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自分で見つける音楽 Vol.6 [語られる音たち]

小曽根 真ワークショップ「自分で見つける音楽 Vol.6」
               ~東京文化会館 小ホール



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「こんにちは!」
良く通る声が客席の後ろから聞こえる。
フリーハンドマイクの小曽根さんが、お客さんに挨拶しながらステージに向かっていく。
登場しただけで、みんなが幸せな気持ちになるってスゴイ!

まずは一曲。
ポリフォニーの音楽が、やがて「枯葉」になっていく。

こうして小曽根さんのワークショップが始まった。
今まで音楽以外の事にも触れてきたけれど、今回は音楽に集中するということで
去年、どうしても来られなかった私(それまではずっと出席!)は大喜び。

以下、自分のためのメモ


*芸術は生きている事を思い出させてくれる
  音楽という言語をどれくらい理解しているかで楽しみ方が変わる

*アーティストがどのように思いを伝えるか
  アーティストが送信したものをオーディエンスが取りに行く→受信する感性を信じる
  オーディエンスが発する空気を感じる。演奏によって、その空気がどう動くか。

*自分の中の四分音符を信じる
  ゆるぎない拍子感を持つこと(グルーヴ)→その上でアドリブをする

*心身をニュートラルにする方法
  自分の音を聴く 自分に集中する 出したい音をイメージする
  演奏前に息をはく

  コンサートは予期せぬことが起こりやすい(集中したい時に雑音がするなど)
   →どんどん後ろに捨てていく(なかった事にする!)

*クラシック音楽でも、演奏者の感情を表現したい
   →作曲家がかいたもの以外は表現すべきではない、という考えと相反するが、
    それは現代の大事な芸術論。
    感覚は主観なので、様々な考えがあって良いが、
    歴史や伝統があると型が出来てしまう。それはとても恐いこと。
    
*自分を信じよう、と もう一度思い出させてくれるのが芸術
  自分が信じているものはこれ、と言えることが大事!







ジャズピアニストの小曽根さんがクラシックを弾くことに眉をひそめる向きも多いという。
実際、演奏が終わった直後にブーイングが飛んだことも。
でもその時は同じくらいのブラボーも!!
それほど人の感覚はさまざま。

小曽根さんの親友でピアニストの清水和音さんが
「デタラメだけど凄く良かったよ!」
と小曽根さんが弾いたモーツァルトを誉めてくれた時、とても安堵したという。

ボーダレス な思いが込められた小曽根さんの曲「ミラー・サークル」を最後に。

エキゾチックなパッセージと明るい場面が交差し
終わりの静かな響きが消えるまで
耳をすます。。




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客席から出てピアノを演奏した二人と一緒に弾いたり、丁寧にアドバイスしたり
いくつもの質問に真摯に答えながらの密度の濃い時間でした。

それにしても、小曽根さんのピアノは ものすごい説得力!
「ピアノの鍵盤をひとつだけ弾くと、鳴るのは一つの音。
でも、それに続けてもう一つ弾くと、そこに音楽が生まれる」
「最初と同じ音から、今度は別の音へ。そうすると聴いている人の気持ちが動く」

そんなふうに、ごくシンプルな音を弾いてくれただけで
本当に気持ちが動いてしまう。
これはね、ピアノと音楽を深く愛して、知り尽くしているから出来るんだよ。

またいつか、心が動くピアノが聴けますように!





































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