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Flor de Lirio      [コンサートの記憶]

小曽根真 Solo Live!
       ~川口リリア音楽ホール

(セットリスト)
Makoto Ozone:Gotta Be Happy
Bill Evans: Waltz for Debby
Makoto Ozone:Dues
Alexandre Scriàbine: Prelude in A minor
Makoto Ozone:Always Together

Maurice Ravel: Piano Concerto 2nd Movement
Makoto Ozone:Flor de Lirio
D.Kuruwa : Longtemps (トランペット)曲輪大地
Makoto Ozone:Flight

(アンコール)
Makoto Ozone:Reborn  with (パイプオルガン)武本和大








繊細でクリアな音の粒子が
ふわりと舞う

かと思えば
パワフルでダイナミックな響き!

柔らかなアゴーギグと
タイトなリズム!


音楽の海に深く身をゆだねる
これ以上ない至福の時。。








'20Oct OZ川口2.jpg




小曽根さんの衣装はブラウンのシャツ。
胸元に大きな花が描かれている。
いつもなら登場するとすぐに演奏を始めるのに
この日は満席の客席を感激の面持ちでながめ
「ようこそ!」と両手を広げる。
そしてマイクを取って、来場への感謝を。
なにしろ、いっこ飛ばしでない本当の満席!
とうとうこんな日が来た、という万感の思い。

そして、その感動は演奏に現れる。
なんと密度の濃い時間と空間だったことだろう!



オープニングから爆走!!
きらびやかなイントロに目が眩む。
そして一気に走る!
猛スピードで駆けていく
大海原を疾走するイルカの群れのように
白い波しぶきをあげて
水平線の彼方まで!
Gotta Be Happy 幸せになろう
ああ、もう幸せの海。。




間を入れずに始まるワルツ。
小曽根さんが弾くイントロは、何の曲なのか解らない事が多いけど
これはワルツ・フォー・デビーとスグに解って、ちょっと嬉しい。
軸足のしっかりしたワルツの踊り手。
シャープなターンがぴたりと決まる!
かっこいいなあ♡

「実はこの曲は弾くつもりはなかったのだけれど」
と小曽根さん。
「スタインウェイの響きがあまりにも気持ち良かったから」
と嬉しそう。
本当に、ピアノもホールも良い響き♫
ナマで聴ける幸せをかみしめる。




一転してスウィング。
重いサウンド。
小曽根さんの靴音がタイトに刻む。
ドラムスやベースと一緒に
アイコンタクトをとりながらプレイしているような
親密な空間。
それが一瞬で断ち切られる!




静寂から現れたのは
薄明かりの中に静かに光る
さまざまな色の宝石
透明な原石が
呼吸をするように光る
迷路をたどる
不安と恐れ
こんなに哀しくて美しいスクリャービンを
聴いたことはなかった。。



さあ!
Always Together!!!
ごきげんな新曲。
なにもかも忘れて
笑って
ステップを踏もう!
ほんとうに、音楽ってすてき♡♫







後半は白いシャツ姿の小曽根さん。
ラヴェルのピアノコンチェルトの第2楽章を
ゆったりと奏でる。
オーケストラはいなくても
その響きに包まれているよう。
けれど、ときどき
ピアノは独り歩きをはじめ
自分のことばで歌う。
その案配の絶妙なこと!
たゆたうような空間に酔いしれる。





そして「皆さんをブラジルにお連れします」
と、サンバの Flor de Lirio ♫
なんて心地よいリズム。

これは後で知ったのだけれど、
HPの説明によると、このホールの名称「リリア」は
「川口市の花であるテッポウユリ(Lily:ユリとラテン語のia:~の場所)にちなんで名づけらた」!

Flor de Lirio(スペイン語)=ユリの花
小曽根さんは、これを知っていて演奏したのでしょう。
すごいなあ。
ユリの花の香りがするような
お洒落なサンバ。




そして、この日のライジング・スターはトランペットの曲輪大地 さん。
パリ仕込みの柔らかな音色を聴かせてくれました。





セットリストの最後は Flight
小曽根さんがピアノに向かって静かに集中している。
まるでレースが始まる前のアスリートのように。
そして始まる壮大なストーリー!

草原を駆け抜ける風
大空を流れる雲。。
そんな大自然の風景が
小曽根さんの演奏を聴いていると
映画のスクリーンを観ているように
目の前に現れる。
それは、これまでも常にあったことだけど
この日は 
まさに自分がその映像の中に放り込まれ
本当に体験していた!

それは音楽を超えた
何か大きなものに包まれたような
不思議な感覚。
時間と空間が
海のように深い愛で満たされたことを
私は生涯、いとしく思うことだろう。。









'20Oct OZ川口1.jpg





さあ、アンコールは「リボーン」!!
なんと、パイプオルガンと共演!
オルガンは「もがみ」でハモンドオルガンを弾いた武本和大さん。


未来が
今よりもっと
すばらしいものでありますように。
祈りをこめた演奏が
深く、深く響く。。












最後にすごいサプライズ!
何と、小曽根さんが満席の会場を写真撮影するというのです。
オルガン席からの撮影です。
小曽根さんとともに私たち全員の笑顔!

この記念写真は、小曽根さんのFacebookで見られます。
まだコンサートが開けない状況の人々への
励ましになりますように。






































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