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狩のカンタータ      [コンサートの記憶]

「それは私に『来い』ということですね?」
スマホの画面に向かってつぶやき
次の瞬間にはチケット予約の電話をかけていた!

9月のBCJの定期公演は所用があり「欠席」の予定だった。
しかしっ!
なんと「曲目が追加になりました」のアナウンス。
優人さんのパイプオルガン、青木洋也さんの独唱があるではないか。

もう、所用なんて無かったことに(え?
チケットをめでたくゲットしてから所用のキャンセルをしたのだった。
(いや、ホントにアブナイ橋を渡りましたゼw)




「狩のカンタータ」を初めて聴いたのは2011年7月。
春先に大変な災害が起き、
演奏会は自粛され、海外の演奏家の来日も極端に減ってしまった。
そんな中、BCJの演奏会が予定通りに開催され
ナマの音楽を聴くことが出来て、どんなに心が慰められたことだろう。

私に限らず、その当時の誰もがそうであったように
演奏家の方々も皆、心に痛手を負っていたはずなのに
音楽に集中して、素晴らしい演奏をしてくれて本当に嬉しかった。

「狩のカンタータ」の中のソプラノのアリアは
ペトリがピアノ用に編曲した「羊は安らかに草をはみ」で知った。
レオン・フライシャーが右手の故障から復帰した時のアルバムに収められ
彼の感動的な復帰とともに、その美しい楽曲が広く知られるようになり
私も好んで演奏したものだった。

その曲を、ジョアン・ランさんの
包容力のある優美な歌声で聴き、彼女のファンになってしまった。

ランさんは、その後もBCJの演奏会のために度々来日したが
昨年、ライプツィヒのバッハ音楽祭のファイナル・コンサートで
「ミサ曲ロ短調」のソリストを務めた際、聖トーマス教会で聴くことが出来た。
そして、その数日後に調布音楽祭のために来日したランさんのオペラとリサイタルを聴けて
感動の再会を果たしたのだった。

その「狩のカンタータ」を再び聴くことができる!

そして、何とプログラムが追加され
私に古楽の扉を開いてくれた鈴木優人さんのパイプオルガンと
青木洋也さんの独唱が聴けるという。
私は青木さんから歌うことのよろこびを教えてもらった。
心身ともに、こんなに元気になれたのは歌うようになったから。
本当にほんとうに楽しみな演奏会。。









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バッハ・コレギウム・ジャパン
第134回定期演奏会「狩のカンタータ」
          ~オペラシティコンサートホール

(プログラム) J.S.バッハ

アントニオ・ヴィヴァルディの原曲にもとづく協奏曲 イ短調(オルガン独奏:鈴木優人)

カンタータ第196番「主は私たちを心に留め」 BWV196
カンタータ第202番「消えるのです 悲しみの影よ」BWV202

シンフォニア ヘ長調 BWV1046a(ブランデンブルク協奏曲 第1番 初期稿)第1楽章
カンタータ第202番「心躍る狩こそわたしの悦び」(狩のカンタータ)

(出演)
指揮:鈴木雅明

ソプラノ:ジョアン・ラン/ソフィー・ユンカー
カウンターテナー:青木洋也
テノール:ザッカリー・ワイルダー
バス:ドミニク・ヴェルナー

管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン







これはヴィヴァルディの曲?!

パイプオルガンで演奏されているのはバッハの曲。
けれど、
ヴィヴァルディの曲がオーケストラで演奏されているよう。
バッハの怍・編曲能力は凄いけれど
それを表現できる説得力のある演奏は
優人さんだからこそ。
3楽章の足鍵盤を操るフットワークの軽さときたら!


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ところで、この日は合唱が立つための台がない。
不思議に思っていたところ
何と初めのカンタータ BWV196 の合唱は、4人のソリストのみで演奏されたのだ!
(続く2曲のカンタータには合唱がなく、レチタティーヴォとアリアのみ)

このアンサンブルの見事なこと!
特に終曲のすばらしさ!
エモーショナルに歌い上げられる旋律が
寄り添い、交差し
風に乗って高く低く舞っていく。。
まさに 光に満ちた幸せな音楽!

4人とも、身体を大きく使い
ひとりひとりがソロのように歌い上げる。
これは まるでオペラの四重唱!




青木洋也さんが出演することになったのは
この曲が追加されたためだった。
ほんとうに聴きに来られて良かった!
初め、「アリアは無いのか~」と
ちょっとがっかりしたのだけれど
こんなに凄いアンサンブルは、他では聴けない。

海外の古楽の演奏家の中には、
1パート一人という合唱をやっている人達もいる。
でも、それは本当に演奏に自信があるスペシャリスト。
それを今回、思いがけず聴くことができて(しかも素晴らしい演奏で!)
こんなに幸せなことはない。







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後半はチェンバロも参加!
優人さんが弾くチェンバロは絶品。
とにかく音が綺麗。
レチタティーヴォの歌い出しの時、
前の曲が終わるやいなや弾き出されるアルペジオ!
もう、ぞくぞくするよ~。

「狩のカンタータ」はソリストはもちろん、
通奏低音をはじめとする管弦楽もハイレベルの演奏で
ライブならではの臨場感が満載!!


そして、この曲での白眉が
ジョアン・ランさんの、あのアリアだったことは
言うまでもない!!

二本のリコーダーにいざなわれて
そよ風のように歌われる
ランさんの類い希な包容力のある歌声。
ああ、フレーズのひとつひとつが
こんなにも愛おしい!


(しかーし!リコーダーはこの曲だけなのね。
夏のチェンバロ協奏曲の演奏会でファンになった水内謙一さんの出番はこれだけ。ザンネン~)




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そして、しっかりサイン会に参加しましたよ~。
ランさんが私のことを覚えていてくれて嬉しかったなあ♡














最後にオマケ♪
(何に驚いていらっしゃるのでしょう~?w

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