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Early Music WorkshopⅡ     [語られる音たち]

アンサンブル・パルテノペ ワークショップⅡ
               ~Mサロン

   (2日間のワークショップの1日目を聴講)



'24Janパルテノペ1.jpg



講師:〈アンサンブル・パルテノペ〉
     朝吹園子 (バロック・ヴァイオリン)
     懸田貴嗣 (バロック・チェロ)
     西山まりえ (チェンバロ、オルガン)


「通奏低音のつくり方」

通奏低音は以下の状況によって異なる。
・時代・作曲家・奏者
・楽器(チェンバロ・リュート・オルガン)
・場所(広い場所・サロンのような場所)
・聴衆の有無


アルカンジェロ・コレッリ(1653~1713)
ヴァイオリン・ソナタ Op.5-11ホ長調 第1楽章

・講師演奏

1.入試のスタイル
2.ヨハン・ゴットフリート・ヴァルター(バッハの従兄弟1684生まれ)の
   編曲(チェンバロ)
3.トレッリのリアリゼーション
3.パルテノペのオリジナル




'24Janパルテノペ3.jpg





(メモ)
・調号の書き方:導音の#は書かない
        5線の中に同じ音がある場合は両方に#を書く。
・アーティキュレーション:様式に学ぶ。
   順次進行=レガート(主音を長めに。オーバーレガートを使う)
   カデンツのバス=ノンレガート(オクターブの跳躍)
   フレーズの切れ目は間をあける
   速度にもよる

・チェンバロの和音は拍頭or前に出すか決める
 (ジュミニアーニなどのソロ曲には前に出すものもある)

・チェロはロングトーンをふくらます事が可能
 チェンバロはアルペジオが可能
    ex:クレッシェンドは和音を増やす

・通奏低音はインテンポが基本
  メロディーパートがアゴーギグができる流れをつくる


講師の皆さんの素晴らしい演奏に聴き惚れ、
深いお話が伺えた上
超初級の質問に親切にお答えいただき感激!

昨年も思ったけれど、
講師の方が雰囲気づくりを大切にして
細やかな気配りをして下さるので
心おきなく質問や会話が出来る。
とても居心地が良い♡

そうそう、講師の皆さんは
ムズカシイ言葉を使わないのですよ。
音楽的にとても高い水準の内容なのに!
難しいことを易しく、解りやすく話すのは
実はとても大変な事なのに
楽しく学べて、本当にありがたい。


そして、
レクチャーの後の公開レッスンは
プロ奏者ならではの言葉掛けで
生徒さんの演奏がぐんぐん変化!

まさに充実の一日でした。



'24Janパルテノペ2.jpg


























































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Jean Rondeau's Master Class      [語られる音たち]

ジャン・ロンドーによるチェンバロ・マスタークラス
            ~三鷹 風のホール



「自分自身で音楽を見つけよう。
 音楽は自分の中にあります。」

まるで哲学講義のようでした!


'23Octジャンマスタークラス.jpg



この日の調律はバロッティ。(幅広い作品に対応できる)
楽器も2台準備され、受講生が弾きやすい方が選べるという
とても贅沢なマスタークラス。

5人の受講生の時間割は決まっていたのに
延長につぐ延長で、
終わった時は予定時刻を1時間もオーバー。

とにかく、ロンドー先生の語ること!!
「この作品に関しては話すことが多くて
1日でも足りない。」凄~

冒頭に
・音楽の神秘をさぐる。
・皆で音楽と向き合おう。
というお話があった。

そのため、レッスンでは
「こう弾きなさい」
と仰ることが、殆ど無い。
逆に受講生に
「どう思って弾いているの?」
と問いかける。

だから
ちょっとだけ弾いてくれたお手本は
まさに「神」だった。
ロンドー先生が弾くと
「チェンバロは強弱がつけられない」
というのは 
嘘!!
と、思ってしまう。
何なんだ、
あの低音の太く豊かな響きはっ?!


もちろん、作品や作曲者については
とても丁寧に語ってくれて
それを知った上で
「あなたなら、どう弾くの?」
と問いかける。

彼自身も、そうやって
常に自らに問いかけているのでしょう。



(自分のためのメモ)
・チェンバロのダイナミクスは自分で音のバリエーションをさがす。
 →手の置き方の工夫。
・バスを、モチーフが出てくる度に変化させるが
 身体から出てくるように、生き生きと。
・イネガルは歌や言葉から来る自然な姿。
・動物的な直感、身体全体で感じることが大切。
・ノンムジュレの(小節線がない)楽譜は即興から出てきた。
 ハーモニー分析をし、要約して
 進むところと止まるところ(カダンス)をみつけ響きを聴く。
 その上で、どう即興のように弾くか。
・音楽の前では人はハダカになる。
 自分と音楽の関係を見つける。
 音楽をつかまえて、意味を与える。
・早いパッセージもフレーズを作って歌う。
・低音や聞こえにくい音を聴く(歌う)。
 聴き方を変えると広がりが出る。
・自分はクラブサンが好きだ!ということを隠さずに全部見せる。
・他の楽器で弾くとどうなるか考える。(身体の動きなども)
・時代の精神、歴史的な文脈を考えると演奏の仕方が見えてくる。
 ベルサイユの文化は繊細。重力にはむかう。ナイーブさ。軽やかさ。
・音楽のキャラクターは自分の中に見つける。
 →表現は自分の中にあるものを示す。
・譜面台を外して(音が良く聞こえるように)音を味わう。
 音に耳を傾けると人に伝えられる。自分自身を聴く。
・タイトルの意味が解らなくてもOK。音楽の中に答えをみつける。
・その作品を全く初めて聴く人に合わせる。聴く人に解る演奏。
・細かい練習を丁寧に。
 時間をかけて、音楽と自分の関わりや喜びをみつける。




ロンドー先生の音楽創りの
一端が聞けた貴重な機会でした。


しかーし(ひそひそ)
この日の通訳はザンネンであったよ。
音楽用語を知らないなんて
マスタークラスの通訳に
ありえません!(怒!
たまたま聴講している方で
フランス語が堪能な音楽家の方がいて
正しく訳して下さるという。。
なんだかなあ。
マスタークラスの良し悪しは
通訳で決まるのにねえ。






ところで、この日
たまたま調律師さんに遭遇したので
調律法について突撃インタビュー!

「ゴルトベルクは彼のオリジナルで
表現が最大限に生かされるものだが、
一言では言えない難しいもの。
上野は平均律、
マスタークラスはバロッティです」
と親切に教えて下さいました♡


もう一度ゴルトベルクが聴けるので、楽しみが倍増!!






























































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A Time for Us      [語られる音たち]

加耒徹が歌う映画音楽&イギリス歌曲
        ~朝日カルチャーセンター 新宿教室

(出演)
加耒徹(バリトン)
松岡あさひ(ピアノ)

(プログラム)
映画「ロミオとジュリエット」より「私たちの時」
映画「ひまわり」より「失われた愛」
映画「シェルブールの雨傘」より「あなたを待つ」
映画「慕情」より主題歌
アイルランド民謡:ダニーボーイ
トラディショナル(ブリテン編曲):庭の千草
クィルター:私の生きることの喜びよ
フィンジ:私は行く必要はない
    :二十年の五倍の季節のうちに
    :私はそれまで人生をあまり気にかけることはしなかった
    :私は逢いの神に言った
トスティ:私を愛して!
ミュージカル「ラ・マンチャの男」より「見果てぬ夢」






深く豊かなバリトンヴォイスが
空気を震わせ
心が揺れる

それぞれの作品の世界が
目の前に立ち現れる
夢のようなひと時。。



'23Oct加耒1.jpg



何の装飾もない部屋なのに
加耒徹さんが歌うと
仄暗い中世の城
どこまでも続くひまわり畑
石畳が光る雨の街・・
そんな風景が広がる。

ナマでしか聴くことが出来ない
倍音をたくさん含んだ
すばらしい声!
そして
作品を深く読み込み
豊かに表現される
愛情深い歌唱は
まさに圧倒的。。


そして
松岡あさひさんのピアノの
ほんとうに多彩な音色!
素晴らしい共演でした。



'23Octかく2.jpg



この日は
加耒徹さんの新しいCD「A Time for Us」の
お披露目なので、そこからの抜粋が歌われ
また、作品の解説もありました。

加耒さんが大学生の時の専門はイギリス歌曲。
アメリカ英語とは発音が異なるイギリス英語は
歌曲の発声に適しているのだそう。

思い入れの深いイギリス歌曲とイギリス民謡、
そして親しみやすい映画音楽を収めたCD。

そうそう、ブリテン編曲のトラディショナルは
歌はそのままなのに、伴奏は現代音楽!
これにはビックリでした。

そして映画音楽は
収録のためにキチンと譜面に起こしたそうだ。

そんな解説を聞くと
理解が深まって良かったなあ。

さらに、収録現場のこぼれ話も聞けて
オトクでしたw
それにしても
解りやすい見事なお話ぶり(拍手~





加耒徹さんの
こんなに沢山のソロを聴いたのは
本当に久しぶり!

心が浄化された
すてきな午後。。








































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L'art de la transmission    [語られる音たち]

フランスにおけるピアノ教育の伝承
    ~武蔵野音楽大学 江古田キャンパス ベートーヴェンホール


'23Sptルイサダ1.jpg


・ジャン=マルク・ルイサダ先生の講演会


ピアノ奏法については
深みのある良い音をホールの奥まで届ける。
そのために
指の付け根を強固なピラミッドのように形作り
前腕は鳥の羽のように柔らかで自由な動き
二の腕はボディービルダーのような筋力が必要。

スタイルの良い音の響きは
建築物のように低音がしっかりとあること。
ペダリングは3つめの手。

趣味の良さを保つ。
声楽、オペラから歌い方を学ぶ。


ルイサダ先生が受けてきたレッスンは
同時に、愛を込めて語られる
レジェンドピアニストのお話でもあった。

中でもご本人イチオシのエピソードは
シャンピ先生(88歳)のパリのお宅で
レッスンを受けていたら
ペルルミュテール氏(76歳)がやって来た。
「来週、ロンドンでリサイタルをするので
レッスンを受けに来た。」と聞き
17歳のルイサダ先生は絶句!
ピアニストとして活躍していても
最後の日まで進歩する可能性があるから
先生のアドバイスを受けるのだ!


自分のテイストをつくる事が大切。
溢れる情報を鵜呑みにしすぎていないか。



そして、この公演の最大のトピックは
何と言っても
角野隼斗さんへのお褒めの言葉が聞けたこと!

「私の大事な生徒の一人、角野隼斗は」
と仰ると、会場がどよどよw

「彼は、様々な事に関心・興味があり
新しいものの良さを考え
それを理解しようとする。
そして、すぐに吸収してしまう。
これが今日のまとめです!」

ここに着地するとは思わなかったけど
見事なまとめでした♡



'23Sepルイサダ2.jpg




・公開レッスン(小学生~大人 7名)

終始一貫して「脱力」のための身体の使い方について。

ショパンは愛情やストーリーの表現、
ドビュッシーは椅子を低くした演奏、
そして両者の
版によって異なる楽譜についての深い考察、
作曲された時代の楽器とモダンピアノとの相違点など
細やかな指摘が聞けた。

ルイサダ先生がお手本で弾いて下さるのは
深く、あたたかく、そして煌びやかな音!
時間を大幅に延長した
熱い、素晴らしいレッスンだった。




'23Sepルイサダ3.jpg


・楽器ミュージアム 

休憩時間にツアーに参加し、
所蔵している膨大な数の楽器の解説を聞いた。
あらゆる種類の、あらゆる年代の楽器の展示。
見学者は演奏禁止なので
係の方が少し音を出してくれるのを聞けて
大変に貴重な時間だった。





























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Early Music Workshop      [語られる音たち]

アンサンブル・パルテノペ ワークショップ
           ~中野Space415

講師:〈アンサンブル・パルテノペ〉
     朝吹園子 (バロック・ヴァイオリン)
     懸田貴嗣 (バロック・チェロ)
     西山まりえ (チェンバロ、オルガン)



2日間 行われたワークショップの2日目を聴講。
まずはレクチャーから。

アルカンジェロ・コレッリ:ヴァイオリン・ソナタ Op.5-6

講師の皆さんの演奏で、この曲の第1楽章 Grave を聴く。

今年最初の生音!
清らかな音色に心が洗われる。。

旋律を担うヴァイオリンは
楽譜にかかれた音を装飾して演奏する。
「最初はシンプルに」
と仰っていたけれど、
こ、これでシンプルなの?!
というくらい、多くの装飾が聴こえる。

チェロはアーティキュレーションも
強弱記号もかかれていない譜面から
豊かな表情を引き出す。

そしてチェンバロは
バスの音符に付けられた数字により
即興でハーモニーを奏でる。

コレッリ(1653~1713)は
今年没後310年で、このワークショップの前日が命日。
バロック・ヴァイオリン界では
彼のソナタ集は金字塔。

即興のしかたは作曲者が編曲したものを参考にする。
アンサンブルは
現在起きていることからインスピレーションを得て弾く。

装飾は様式感、時代に即している事が重要。
その表現を追求するために
例えばヴァイオリンなら
作曲された時代の弓を使用する。




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レクチャーはもちろん、
それに続くレッスン(4組)も
深掘り盛り沢山なのに初心者に優しくて感激~。


プロの演奏家の皆さんが
惜しげなく
素晴らしい演奏を次々に披露して下さり
あたたかな雰囲気の中で
コアなお話も聞けて
本当に貴重な時間でした。











































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クラシック党!November '22   [語られる音たち]

バッハの無伴奏チェロ組曲Ⅲ
     ~朝日カルチャーセンター新宿

(講師)チェリスト 笹沼樹

(曲目)J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調 BWV1011
                  第6番 ニ長調 BWV1012



J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲は全6曲なので、今回が最終回。
前回のようにレジュメが配られ、解説から。

「バッハの無伴奏チェロ組曲の謎」と題して
この作品にまつわる6つの謎について語られました。

その中で、バッハが教会務めではなく
宮廷音楽家だったケーテン時代にかかれたのは何故か?
という謎について、
優秀な奏者のためにかいた、という説の他に
宗教音楽から離れたことや
妻を亡くし、再婚したことが関係しているのでは?という
バッハの心情が作品に影響している説があるそうです。


また、バッハはどんな楽器を想定していたのか?
については、ヴィォロン・チェロ・ダ・スパッラなどが紹介され
変わった調弦方法についても言及されました。
そして演奏家が楽器や調弦方法を選択し
また、どのように自分なりの表現をするか。

笹沼さん自身はモダン・チェロでの表現をしたいとの事でした。





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第5番はハ短調なので3つの♭。
「3」という数字はキリスト教でとても重要。
調性や作風から、定められた哀しみ、受難を想起させる。

その先にある救済として天上の音楽となるのが
第6番、ニ長調。
中でもサラバンドは
「オルガンが高いところから聞こえるような響き」
を感じる。。

そう語られてからの、生演奏。


至近距離で大迫力!
チェロの低音が床から伝わってくる。
倍音をいっぱい浴びてクラクラ。


ハ短調の調号のフラット♭は涙・・
ほんとうに
マリアさまの頬を流れる涙のような
抑制された哀しみに満ちた演奏。

うって変わって
華やかなトランペットが鳴り響くようなニ長調。
舞曲の踊り手がステップを踏む!
躍動するリズム。
ニコニコと全身を使って表現する音楽は
幸福感でいっぱいでした。





'22Nov笹沼2.jpg





この春に3回シリーズの2回の講義があり
最終回はいつなの~?
なかなかお知らせが来ないのに
全曲リサイタルの日がどんどん近づいてくる!
まさか
リサイタルの日にプレトークか??
と思っていたら
ようやく、3日前の開催が決定。
万障繰り合わせるのは大変でしたが
これをコンプリートしないで、どーするww

とにかく無事に全曲の解説が聞けて良かった。
リサイタルが超楽しみ~♡


















































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Rameau     [語られる音たち]

「フランス音楽の変遷をラモーの『和声論』から読み解く」
               ~朝日カルチャーセンター横浜/オンライン

講師:野平多美先生



Jean-Philippe Rameau(ジャン・フィリップ・ラモー)の「和声論」が出版されたのが1722年。
今年がちょうど300年になります。

講義はJ.S.バッハも所有していた「和声論」の事から
フランス式の和音数字の解説、
グレゴリオ聖歌からメシアンに至る歴史などなど
凄い情報量!
何しろレジュメだけで12ページもあったのですから。

リアルタイムで受講できなかったので、アーカイブを視聴しました。
おかげで、何度も聞き直せて良かったですが、
アタマはパツパツ(汗
また勉強する事が増えちゃったなぁ。。






「和声論」の表紙(ウィキよりお借りしました)

'22Aug朝カル野平1.jpg




































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クラシック党!May'22      [語られる音たち]

バッハの無伴奏チェロ組曲Ⅱ
        ~朝日カルチャーセンター 新宿

(講師)チェリスト 笹沼 樹

J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調
               第4番 変ホ長調




笹沼樹さんが筆写譜(自筆譜は消失)から読み解く
バッハの無伴奏チェロ組曲の2回目。
前回同様、チェリストならではの視点による
深掘りな解説に感銘を受けました。




'22May笹沼.jpg





今回はレジュメを作って下さり、それに添っての解説。
まずは前回のおさらい。

・J.S.Bachの無伴奏作品
・無伴奏作品をどう聴くか
・自筆譜・筆写譜

そして、今回の2曲(第3番・第4番)の解説を詳しく。
プロジェクターで楽譜を見せて下さるので理解が深まります。


いよいよ生演奏~♪♬

地鳴りのような重低音!
床から振動が伝わってくる。

舞曲の軽やかなステップを楽しむうちに
大自然の光と風の中にいる。。

前回よりもさらに充実した演奏を
至近距離で聴けて感激でした。






演奏前の解説の中で、無伴奏作品の聴き方が語られました。

J.S.Bachの時代、
チェロは通奏低音の役割を担っていた(いわば伴奏)ので
独奏、すなわち通奏低音が書かれていないこの作品は
とても特殊だった。

そのため、奏者は楽譜からポリフォニックの要素を読み取り
あたかも通奏低音が存在するような表現が必要になる。
また、聴き手も耳を澄まして、それを感じ取る。。




そうすると、不思議なことに
聴こえてくるのです!
バスライン、ハーモニー、
そして対旋律まで!

これはきっと、笹沼さんの素晴らしい演奏のおかげでしょう~♪♬♡



願わくば
私の思い描いた景色が、旋律が
奏者と同じものでありますように・・。

































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クラシック党!April '22     [語られる音たち]

バッハの無伴奏チェロ組曲
        ~朝日カルチャーセンター 新宿

(講師)チェリスト 笹沼 樹

J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調
               第2番 ニ短調



笹沼樹さんが熱く語るバッハ無伴奏チェロ組曲。
独奏を通奏低音から読み解く等、コアな解説が超ツボでした!!






笹沼さんが2019年から始めた「クラシック党!」という講座は
今回で11回目になるそうです。(知らなかった・恥)
「だんだんマニアックになってきて、プロジェクターも用意されて」
と、嬉しそうにお話が始まりました。
資料をプロジェクターに映しながらの解説。(以下は要点です)

・J.S.バッハの無伴奏の作品(ヴァイオリン・チェロ・フルート)
 →チェロの作品には自筆譜が現存しない。筆写譜の種類について。
・組曲・パルティータの構成曲
・バッハの時代にチェロは通奏低音を受け持っていたので、独奏は画期的。
 →独奏の中に通奏低音を再現する方法について
・第1番・第2番の解説。

詳しいお話しの後、すぐに第1番・第2番が通して演奏されました。




'22Aprilクラシック党.jpg



こんなに間近で演奏が聴けるなんて贅沢すぎ!!
素晴らしいリズム感と感性に圧倒されました♡



バッハが無伴奏チェロ組曲をかいたのは1720年頃(ケーテンの時代)。
笹沼さんの楽器は1769年製とのことで、作品よりも少し後。
その頃にはエンドピンもなく、ガット弦が張られていたけれど
ほぼ同時代の楽器で聴けたのは嬉しいことです。


それにしても、本当に深く勉強しているなあと感心しました。
笹沼さんはソロにアンサンブルにと大活躍の日々なのに
日々、精進怠りなく過ごされていて
演奏も暗譜でさらっとやってのけてしまう!(凄~
その上(まだあるw)お話もとってもお上手なのです。
専門的な内容を解りやすくお話するのは、なかなか出来ない事ですが
笹沼さんの深堀りは、とても聞きやすかったなあ。
続きの講座が今から楽しみです♪♬





そうそう、笹沼さんはまだバリバリの20代。
反田恭平さんや角野隼斗さんも同じくらいのお年ですね!
演奏も研究も、それの披露の仕方も
もの凄いクオリティで出来てしまう、この世代。
まさに、目と耳が話せません!









































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ホールに響くバッハ     [語られる音たち]

大塚直哉レクチャー・コンサート
オルガンとチェンバロで聴き比べるバッハの“平均律”
Vol.4 バッハの生きた時代と“平均律”
           ~彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール


J. S.バッハ:「平均律クラヴィーア曲集第2巻」より
        第1番 BWV870 ~第6番 BWV875

ゲスト 加藤浩子(音楽評論家)




バッハ平均律を
チェンバロとオルガン両方の演奏で聴けるとは超豪華!
そして、全く別の作品に聴こえて本当に驚いた!

奏者がそれぞれの楽器の特性を生かせるから
こんなにも違いが露わになるのだろう。

大塚直哉さんの解説は作品の内容にとどまらず、
時代背景やバッハを取り巻く人々にもおよぶ。

また、ゲストの加藤浩子さんが
バッハが暮らした街を年代順に
たくさんの写真とともに紹介してくれて楽しかった!




'20July大塚.jpg



私にとって4ヵ月ぶりのホール。
再開の音楽がバッハだなんて、こんなに嬉しいことはない。
やっぱり演奏会は最高!!

大塚さんも、お客さんとともに音楽をする喜びを
嬉しそうに語っていた。

ところで、この日はA=442くらい?
オリジナル楽器はもっと低いピッチが常なので、驚き。

調律が平均律に近いのは
"Das Wohltemperierte Klaier"
ほどよい調律、すなわちどんな調性でも演奏が可能
というバッハの意図に沿っているのでしょう。

このレクチャー・コンサートは
3回にわたってバッハ平均律1巻が行われ、
好評につき2巻に突入したもの。
私は今回ようやく予定が合致して来場できたので
前のシリーズでピッチの解説は行われたのかもしれない。







さて、この演奏会の開催にあたって
事前にホールから席とっかえの案内が来ていました。


'20July大塚3.jpg



いざ、ホールに着いてみると
これでもか!というくらいの安全対策がとられていました。
来場者に向けても数々の注意事項。

もう、本当に手間がかかって大変なのに
どんなに大変でもやるっ、という気迫を感じたのでした。

来場者もけっこう負担があったけれど
そんな事はホールで聴ける喜びが打ち消してくれました。
心から、開催に感謝します。








































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