SSブログ

2台ピアノの午後    [コンサートの記憶]

第60回大阪国際フェスティバル2022
小曽根真×鈴木優人×大阪フィル
              ~フェスティバルホール



(プログラム)
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調(指揮:鈴木優人、ピアノ:小曽根真)
モーツァルト:2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K.365
       (指揮&ピアノⅡ:鈴木優人、ピアノⅠ:小曽根真)

(ソリスト・アンコール)ブルース・イン・エフ

ムソルグスキー(ラヴェル編曲):組曲「展覧会の絵」(指揮:鈴木優人)




ついに聴けた!!
ジャジーでカッコいい
小曽根さんのラヴェルpfコンチェルト!

モーツァルト2台は優人さんと即興!!
ポジティブにはじけて超楽しかった~♡

そのうえ、アンコールの二人のインプロはブルースだよ?!
うひゃ~~♬♪


'22Sept O&M2.jpeg




以前から聴いてみたいと思っていた
小曽根さんが弾くラヴェルのピアノ協奏曲。
海外では2度ほど演奏しているけど
ついに日本でも演奏会が!!
しかも!
指揮が優人さん!!
ところが
なんと大阪(えーっ
しかし、もう一曲
モーツァルトの2台ピアノの協奏曲もあり
優人さんの弾き振りですって(驚!
これは、私が行かない理由が無いっ!



というわけで、新幹線に乗って遠路はるばる大阪へ。
なんと、この地を単独で訪れるのは初めて(ドキドキ・笑
あの川の向こうに見えるのがフェスティバルホール!

'22Sept O&M1.jpg






正面の豪華な階段はタカ〇ヅカを連想~☆

'22Sept O&M5.jpeg




そして、さらに長ーいエスカレーターを上がると
高ーい天井のホワイエ。

'22Sept O&M4.jpeg








2700席の広ーいホール。

満席のオーディエンスがオーケストラの入場に拍手を送る。

ピアノのA音が鳴らされ、チューニング。

やがて、ピアニストと指揮者がにこやかに登場する。
小曽根さんはオーバーサイズの純白のシャツにラメがキラキラと光る。
優人さんはスタンドカラーの黒の上下。



さあ!運命の鞭が入る!!
この冒頭のパーンという一撃を
「シャンペンが開いたような」と言った優人さん。
小曽根さんのピアノで泡がブクブク。
管楽器のファンファーレ!!

こうして始まったのは
今まで聴いたことのない
すばらしいストーリー。。



ラヴェルはジャズに触発されて
このコンチェルトをかいた、という事が
小曽根さんの演奏を聴くと如実に解る。

たとえば 
ジャズ的にかかれたフレーズを
重心を傾けて湾曲して歌うと
とてもブルージーに聴こえる。

また
左右の手に別のアコードが置かれているのを
ジャズを弾く人のバランス感覚で響かせる。

どちらもクラシックのピアニストだと
綺麗に弾きすぎてしまうから
ジャズ色が聞こえてこない。

そして、リズム感!
譜面通りにキチンと早く弾くのと
グルーヴ感があるのとは
全く別もの。

ああ、ラヴェルはきっと
こんな演奏を想像していたに違いない!



そして
第2楽章が、まさかの即興で始まったことも
ラヴェルはもちろん喜んでくれたと思うよ。
あの、完璧主義者だって
小曽根マジックは両手を広げて歓迎してくれる。


ほんとうに、第2楽章のピアノの音色の優美だったこと。

クリスタルのように透明で
そして暖かい音の粒は
柔らかく浮遊して
光の道をたどる。。
やがて寄り添うように
管楽器が歌い出す。
それに陰影をつける弦楽器。
ゆるやかに絡み合う旋律は
極上の物語となって
天空に響く。。



そして突き進む第3楽章!
疾走するピアノをガッチリとサポートする優人さんの指揮!
バツグンの推進力だ!
オーケストラを色彩豊かに鳴り響かせながら
胸のすくような快走をピシッと決める!
なんてカッコイイんだっ♪♬




'22Sept O&M3.jpeg






1曲目が終わると小曽根さんと優人さんがマイクを持って登場~。
ステージの配置換えの間のトークです。
小曽根さんがクラシックを弾くようになった経緯など。

そして優人さんが小曽根さんとのリハーサルで
「小曽根さんは凄い早さでいろんな事を教えてくれる」
と、ジャズの奥深さを語る。
小曽根さん流に言うと「ジャズ菌」を培養したらしいw
さあ、後半は増殖したジャズがバロックと火花を散らすのか?!






'22Sept O&M7.jpg

                (この写真はweb上からお借りしました)



小曽根さんは衣装を早替わり。
今度は光沢のあるアイボリーの燕尾風シャツ。
優人さんの黒と並ぶとEbony and Ivory♡

二人はジャンケンをして、弾くピアノを決めましたw

第2ピアノの弾き振りの優人さんが
最初の和音をオケと一緒に弾いてスタート!
ピアニストは二人とも前奏の間に時々ピアノを鳴らす。
モーツァルトの端正な音楽。
と思っていたのは初めだけで
だんだんと遊び心が。
アクセントは強調するは
リズムは変えるは
たまに聞こえるテンションノート!
小曽根さんが茶々を入れると
即座に反応する優人さん(凄~
しかも
カデンツァはどっかへ旅に出ちゃうしw

けれども
第2楽章は前後の喧噪(!)を知らないかのような
品格にあふれた音楽が紡がれた。
軽やかな二人の音色はとても良く似ていて
目を閉じると
どちらが弾いているのか解らないくらい。
二人のクラシック・ピアニストが奏でる
美しく、流麗な物語。


そうそう今さらだけど、
優人さんも普段から即興はバリバリこなしている人。
バロックのアンサンブルでは通奏低音を弾いている。
それは鍵盤楽器だと左手が楽譜にかかれた低音を弾く。
右手は低音の横に示された数字を元に、即興で演奏する。
(つまりはコードネームのようなもの。)
さらに、一人で弾くパイプオルガンの演奏には即興演奏がある。
これは非常に厳格な決まりの中で行われる凄いワザなのだ。

だから、小曽根さんが増殖wしようとしているジャズの自由な即興を
優人さんは瞬時に理解して演奏したのだなあ(凄すぎる~

じっさい、第3楽章のカデンツァは
どんどんフリーになっていって
空の上に飛んで行った二人が
楽しそうにお喋りしていたよ~♪♬

しかし、優人さんはバロックのアンサンブルでも
チェンバロを中央に置いてソロを弾くので
今回のように対向配置のオケを弾き振りするのは
朝メシ前でしょう。
でもね、目の前に
隙あらば何かしでかしそうな「世界の小曽根」がいたら?


'22Sept O&M6.jpg


          (この写真はweb上からお借りしました)



ああ、でもこの笑顔!

だから、あんなすっごいアンコールになったのか~!
「ブルース・イン・エフ」は
まさにジャズのサウンド!
二人のジャズピアニストの
ブルージーなスウィング♬♪
優人さんのアクションに
小曽根さんが悦びの声をあげる♪♬
かっこいいっ!!
大喝采!









しかーし
これで終わりではアリマセン。

後半がアリマス。

あれだけハジけまくった優人さんですが
「展覧会の絵」という超大曲の指揮をやってしまうのです!

本当に、この方は超人でございます。
大編成のオーケストラを
完璧にコントロールされるわけです(尊敬)。
管楽器が大活躍する作品なこともあり、
ものすごい音圧!
特に終曲は火が噴くように
豪華絢爛に締めくくられました。

満場の拍手は長く長く続いたのでした。














・・・私は覚えているよ。
小曽根さんと優人さんが出会った
ラ・フォルジュルネでの二人のツーショットを。

この日のトークの中で明かされた。
あの時、「いつか何かやろう」と語り合ったと。

そうして
二人はそれぞれに様々な経験をつみ
時が熟して
その時を迎えた。

これほどの幸せな時!
それを 私は
あの日から
ずっと待っていたよ。。。































































nice!(10)  コメント(0) 

nice! 10

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。