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LIGHT    [アートに逢いに]

テート美術館展 LIGHT 光
      ~国立新美術館

ターナーから始まり、
印象派そして現代への系譜。
ということで、
最初の展示室にターナーの油彩画が4点。

茫漠としたセピア色の画面は
判然としないのだけれど
何故か惹き付けられる。
といって、近づくと
よけいに判らない。

それが、
「陽光の中に立つ天使」の前から
少しずつ離れていくと
ある所で
ハッキリと画像が見える距離があり
ほんとうに驚いた!


「湖に沈む夕日」
はスイスのルツェルンではないかと
推測されている。
白いアルプスの山々。
湖に映る夕日のしずく。。



ターナーは
元々、写真のように
正確に詳細に描いていた。

ターナーが美術学校の講義のために
作製した図解が11点展示されていたが
遠近法の教科書のよう。

絵画の技法の実力は非常に高かったが
歳を重ねるうちに
次第に色彩の表現になっていく。



・・ターナーの言葉より
「光は色彩であり 
影は色彩が放つ光を取り除いて、
その力を弱めることによって
光が欠けた状態である。
大気の中の光の複合物である白は
光の代替となる。」


「自然は威厳を持ってたわむれ
画家のために様々な現象を調合するのだ。」


大自然の光と色彩を愛し
それを描きとめようとした人。。



'23Sepテート.jpg




ターナーの図解は
現代アートへと進化していく。
さすが巨匠!


しかしデンキ使った現代アートには
目がクラクラw

インスタレーションって
美術館で観るものなの?
ストリートにあった方が
面白がる人もいるのでは?w


ちなみに、
ターナーとインスタレーションの間の時代の作品も
来日していました。(以上w


























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Complete!!    [コンサートの記憶]

阪田知樹 ラフマニノフ ピアノ協奏曲全曲演奏会
            ~サントリーホール

(出演)
阪田知樹(ピアノ)
大井剛史 (指揮)
東京フィルハーモニー交響楽団 

(プログラム)
ラフマニノフ:
ピアノ協奏曲第1番 嬰ヘ短調 Op. 1
ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 Op. 18

ピアノ協奏曲第4番 ト短調 Op. 40
パガニーニの主題による狂詩曲 Op. 43

ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op. 30







書かれた音符の一つ一つが見えるような
理知的なピアノ!

抜群のセンスとバランス感覚が
作曲家の魂と共鳴して
ロマンあふれる最高の物語を紡ぎ出す・・
まさに阪田マジック!





'23Sep阪田1.jpg



2023年はラフマニノフ・イヤー!
なにしろ生誕150年、そして没後80年。
世界中でラフマニノフの作品が演奏されている。

中でも華やかなピアノ協奏曲は
さまざまな演奏会のプログラムに組み込まれる。
しかし、
協奏曲の全てを一夜で演奏するというものは
殆どない。
しかも、
独奏者が一人だなんて!



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ラフマニノフのピアノ協奏曲は4曲。
それに「パガニーニの主題による狂詩曲」も入れて
全5曲の作品を一挙に弾いてしまおうという
その独奏者は阪田知樹さん。

長尺の演奏時間だが
阪田さんの凄まじい集中力は
最後まで途切れない!

深く響くバスの上に浮かび上がる
鮮やかな色彩の音像。

正確無比の跳躍は
クリアな音色で
軽やかにキメる!

そんなテクニックを駆使して
深い思考の下に構築された
豊かな音楽を聴かせてくれる。


客席の集中度もすごくて
針を落としても聞こえるくらい。

オーケストラは
コンマス三浦章宏さんを筆頭に
ヴァイオリン・セクションが美しい!
そしてクラリネットの
アレッサンドロ・ベヴェラリさん!
第2番でピアノが伴奏にまわった時の
クラリネット・ソロ。
なんと豊かな歌心でしょう~♡
それに触発されて
次にピアノが旋律になった時の
情感あふれる場面に
思わず涙。。
ああ、こんな場面がもっと聴きたかったなあ。



プログラム最後の第3番は
阪田さんの思いに溢れていて
この日の最高だった。

ゴールイン!の瞬間、
オール・スタンディング・オベーション!!

満員の客席は
一緒に走り続けてきた気持ちが爆発!!
コンプリート!!


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         (この写真はweb上からお借りしました)



喝采・・
何度もステージに呼び戻される阪田さん。
最後はオーケストラがはけた後に
一人でステージに!
阪田さんの
やりきった!という清々しい笑顔。

この場にいられて
ほんとうに良かった。。





10代の頃から国際コンクールに入賞し続け
活躍しつつも、しっかり研鑽を積んできた阪田さん。
20代最後の年に達成した偉業は
彼のピアニスト人生の大きな礎になることでしょう。




プログラムの挨拶に記した
「一生忘れることのない一日」
それは
演奏者全員とオーディエンス、
そして阪田知樹さん自身の。。
























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il viaggio di Corelli       [コンサートの記憶]

ボローニャからローマへ 旅するコレッリ
           ~今井館聖書講堂

(出演)アンサンブル・パルテノペ
     朝吹園子 バロック・ヴァイオリン
     懸田貴嗣 バロック・チェロ      
     西山まりえ チェンバロ
   (ゲスト)上田朝子 テオルボ

(プログラム)
M.カッツァーティ(1618-1678):ガエターナ
 (ヴァイオリンとヴィオローネ、通奏低音のためのソナタ op.55 より)
G.ピットーニ (~c1630-1677) : テオルボと通奏低音のためのソナタ op.2
A.ストラデッラ (1643-1682): シンフォニア ニ短調
G.トレッリ(1658-1709):ソナタ・ダ・カメラ ホ短調
A. スカルラッティ(1660-1725): トッカータとフランス風アリア イ短調
A.コレッリ(1653-1713):ヴァイオリンとヴィオローネ、またはチェンバロのためのソナタ 
             ハ長調 op.5-3、ホ長調 op.5-11 
G.ボノンチーニ(1670-1747):
 チェロ・オブリガート付きバス・アリア(ヴァイオリン編曲)
 ディベルティメント・ダ・カメラ(1722) より 

(アンコール)
ヴィターリ:チャッコーナ






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タイトルどおり、
コレッリと旅した清々しいひと時。


オリジナル楽器のピュアな音色は
透明感があって、ほんとうに爽やか。
4つの楽器が語りあい、歌い合う。
今、この瞬間に創り出される音楽。
ゆるやかに、優しく
そしてアグレッシブに!



特に惹き込まれたのは
西山さんのチェンバロ・ソロの
アレッサンドロ・スカルラッティ。

彼が活躍していた当時と変わらぬ
ローマのナボナ広場の風がふく。。

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そしてバロック・バイオリン作品の金字塔、
コレッリのソナタは
朝吹さんの熱い思いが全開!
まさに、この日の白眉。




演奏の合間に作曲家たちのエピソードが紹介されて
会場の笑いを誘っていたw

*自分のためのメモ
  アンコールで演奏されたチャッコーナの作曲者ヴィターリは
  モダン楽器で演奏されるシャコンヌを作曲した、ヴィターリの父。





今年の初めに催された
アンサンブル・パルテノペのワークショップに行ったので
彼らの一期一会の音楽の素晴らしさが
より深く聴けた演奏会だった。

ワークショップ↓↓

Early Music Workshop































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L'art de la transmission    [語られる音たち]

フランスにおけるピアノ教育の伝承
    ~武蔵野音楽大学 江古田キャンパス ベートーヴェンホール


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・ジャン=マルク・ルイサダ先生の講演会


ピアノ奏法については
深みのある良い音をホールの奥まで届ける。
そのために
指の付け根を強固なピラミッドのように形作り
前腕は鳥の羽のように柔らかで自由な動き
二の腕はボディービルダーのような筋力が必要。

スタイルの良い音の響きは
建築物のように低音がしっかりとあること。
ペダリングは3つめの手。

趣味の良さを保つ。
声楽、オペラから歌い方を学ぶ。


ルイサダ先生が受けてきたレッスンは
同時に、愛を込めて語られる
レジェンドピアニストのお話でもあった。

中でもご本人イチオシのエピソードは
シャンピ先生(88歳)のパリのお宅で
レッスンを受けていたら
ペルルミュテール氏(76歳)がやって来た。
「来週、ロンドンでリサイタルをするので
レッスンを受けに来た。」と聞き
17歳のルイサダ先生は絶句!
ピアニストとして活躍していても
最後の日まで進歩する可能性があるから
先生のアドバイスを受けるのだ!


自分のテイストをつくる事が大切。
溢れる情報を鵜呑みにしすぎていないか。



そして、この公演の最大のトピックは
何と言っても
角野隼斗さんへのお褒めの言葉が聞けたこと!

「私の大事な生徒の一人、角野隼斗は」
と仰ると、会場がどよどよw

「彼は、様々な事に関心・興味があり
新しいものの良さを考え
それを理解しようとする。
そして、すぐに吸収してしまう。
これが今日のまとめです!」

ここに着地するとは思わなかったけど
見事なまとめでした♡



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・公開レッスン(小学生~大人 7名)

終始一貫して「脱力」のための身体の使い方について。

ショパンは愛情やストーリーの表現、
ドビュッシーは椅子を低くした演奏、
そして両者の
版によって異なる楽譜についての深い考察、
作曲された時代の楽器とモダンピアノとの相違点など
細やかな指摘が聞けた。

ルイサダ先生がお手本で弾いて下さるのは
深く、あたたかく、そして煌びやかな音!
時間を大幅に延長した
熱い、素晴らしいレッスンだった。




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・楽器ミュージアム 

休憩時間にツアーに参加し、
所蔵している膨大な数の楽器の解説を聞いた。
あらゆる種類の、あらゆる年代の楽器の展示。
見学者は演奏禁止なので
係の方が少し音を出してくれるのを聞けて
大変に貴重な時間だった。





























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君たちはどう生きるか    [カーテン・コールの後に]

君たちはどう生きるか
      ~TOHOシネマ
原作・脚本・監督:宮崎駿
製作:スタジオジブリ
音楽:久石譲

主題歌:米津玄師「地球儀」





ここは確かに
訪れた事のある場所!

森も 海も 家も
風の香り
光の眩さも!

懐かしい想いが溢れ出す

過去から未来へ
彼らの言葉を私は語り
同じ思いを抱いていた。。









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宮崎駿さんは
どうして私のことを
こんなに良く知っているのだろう。。
と、不思議に思うほど
この映画の場面は
既視感にあふれていた。

そして心の動きは
あの時の私、そのもの。


久石譲さんの音楽が
あたたかく
せつなく
愛しく響く。。




たとえば、誰かと
同じ街を歩いても
見ているものが違うことがある。

たぶん宮崎駿さんは
私と同じものを見る人なんだろう。


そして「地球儀」!
エンドロールでこれを聴いたとき
すべての符合に心が揺さぶられ
涙があふれた。。








宮崎駿さんは
コルマールを訪れた時
「イーゼンハイムの祭壇画」を
観たのかもしれない。

私はそれを観たばかり。

    「イーゼンハイムの祭壇画」

あの祭壇画を観てから
この映画を観て、ほんとうに良かった。。





・・生きるってすばらしいね・・・





































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Mo.Marconi& Kazuma    [コンサートの記憶]

三浦一馬 東京グランド・ソロイスツ 第7回演奏会
             ~第一生命ホール

(出演)
三浦一馬(バンドネオン)

東京グランド・ソロイスツ(室内オーケストラ)
石田泰尚(ソロ・ヴァイオリン)

ネストル・マルコーニ(ゲスト:バンドネオン)


(プログラム)
(三浦一馬&TGS)
ピアソラ(三浦一馬編):
 フーガと神秘
 悪魔のロマンス
 天使の死
 ブエノスアイレス午前零時
 ツィガーヌ・タンゴ
 ビオレンタンゴ
 鮫(エスクアロ)

(マルコーニ/ソロ)ピアソラ・メドレー
(マルコーニ&TGS)
マルコーニ:
 時が満ちて
 アトリエ
 新聞売りの歩く道のために
(マルコーニ、三浦&TGS)
ピアソラ(三浦一馬編):
バンドネオン協奏曲「アコンカグア」(ダブル・ソリスト版/初演)

≪アンコール≫
ネストル・マルコーニ:⽇本奇想曲/Capricho japones
(TGSのための書き下ろし・新作)
ピアソラ(三浦一馬編):来るべきもの/Lo que vendra


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超かっこいいアレンジとサウンドのTGS!
前半は三浦さんとTGSの気心が知れた演奏。
そして、
やっぱり石田さんは裏切らないw


後半の冒頭で、マルコーニ氏のソロ。
語るように自由に歌うバンドネオンに感激~。
とても80歳を超えていると思えない
つややかで軽やかな歌。。


マルコーニ氏は三浦さんの師匠で
ピアソラと共に演奏活動をしていた方。
師匠を日本に呼んでの演奏会が
コロナ禍で延期になり、
今年、ようやく実現した。
三浦さんにとって、まさに念願の演奏会。


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      (この写真はweb上からお借りしました)



三浦さんの思いが伝わってくる師弟共演は
ほんとうに感動的。
バンドネオンの音色に個性があって
お互いの会話がきわだつ。



マイクが林立していたので
ライブ録音が発売されるでしょうか??
されますように!





終演後、な・なんと
マルコーニ氏と三浦さんのサイン会!
以前に発売されていたCDにお二人のサインを。
三浦さんのサインはバンドネオンですね♡


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イーゼンハイムの祭壇画      [アートに逢いに]

ついに来られたウンターリンデン美術館!

とうとう「イーゼンハイムの祭壇画」に逢えました。

感無量です〜。

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・・もう10年くらい前になるだろうか。
ある祭壇画に惹き付けられはじめたのは。
何かの折にその画像を目にするたびに
いつか、それを観てみたい
と思うようになった。

「イーゼンハイムの祭壇画」は
フランスのコルマールという
アルザス地方の街にあることがわかってきた。
そして、そこは
宮崎駿さんの「ハウルの動く城」の
モデルになった場所という事が周知されるにつれ
旅行会社のツアーに組み込まれるようになってきた。
アルザスはワインの名産地なので
それを味わうのもツアーの目的。
ひとりで行くにはハードルが高いけれど
ツアーならば!

コロナ禍が収束し海外旅行が可能になった時、
私は10年越しの夢の実現に動き出した。


ツアーで大事なポイントは
自由行動が可能なことと
所蔵している美術館が休館日でないこと。

内容が満足できるツアーは割とすぐに見つかった。
それも、開催決定になっている!
私が申し込むと「満席」になった。
すべり込みセーフ!


「イーゼンハイムの祭壇画」を所蔵しているのは
ウンターリンデン美術館。
そこのサイトで入場チケットを購入。
スマートフォンで表示できるけど
心配なのでプリントアウト。


4年ぶりに海外行きの飛行機に搭乗し、フランスへ。
そして3日目。
いよいよコルマールだ。


コルマールといえば、ここ!
という写真スポットと
ハウルのモデルになった建物をしっかり見てw

        ⇒いつか行ける日#4(コルマール)

ウンターリンデン美術館へ!!



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入り口で簡単な荷物検査。
受付でチケットを提示して入場。

地下へ行く階段を降りて右手へ行くと
展示室がいくつかあるが
それらしい部屋がない(汗

係の人に聞いたら
階段を降りた所で左手に行くことがわかった。
ひー!

気を取り直して、戻りましょう。

階段の所まで来て
左手の方のドアを開けると・・

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修道院の中庭だ。

ここは、元は13世紀頃に建てられた
ドミニコ会の女子修道院。

中庭をはさんで反対側の部屋の扉を開けたとたん
目の前に
それが あった!


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礼拝する人が見る祭壇画の絵は1画面で、
他の画面は閉じられているのだが
ここでは全ての画面が見られるように
バラして展示してある。


2022年に洗浄と修復を終えたばかり、とのことで
くすみが無く、色彩がとても美しい。




「イーゼンハイムの祭壇画」

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作者はマティアス・グリューネバルト(本名はMathis Gothart Naithart だが、
                 誤って公表された名前が通称になった。)
1470年~75年頃 ヴェルツブルクに生まれ。
1508年から1524年 マインツ大司教に仕える。
1528年ペストで死去。
ちなみに現代の作曲家ヒンデミットの「画家マティス」という作品は
マティアス・グリューネバルトのことだという。

当時、ライ麦に付くカビが原因の「麦角病(ばっかくびょう)」が流行。
聖アントニウスに祈ることで治癒するといわれた。
この祭壇画に聖アントニウスが描かれているのはそのためで
麦角病患者を治療する修道院にこの祭壇画が置かれたのだという。
その修道院は
コルマールから20Kmほどのイーゼンハイムという所にあった。




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キリストの手が不気味なほど捻れていたり
身体に発疹が出来ているのは麦角病の特徴で
患者たちは、イエスさまも同じ苦しみの中にいる
と、自分を励まし、祈ったのだという。

この面が平日に開かれているが
日曜日はキリストの生涯
~受胎告知、降誕そして復活~
が描かれた面が開かれる。
その面は、悲痛な磔刑図と正反対で
聖書の物語が生き生きと描かれている。

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受胎告知の天使ガブリエルの仕草
乙女マリアの表情など
まるで劇の一場面のよう。




そして
「ふっか~つ!!」という声が聞こえてきそうな
なんともユーモラスなキリストw

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でも、日曜日にこの画面が開かれるのを
楽しみにしていた人も大勢いたに違いない。

復活した時は元気な身体になって
天国へ凱旋することを夢みて。。




幼子をくるんだ布が
磔刑のものとよく似ている。

イーゼンハイム8.JPG




おどろおどろしい場面は
麦角病の苦しみなのか。
とはいえ、
最近の映画に出てきそうなキャラがいっぱい!
いや、この絵から映画のアイデアを得たのかも知れない。

イーゼンハイム7.JPG

マティアス・グリューネバルトは
きっと心優しい画家だったに違いない。
麦角病の、腹が膨れたり手が壊死するという特徴を
どこかユーモラスに描き
天国に行くときは
復活キリストと同じように健康な身体になれるよ、と
希望を持たせてくれている。
あたたかな愛。。




最後の画面は木彫。
彫像はニコラウス・ハーゲナウアーの制作によるもの。
聖アントニウスの祭日の時に開かれたそうだ。

イーゼンハイム6.JPG




いつまでも この場に居たかったけれど
そろそろ行く時間(悲~

ミュージアム・ショップへ。

なかなか充実してる~、と目がキラン☆とした時
「閉める時間ですよ~」
と声を掛けられた。
出たっヨーロッパあるある!昼休みなのねん。

急いで図録と栞をつかんで会計。

イーゼンハイム14.jpg


この図録に載っていた、バラしていない状態の写真。

第二面

イーゼンハイム15.jpg



第三面

イーゼンハイム16.jpg



こちらはweb上からお借りした写真。
テラスのような二階席(一般の人は入れない)から
撮影したもの。

イーゼンハイム17.jpg

ここが修道院だったことが良くわかる。



そして、ウンターリンデン美術館も
こんなに素晴らしい動画を配信してくれました♡

https://x.com/munterlinden/status/1715654368995721379?s=46&t=MmBeQdPkqoKNWU0jjHQa9A












キャンパスなどに描かれた絵画が来日することがあっても
祭壇画や壁画は決して来てくれない。
それがある場所に行かなければ観られない!
そうすると、よけいに観に行きたくなってしまう。

これまで観たのは
ダヴィンチの最後の晩餐(ミラノ)
カラヴァッジョの聖マタイ(ローマ)
ヤン・ファン・エイクの神秘の子羊(ゲント)

そして、美術館所蔵の門外不出の数々の名画たち。

画家が描いた、その場の空気が
時空を越えて迫ってくる瞬間の
スリリングな興奮は
何ものにも替え難い。


「イーゼンハイムの祭壇画」への旅。
念願がかなって
最高に幸せだったよ。。

























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いつか行ける日#10    [旅の空は]

再び香港で乗り継ぎ~。
長い長いフライトが無事に終わりました。


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しかし、ロスバゲという大きなオマケが(泣)


旅行が一斉に再開されたこともあり
運輸業界はてんやわんや。
預けた荷物が届かないロストバゲージが
多発しているとは聞いていたけれど
まさか、私の荷物がロスバゲになるとは!

その日は手続きをして帰宅。
一体どうなることでしょう~。

翌朝、
「荷物があったので、宅急便で送ります」
と連絡がありました。
あー良かった!

そして更にその翌日、
スーツケースが無事に帰ってきました。

ワインもシャンパンも無事でした~。

ぱり11.jpg



ロスバゲという珍しい体験をしましたが
この旅は本当に幸せでした。

自分で行きたい場所を調べ、
段取りをしつくし
ほぼ全てやり遂げることが出来たので
充実感でいっぱいです。

そして、
一度も怖いことに遭遇せず
出会った人達は
みんな親切であたたかく
良い時間を過ごすことができました。

メルシー・ボクー♡



それでは最後に
ギャルリー・ラファイエットで買った
おみやげ・ベスト3の発表~!


包み紙が名画のパロディーになってるチョコレート。
お味もトレ・ボン♡

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シャンパンに浸して食べるビスコット。
そのままだと甘いのですが
シャンパンに浸すとシュワッと味が変わります。

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モン・サン・ミッシェルのレモン味クッキー。
プレーンのものより厚みがあり
レモンの配合が絶妙~♬♪

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オールボワー♪♬♪フランス!
また逢う日まで♡

(えー?!また行くの?w
 



~Fine~






























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