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One Summer's Day         [コンサートの記憶]

それは こどもの頃に見た景色

すくい取った水

ほろ苦い涙・・・


忘れていたものが

よみがえる






久石譲(指揮)&新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ2014
                                ~サントリーホール

(プログラム)
久石譲: 交響ファンタジー「かぐや姫の物語」組曲 <世界初演>

[鎮魂の時]
ペンデレツキ: 広島の犠牲者に捧げる哀歌
J.S.バッハ: G線上のアリア
久石譲: ヴァイオリンとオーケストラのための「私は貝になりたい 」

~♪~

久石譲: バラライカ、バヤン、ギターと小オーケストラのための
    「風立ちぬ」第2組曲 <日本初演>
久石譲: 小さいおうち <世界初演>

[Melodies]
久石譲: 水の旅人
久石譲:Kiki's Delivery Service for Orchestra
久石譲: World Dreams

(アンコール)
久石譲 :One Summer's Day(ピアノ・ソロ)
久石譲 :風の谷のナウシカ





月からやってきた姫の物語。
昔話をひもとくように、穏やかに演奏会が始まりました。
かわいらしい少女の笑顔がはじけ
竹林を渡る風に乗って
歌声がどこまでも飛んでいくようです。

夢のようなひとときが過ぎると
「鎮魂の時」と題された3曲。
ペンデレツキの曲は弦楽器のクラスター。
擦ったり 叩いたりする音は、阿鼻叫喚のよう!
ざわざわとした不安な世界に放り込まれます。

「曲と曲の間の拍手を控えて下さい」
という指揮者の意向に従い、静まりかえる客席。

すると
一条の光がさすように
「G線上のアリア」。
始めは数人の奏者で。
少しずつ奏者が増え、厚みを増す弦楽合奏。
救いと慰め。。

けれど「私は貝になりたい 」は
今の世の中への批判を突きつけているかのような
切なさと激しさが入り交じるのです。







'14Aug久石WDO2.jpg

後半、グランドピアノが中央に置かれ
指揮をしている久石さんが時折ピアノも弾きます。



久石譲さんの音楽は、どこか懐かしく郷愁を誘う旋律が印象的です。
それは こどもの頃の記憶をよみがえらせてくれます。

幼い自分が見たもの、触れたもの、味わったものを思い出させるばかりでなく
その時に考えたことまでも・・(それは とうに忘れ去っていたはずなのに!)
ふたたび 鮮やかによみがえってくるのです。

プログラムの後半は、そんな久石さんの魅力がいっぱいつまった音楽で溢れました。
それをフルオーケストラで聴けるなんて、
これ以上の幸福があるでしょうか!?



そんな思いで拍手をしていた時
ステージを去ろうとした久石さんが二階席を見上げました。
そして
私の目をまっすぐに見たのです。
それは とても長い時間のように思えました。

客席は暗いので、ありえない事でしょう?
でもね、
久石さんだったら
そんなことも 起こるんですよ。。

確かに心が通じた、と 信じています!




アンコールのピアノソロ、One Summer's Day
クリスタルな響き
それは あの夏に聴いたメロディー

涙 なみだ。。






'14Aug久石WDO.jpg

久石さんは2004年から数年間のワールドドリームオーケストラ(WDO)との活動を
三年前に停止していました。
それが今回、復活したのです。
これから自作曲も演奏していきたいとの事、楽しみですね!

ところで、2008年のWDOによる「久石譲in武道館~宮崎アニメと共に歩んだ25年間」に
私は公募コーラスで出演しました。
その時、久石さんの もの凄いオーラに触れて心底驚きました!
プロとしての厳しさはもちろん、カリスマ性と人間的な魅力を併せ持った人。
思えば、あのコンサートはプロジェクトとしても壮大で
今でも自分が参加したのが夢のようです。

そして、2013年には久石さんが指揮する「第九」の演奏会(NHKホール)で歌うという
これまた凄い経験が出来ました。
この時は、いくつかの偶然が重なって出演できたこともあり
私は久石さんに何か縁のようなものを感じずにはいられません。







'14Aug久石WDO3.JPG


ロビーは綺麗なお花でいっぱいでした。

久石さん、次はどんな夢を見せてくれますか?




























「久石譲in武道館」よりOne Summer's Day











































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