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Rinaldo      [コンサートの記憶]

鈴木優人プロデュース/BCJオペラシリーズ Vol.2 ヘンデル 歌劇 『リナルド』
               ~東京オペラシティ コンサートホール

指揮・チェンバロ    鈴木優人

管弦楽         バッハ・コレギウム・ジャパン

(キャスト)
リナルド    藤木大地(カウンターテナー)
アルミレーナ    森 麻季(ソプラノ)
アルミーダ    中江早希(ソプラノ)
ゴッフレード     久保法之(カウンターテナー)
エウスタツィオ    青木洋也(カウンターテナー)
アルガンテ     大西宇宙(バリトン)
魔法使い     波多野 睦美(アルト)
使者       谷口洋介(テノール)
セイレーン(人魚たち)    松井亜希・澤江衣里(ソプラノ)


(演出) 砂川真緒
(ドラマトゥルク)菅尾友


'20Novリナルド6.jpg


ホールに入ると、いきなりこんなチラシが!
え?
今日はヘンデルのオペラじゃなかったの?!



ステージにはチェンバロ2台にオルガン、
オリジナル楽器で演奏されるのは
確かにヘンデルが300年前にかいた音楽。

ところが
リナルドは胸に大きく「R」と書かれたトレーナーを着たオタク少年。
フィギュアで遊ぶリナルド演じる藤木大地さん、
ホントにヲタクなのでは?と思うくらいハマってますw

そうやって始まったオペラは
RPGをリアルに体験しているようなワクワク感!
ストーリー展開の速さは手に汗。

まさに粒ぞろいの歌手達が
次々に繰り出すアリアはどれも絶品で、
3階まで綺麗に飛んできました♪♫

それにしてもBCJの管弦楽の超絶なこと!
舞台の上で演奏しているので
歌手とのやり取りが良く見えて感激。
三ノ宮さんのオーボエ
水谷さんのリコーダー
山本さんのチェロ
そして野入さんのリュート・・
と、挙げればきりがありません。
もう、全員が本当に上手で
しかも楽しそうに弾いているのがすごいっ!
優人さんの指揮に皆がシンクロして
エネルギーあふれる演奏が
アグレッシブに繰り広げられます。

そうそう、忘れちゃいけない
大塚直哉さんのチェンバロ!
優人さんとのツインチェンバロには度肝を抜かれましたよ(かっこええ~

長い棒の先に付いた鳥を操ったのも管弦楽の方々。
夏美さんは、いつもボウを使っているのでとってもお上手!
優人さんは片手で指揮をしながら鳥を操れるの、すごいよw

セミ・ステージ形式ということですが
歌手は全員、衣装を付けてヘアメイクもバッチリ。
さらに照明がとても凝っていたり
生音の効果音も入って、
メリハリがきいた演出にワクワク。
3時間を超える長尺が あっという間でした!



'20Novリナルド7.jpg




このオペラの中で一番有名なアリアは「私を泣かせてください」。
この話の流れの中で聴くと、単独で聴くよりずっと胸に迫ります。
森麻季さんの美しいソプラノに
穏やかな弦楽が寄り添った演奏は、この日の白眉でした。


そして、客席を沸かせたのは中江早妃さんの魔女!
まさにハマリ役~w
歌も演技もサイコーにキャラ立ってました。
そういえば、中江さんと大西さんの言葉がきれいでした。
この二人が歌った時、初めて
「あ、これはイタリア語のオペラだったのね」
と気付いたのでしたw

何はともあれ(え?
全員日本人でオペラを上演したというのは
とても意義があると思うのです。
この状況下で、外人歌手の来日が出来なかったため
オールジャパンによる上演になったのですが
急な代役にもかかわらず
役になりきって、すばらしい演奏を披露してくれた事は
まさに
ブラボー!!!!!
(ホールで大声を出してはいけないので、ここで叫んでおきます)



ところで、この作品はカウンターテナーが3人も出演するのですが
これは珍しいものでしょうね。
バスはひとり。
テノールに及んでは、たった一言しかありません!
ヘンデル、何があった?w

カウンターテナーの面々の中で 
今回は、青木洋也さんの硬質で芯のある声が
この作品と役柄に良く合っていたと思いました。
バロックの唱法も安定していて、とても聴きやすかったなあ。
旋律の装飾も、とても自然。
第2幕の初めの憂いを含んだアリアの陰影の表現
そして、ラスト近く
「シオンの丘に栄光の真理が輝く」の
心躍る華やかさ。。




'20Novリナルド5.jpg
              (この写真はweb上からお借りしました)




それにしても、優人さんのプロデュースぶりは本当にすごい!
その上、本番で指揮とチェンバロ演奏をしてしまうって、超人です。
バロックオペラ、ぜひまた聴きたいですね。

そういえば
私が初めて青木洋也さんの歌を聴いたのはオペラだったのです。
その公演の指揮が優人さんだったという、レアな事実!
それは、優人さんにとって初めてのオペラ指揮だったそうですが
あれから、二人ともスゴイ進化を遂げてますね。
これからの展開が楽しみ楽しみ♡





























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