケストラのメンバーに向けての告知。

「今日は良いニュースと悪いニュースがありますが、
 どちらを先に聞きたい?」
オケのみんな「悪いニュース」
「悪いニュースはシフが来られなくなりました。」
オケのみんな「あ~~~(落胆のため息)」

「良いニュースは、その代わりにサイモン・ラトルが来ます!」
オケのみんな「うおーー!!(歓喜)」

こんなふうに、ライブ感満載の音楽祭から目を(耳を)離せません♪♬

(ところで、ラトルは何処でオファーを受けたのでしょうか?
 スイスに避暑に来ていた、とか?w)





まだまだ配信は続き、アーカイブもしばらく残りそうなヴェルヴィエ。
medici.tvは登録すれば無料で視聴できます。

ヴェルヴィエ音楽祭





そして、イギリスからは BBCプロムス!
こちらは毎年7月から9月という長期間の音楽祭。
BBCラジオで盛大に放送があります♪♬

 BBC Proms


こちらも後で何回も聴くことができます(ありがたや~♡


配信は、映像・音質ともに高性能になり
以前とは比べものになりません。
充実した夏になりそうです♬♪




























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Kyohei Sorita Piano Recital 2022    [コンサートの記憶]

反田恭平 ピアノ・リサイタル2022〈追加公演〉
              ~東京オペラシティ コンサートホール

(プログラム)
ショパン:マズルカ風ロンド ヘ長調 op.5
     バラード第2番 ヘ長調 op.38
     3つのマズルカop.56     
     ラルゴ 変ホ長調 B.109
     ポロネーズ第6番 変イ長調 op.53「英雄」

シューベルト:ピアノ・ソナタ第20番 イ長調 D.959
        Ⅰ Allegro
        Ⅱ Andantino
        Ⅲ Scherzo:Allegro vivace
        Ⅳ Rondo:Allegretto

(アンコール)
ショパン:前奏曲 第25番 嬰ハ短調 op.45
ブラームス:6つのピアノ小品 op.18より
       No.1、 No.2、 No.6




極上の響きが

やわらかく舞い上がる

幸せな夢とともに

煌めき ゆらめき

高い天窓を超えて。。



'22July反田1.jpg






前半はオール・ショパン。
どれも、昨年のショパンコンクールで演奏された作品たち。
あの時の配信で、反田さんの演奏に釘付けになったけれど
こうしてナマで聴く響きは、それに比べようもない。


空気の精の呟きのような繊細な表現。
色鮮やかなグラデーション!
まさに、唯一無二のショパン。
何という深い思索だろう。
けれど、それを感じさせず
純真無垢な歌が
自由に、のびやかに奏でられる。

たとえば
作品56の最初のマズルカ。
絶妙なバランスで奏でられるポリフォニー。
優美な音色で歌いあい、絡み合う旋律。
これほど愛おしいマズルカを弾く人を
私は、他に知らない。。






後半はシューベルト。
ショパンよりも透明感のある音色で
端正に奏でられるソナタ。
まるでドイツ歌曲のよう。
ほら、リートの歌詞が聞こえてくる!


満場の喝采に応えてのアンコールは
このリサイタル・ツアーの別プログラムの作品。
ショパンに続いて演奏されたブラームス!
深い愛に心が震える。。




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ブラームス「6つのピアノ小品」のNo.1と2が続けて演奏され
鳴り止まない拍手に誘われて再登場した反田さん。
拍手が静まるのを待って、ひとこと。
「本、買ってください」
客席からクスクス笑いがさざめき、また拍手w
そうして、No.6が奏されたのでした。
この日は反田さんが執筆した自叙伝の発売日。
終演後のロビーにはご本を求める長い列が出来ていました。





これまでに反田恭平さんの生演奏を2度聴きましたが
どちらも、たった3曲!
昨秋のショパンコンクールの時から熱望していたリサイタルを
初めて聴けて、本当に幸せでした。。


ショパコンの後、反田さんがツイッターで
聴きたい曲を尋ねたことがありました。
私は Brahms と返信しました。
音色がピッタリだし、深く掘り下げた音楽になると確信したから。
だから、この日はそれが現実になって本当に嬉しかった。

さらに、プログラムのメッセージに
師匠のパレチニ先生から、
反田さんが弾くブラームスを絶賛された事が書かれているのを発見!
さすがだわ~、私!  (え?

















































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Bach to Piazzolla     [コンサートの記憶]

Pianos’ Conversation 2022
鈴木優人 plays Bach to Piazzolla
        ~オーチャードホール

バッハからピアソラへ
―多彩な鍵盤楽器で繋ぐ300年のタイム・トラベル

(出演)
鈴木優人(オルガン・チェンバロ)

鈴木崇朗(バンドネオン)
鈴木広志(サクソフォン)
鈴木大介(ギター)

(プログラム)
【第一部 鈴木優人ソロ】

J.S.バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565 (org)
     :トッカータ ニ長調 BWV912 (chem)
     :フランス組曲 第5番 BWV816 より アルマンド(pf)
F.クープラン:神秘的なバリケード(chem)
J-P.ラモー:めんどり(chem)
武満徹:夢見る雨(chem)
F.クープラン:教区のためのミサ曲 より 世の罪を除きたもう主よ(org)
J.S.バッハ:小フーガ ト短調 BWV578(org)


【第二部 鈴木優人 with 鈴木タンゴ・トリオ(スズキトレス)】

J.S.バッハ:フーガの技法 BWV1080 より Ⅰ(chem)
ピアソラ:「ブエノスアイレスの四季」 より 春・夏 ☆ *
J.S.バッハ:フーガの技法 BWV1080 より Ⅲ(chem&sax)
A.ピアソラ:フーガと神秘☆
J.S.バッハ:フーガの技法 BWV1080 より Ⅴ(chem & gt)
A.ピアソラ:「ブエノスアイレスの四季」 より 秋☆ *
J.S.バッハ:フーガの技法 BWV1080 よりVIII (org&b-n) 
A.ピアソラ:「ブエノスアイレスの四季」 より 冬☆ *

(アンコール)
A.ピアソラ:リベルタンゴ☆ *  

*編曲:山下康介


・オルガン  コンティヌオ・オルガン 製作・設計 GARNIER Organum 有限会社
・チェンバロ フレンチ・タイプ ヴィレム・クルスヴェルヘン製作(ユトレヒト、1987年)
       (クシェ・モデル、2段鍵盤:8'8'4)
・ピアノ   スタインウェイ D-274





このホールでパイプオルガンとチェンバロが聴けるとは!!
優人さんの胸がすく独奏に感激!



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前半は優人さんが3種類の鍵盤楽器を次々に演奏。

まずは正面の高い位置に据えられたパイプオルガンから。
大ホールにあるものより、ずっとコンパクトなせいか
音がとてもクリア。
優人さんが快速に弾く「鼻から牛乳」(違)の
足鍵盤が活躍するフレーズも、すっきりと良く聴き取れる。
このパイプオルガンはBCJの特注で製作されたもの。
ポジティブ・オルガンよりも通奏低音がしっかり鳴るし
組み立て式なので、このホールのようにパイプオルガンがない場所でも演奏可能。
とはいえ、オソロシイ数の部品をバラして運び、再び組み立てるという作業は
想像しただけで気が遠くなる!
良い音楽をしたいという一念の、なんと素晴らしいことか。



次はチェンバロ。
先月のブルーノートでは鈴木家の新しい蝶々くんだったけど
今回は黒地のシノワズリが美しい、古参のエビちゃん。
きらきらと明るい音色で、トッカータがカッキリと描き出される。
チェンバロも公演のたびにお家からお出まし。
最高の音楽を届けるためには、労力を厭わない。



そして、なんとピアノでバッハ!
ペダルを使い、暖かな音色で奏されるアルマンドの
なんと表情豊かだったことでしょう。。
しかし、バッハを人前でピアノで演奏するのは
「小学生の時の発表会以来で、とても緊張した!」
と、演奏後に語る優人さん。


バッハのフランス組曲にいざなわれ
フランスの作曲家の作品をチェンバロで。
アンニュイな表情の「神秘的なバリケード」
打って変わって
溌剌とした「めんどり」の鳴き声。

さらに、タケミツの「夢見る雨」は
見事な音程表現で
降る雨が見えるよう。。

前半の終わりにオルガンで奏されたのは
フランスとドイツの祈りの音楽。

重厚なクープランの作品は
下降する音型が印象的。
まさに頭(こうべ)を垂れて祈るよう。

そしてバッハらしさ全開の小フーガ。
優人さんが弾くと
風通しよく、どこまでも運んでくれる爽やかさ。



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                 (この写真はweb上からお借りしました)



後半は4人の鈴木さんが軽やかに時空を行き来する!

J.S.バッハの「フーガの技法」の中から
コントラプンクトゥスを1つ演奏すると
ピアソラの「ブエノスアイレスの四季」を全員で演奏する。

まさに大きな振れ幅の中で、自在に奏でられる音楽の旅。

途中、ピアソラもフーガをかいたということで
「フーガと神秘」が演奏された。
これは、前半の「神秘的なバリケード」にリンクしているという。
(そんな優人さんのスペシャルなお話もいっぱい楽しめて嬉しかったな♡)


「フーガの技法」はチェンバロで演奏されたのが
優人さんの独奏に続く
サックスとのデュエット、そしてギターとのデュエット。
とても自然な編曲で、元からあった作品のよう!

そして、バンドネオンはオルガンとデュエット。

その昔、布教に行った宣教師が
讃美歌の伴奏のために携えて行ったのは
オルガンではなく、バンドネオンだった!という衝撃の事実。
それがアルゼンチンに渡って。。

この日、東京で
オルガンとバンドネオンが再会した。
素晴らしい弾き手に導かれた
幸せな再会。。


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             (この写真はweb上からお借りしました)







アンコールは全員が黒いTシャツに着替えて登場。
(どうも時間がかかってると思ったらw)
双眼鏡(←)で見ると、黒地に白い文字で「SUZUKI」と書いてある!
そう、この公演はナント全員が「鈴木さん」!
優人さん以外の3人は「鈴木タンゴ・トリオ(スズキトレス)」として活動中。
何やら、ライブハウスの店主が「全員が鈴木というのは面白い」と集められたのだとか!

SUZUKI CUATRO(クアトロ) で弾くピアソラは
優人さんがピアノでベースをズンズン鳴らしてて
とってもカッコ良かった!



せっかくTシャツ作ったのだから、
再演よろしくお願いします♪♬
(あ!もう そのつもりだった?)




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              (この写真はweb上からお借りしました)








古い時代の音楽と現代の音楽を行き来する。。
それは、優人さんが以前からやっていた演奏会。
私はそれにすっかりハマってw優人さん推しになりました。

例えば、ヴィヴァルディと現代音楽を交互にプログラムした
この演奏会 ↓↓

ヴェネツィァの歌う庭


いつかまた聴きたいと思っていましたが、
この日はその続編が聴けたような嬉しさでいっぱいでした!












































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