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時を越えて               [コンサートの記憶]



あたたかい陽ざし

まどろむ私を 

列車は心地よく運んでいく

夢のような時間が

まもなく はじまる。。






ちょっとお昼にクラシック
            ~水戸芸術館コンサートホール





佐藤俊介(ヴァイオリン、バロック・ヴァイオリン)
鈴木優人(チェンバロ、ピアノ、プリペアドピアノ・オルガン)


(プログラム)
バルトーク(セーケイ編曲):ルーマニア民俗舞曲 より
J.S.バッハ:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 BWV1015より
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
メシアン:主題と変奏
ケージ:Our Spring Will Come
ビーバー:描写的なソナタ イ長調
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 作品47〈クロイツェル〉より 第3楽章

(アンコール)
J.S.バッハ(グノー編曲):アヴェ・マリア
J.S.バッハ:フーガ ト短調(小フーガ) BWV578



数年前にこの二人の共演を聴き、また聴きたいっ!とずーーっと待っていました。
その間、いろんなホールの演奏会のアンケートの「聴きたい演奏家は?」の欄に
二人の名前を書き続けていたのは言うまでもありません!

それがとうとう実現するのです。
外国じゃ無理ですけど、ここなら何とか行けます(嬉)!
(というのも、ふたりともオランダに住んでいて、海外での演奏会が多いのです。
今回は「来日」したのですね♪)

しかーし!
日本での演奏会とはいえ、交通費がチケット代の5倍以上~w

というわけで、はるばるやってまいりました。

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後方に見える高い塔は中にエレベーターがあって、上まで登れるようです。







さて、ステージには3台の鍵盤楽器が。(クリックすると開きます)


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一番奥がチェンバロ、真ん中が普通のグランドピアノ(スタインウェイ)、
そして手前はプリペアドピアノ。

ヴァイオリンもバロックとモダンの両方が用意されています。

これで、バロックから現代までの曲を網羅しようというわけです。
時を越えて奏でられる曲たち。
それぞれの音色の変化をたっぷり楽しめるプログラム。



演奏はバルトークから。
ふたりが弾くととても爽やかで、
ともすれば泥くさくなりがちなこの曲が新鮮に聴こえてくる。

チェンバロの構造の説明の後、バッハのソナタ。
俊介さんのバロック・ヴァイオリンはとても雄弁。
そして私の大好きな優人さんが弾くチェンバロ!
やはり彼の身体にはバッハがまるごと入っているなあと思う♪

そしてまたモダン楽器に戻り、時代をびゅーんと飛び越してサラサーテ。
ヴァイオリンの超絶技巧を聴いて貰おうというわけです。
優人さん「私はウラ打ちを楽しみたいと思います」w
あーー俊介さん、やっぱりモダンを弾いてもカンペキです!!


さらに時代が下ってメシアンです。
メシアンは自分で音階を作ってしまった人ですが
まずその解説があってからの演奏です。
こういうゲンダイオンガクってワケワカラン演奏をよく聞かされますが
何故か優人さんが弾くと凄く楽しめるのは何故でしょう~?
そして二人の呼吸はこういう曲でもピッタリです♪


そしていよいよプリペアドピアノの登場です。
優人さんはこのために東急ハンズでネジを購入してきました。
ケージはピアノの内部にネジなどを装着させて演奏する曲を書きました。
装着させる位置は曲によって異なり、「何インチの所」という指定がされています。
優人さんの指示で俊介さんがピアノの弦にネジをひとつ埋め込んでいます。
ネジが仕込まれた所を弾くと打楽器のような音になります。
ネジの他にも竹ヒゴがセットされました。

優人さん「もうすでにお料理番組のように他の所にもネジが埋め込まれています」w
俊介さん「僕の出番はもうないの?」
優人さん「そう。しばらく休憩して下さい」

ケージの「Our Spring Will Come」はガムランのような連打の連続の曲。
フランチェスコ・トリスターノがよくケージを弾きますが
やっぱり優人さんとフランチェスコは感覚が近いなあ~♪



ここで17世紀の作曲家に戻ります。
チェンバロの調律は平均律ではないので
ある調は綺麗に響くが、他の調は濁ってしまう、ということを
実際に弾いてくれました。
さらに平均律のモダンピアノも弾いてくれたので
その違いがとても良くわかりました!

さて、ビーバーは動物の鳴き声を曲にしました。
メロディの合間にカッコウ、カエル、鶏、猫などが登場します。
このバロック・ヴァイオリンのパフォーマンスは大受け~w

しかし
俊介さん「変な鳴き声しか演奏できないと思われたら困る」
ということで(?)最後はベートーヴェンです。

かっきりと、でも快いスピード感で奏されたクロイツエルの第3楽章。
音楽の悦びに溢れた演奏は
青空に羽ばたく美しい翼のようでした。。


アンコールの「アヴェ・マリア」は
バッハの曲に後世グノーが旋律を付けたという、
時代がぐちゃぐちゃな今日なプログラムにピッタリということでw
俊介さんは最初から旋律をフェイクさせてます~
あ~、最後にチェンバロが聴けて幸せー♪

と思ったら、最後の最後がありました!

ふたりはエントランスにあるパイプオルガンへダッシュ=3
オルガン席の近くまで行ってみると
二人仲良く腰掛けてますw
もちろん弾いているのは優人さんですが
隣にいる俊介さんはストップの操作を手伝っていたのかな?
なにやら笑顔で話しをしながらバッハを弾いてます~。
最後の方でオルガンの上方にある星がクルクルと回転して
キラキラと可愛らし音を出していましたよ☆

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実は、このプログラムは水戸市の中学生の音楽教室のためのものです。
同じプログラムを5回行い、市内の中学1年生全員が聴いたそうです。
(6回目の公演が一般公開されました。)
二人の楽しいお話(まじめに楽器の事を語りながらジョーク満載です)と
ハイレベルの演奏のギャップは、とてもインパクトが強かったのではないでしょうか。


さてさて、これで1週間に優人さんを3回聴いたわけです♪
それもパイプオルガン、オルガン、チェンバロ、ピアノ、プリペアドピアノ!!
なんて豪華絢爛だったことでしょう~
それは、
何を隠そう、私のバースデー週間だったので
優人さんからのプレゼントですね~(わはは)←オソロシイ勘違い

あー、堪能したっw





























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