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La Storia di Orfeo      [コンサートの記憶]

フィリップ・ジャルスキー
《オルフェーオの物語》
     (東京オペラシティ コンサートホール)

(出演)
オルフェーオ:フィリップ・ジャルスキー(カウンターテナー)
エウリディーチェ:エメーケ・バラート(ソプラノ)
アンサンブル・アルタセルセ

(プログラム)
モンテヴェルディ:トッカータ
サルトーリオ:シンフォニア
サルトーリオ:二重唱「愛しく心地よい鎖」
モンテヴェルディ:天界のバラ(オルフェーオ)
ロッシ:愛しい人、あなたと共にする苦痛は(エウリディーチェ)
ロッシ:二重唱「なんと甘美なのでしょう」
ロッシ:シンフォニア
カヴァッリ:『オリオーネ』よりシンフォニア
モンテヴェルディ:覚えているか、ああ暗い森よ(オルフェーオ)
ロッシ:二重唱「ぼくを愛してる?」
ロッシ:愛神の命令に(エウリディーチェ)
サルトーリオ:ああ、神々よ、私は死にます(エウリディーチェ)
ロッシ:涙よ、どこにいるのか?(オルフェーオ)
マリーニ:四声のパッサカリア
サルトーリオ:エウリディーチェが死んだ(オルフェーオ)
サルトーリオ:オルフェーオ、眠っているの?(エウリディーチェの亡霊)
モンテヴェルディ:冥界のシンフォニア
モンテヴェルディ:強力な霊(オルフェーオ)
モンテヴェルディ:冥界のシンフォニア
マリーニ:カンツォーネ 第1番
サルトーリオ:二重唱「神々よ、私はなにを見ているの」
サルトーリオ:閉まっている、ああ、嘆きの川の(オルフェーオ)
ロッシ:冥界を離れて(オルフェーオ)

(アンコール)
モンテヴェルディ:歌劇『ポッペーアの戴冠』より 二重唱「ただあなたを見つめ」
(前奏 ランベール:エール「あなたの軽蔑は」より)




美しく 哀しい物語を
二人の歌手が優美に紡ぐ

アンサンブル・アルタセルセの
豊かな表現力と
ドライブ感いっぱいの音楽に釘づけ。。



'23Marジャルスキー3.jpg




太鼓の一撃からスタートしたのは
モンテヴェルディの有名なトッカータ!
いきなり
ルネサンスの物語の世界に放り込まれる。


「オルフェオ」は
亡くなった愛する妻を追って冥界へ行った
詩人の物語。
17世紀のイタリアで大ヒットしたオペラで、
数多くの作曲家が同じ題材で作品をかいた。

この日上演された「オルフェーオの物語」は、
モンテヴェルディ、ロッシそしてサルトーリオの作品から
ピックアップして再構築したもの。

舞台装置はなく、
歌手も大げさな衣装は着けていない。
それなのに
ソプラノとカウンターテナーの
情感あふれる歌唱は
物語の世界が目の前に広がる。

愛し合う二人のまわりには
美しい花々が咲き乱れ
小鳥は悦びの歌をさえずる。

蛇の一撃で命を落とす花嫁。
嘆きの花婿の慟哭が
暗い森の奥にこだまする。

夢枕に立った彼女を追って
冥界へ。。
心をざわつかせる寒々しい道。


そして
愛する人が後ろにいるのに
振り向かずに歩くつらさ。
こらえきれずに
オルフェオは振り向いてしまう!

絶望の闇。。




'23Marジャルスキー1.jpg




照明の変化はあったものの
歌と演技だけで
雄弁に語られる素晴らしさ。



そして、
器楽奏者たちの凄い演奏!
指揮者なしのアンサンブル・サルタセルセは
名手たちが
呼吸を合わせ、気を読んで
極上の音楽を紡ぐ。。


ルネサンスからバロック時代は
旋律を装飾するのが当たり前だった。
楽譜はとてもシンプルにかかれていて
それを見ながら演奏を聴くと
本当にこれを歌っているの?!
と驚いてしまう。
歌手も器楽奏者も
二度と同じ演奏は出来ないというくらい
その瞬間に起こるエモーションを
とても大切にする。

演奏家たちの
炎のような「気」が
うずまき
絡み合う!

プロ中のプロの演奏が聴けた、
ほんとうに贅沢なひととき。



・・けれど、物語の幕切れは
あまりにも哀しい。


そこへ奏されたアンコールが
「ポッペア」の愛の二重唱♡
前奏が始まると、拍手が!
そうよね、
みんな、これを聴いて幸せな気持ちで
帰りたいよね(涙。。


もちろん
スタンディング・オベーション!








アンコールの拍手に
演奏者全員が何度も呼び戻され、
最後に客席も明るくなった瞬間
ダッシュ!!


サイン会に並ぶのだっww

もう、ホール中の人が並んだのでは?というほどの
長蛇の列!

なのに、ジャルスキーさまは
サインをした後、ひとりひとりの目を見て
"Thank you for coming"
と、おっしゃって下さいました(感涙


にこやかに♡

'23Marジャルスキー2.jpg




三年間、待っていたジャルスキーさまでした。

全ての演奏会がなくなった、あの時。。
ジャルスキーの公演もキャンセルに。

待ちに待ったジャルスキーは
凛とした歌声と感動的なパフォーマンス!!
もう、最高でした♡

















































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