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大天使ミカエルの祝日      [コンサートの記憶]

バッハ・コレギウム・ジャパン 第151回定期演奏会
               教会カンタータ・シリーズ vol. 81
         ~東京オペラシティコンサートホール


(出演)
指揮:鈴木雅明
ソプラノ:松井亜希
アルト:青木洋也
テノール:吉田志門
バス:ドミニク・ヴェルナー

オルガン独奏:鈴木優人*

合唱・管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン


(プログラム)
J. S. バッハ:

おお主なる神よ、汝の神なる御言葉 BWV 757*
プレリュード ハ長調 BWV 545/1*
トリオソナタ第5番よりラルゴBWV529/2*
フーガ ハ長調 BWV 545/2*

カンタータ第8番《愛する御神よ、いつ我は死なん》 BWV 8

カンタータ第47番《誰であれ高ぶるものは低くせられ》BWV 47
カンタータ第130番《主なる神よ、我ら皆あなたを讃えます》BWV 130




'22Sept BCJ1.jpg



欧州の様々な国で祭られていた
大天使ミカエル。
勇ましく剣をふるうミカエルが
竜を踏みつけている像。


国によって、ミッシェル、ミハエルなど
呼び方に違いがあるけれど
聖書に竜との戦いに勝利し、
全人類を守ったと書かれている。
竜とは悪魔のこと。
それを倒した
雄々しい大天使ミカエルの祝日。
この日のプログラムは、
それにちなんだカンタータが
二つの秋のカンタータの後に演奏されました。






まずは、優人さんが弾くパイプオルガンから。

静かな夕暮れ
とつとつと語られる物語。。
そして、いきなり始まる煌びやかな音楽!
華やかに高らかに。
再びモノローグの世界へ。
ピュアな音色はミーントーンのオルガンのよう。。
さあ、最後のフーガ。
地鳴りのように
神々しく、天上の音楽が鳴り響く。。



オルガンの座席から くるりと降り立った優人さん。
客席に向けて にこやかな笑顔で挨拶。

これだけ聴いただけでも
今日、足を運んだカイがあったよ(拍手~



ここでステージに雅明氏がマイクを持って登場。

実は、この前日BCJは神戸公演だったのだが
台風の影響で交通機関が大混乱!
演奏メンバーは大変な苦労をして神戸に行き
奇跡的に公演が催行できたという。

雅明氏はその事に触れ、
今日は何事もなく
穏やかな気持ちで演奏できる嬉しさを語る。

そして
バッハのカンタータの演奏会に来てくれるのは
真のバッハ・ファンだと。
続けて楽曲の解説を。

本当に、こうして解説を聞いたり
事前に予習しなくてはっ!という気持ちになるのがバッハ。

(しかしオルガン曲が当初のプログラムから変更になったのを知らず、
 聴いていて「あれれ?」となったのでした・汗)



'22Sept BCJ2.jpg




カンタータで印象的だったのは合唱。
BCJの合唱は常に素晴らしいのだけれど
この日は、いつもに増して完璧なバランス!
まさに極上の美しさ。。

さらに
松井亜希さんの艶やかなソプラノアリア。
豊かな感情表現の素晴らしさ。
松井さんはスタイル抜群で
この日は一人だけタブレットの楽譜。
それを操作する仕草がステキで惚れ惚れ♡

また、鶴田洋子さんの
清楚な音色のフラウト・トラヴェルソ。
決然とした語り口の潔さ。

そして
まるで絵が見えるような
青木洋也さんのレチタティーヴォ!
アルトの声が
空中に黄金色の軌跡を
鮮やかに描く。
大天使ミカエルの剣の一振りのように。。


通奏低音のポジティブ・オルガンを弾く大塚直哉さんは
いつものようにポーカーフェイスで美しい音色を奏で、
チェンバロを弾く優人さんは何やら厳しい表情。
指揮をしている時や、独奏をしている時とも違う。
この表情は通奏低音奏者の顔なんだな。
それにしてもチェンバロの即興の見事なこと!
輝く光の粒のような音色で
歌を誘い入れ、たゆたい、スパッと決める。
なんとも小気味よい。




さて、バッハの素晴らしい作品を
高いクオリティーで聴けて幸せな日。
一体、バッハの時代にも
こんなに高い技術で演奏されていたのでしょうか?

ともあれ、300年前の音楽が
時を越えて演奏されるというのは素晴らしいこと。
それは
代々のバッハ・ファンが繋いできた
音楽の奇跡。。












































































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