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ピリオド楽器のショパン      [コンサートの記憶]

トマシュ・リッテル ピアノリサイタル 

   レクチャー&プレゼンテーション付き 
   ショパン国際ピリオド楽器コンクールに寄せて
              ~浜離宮朝日ホール

【第1部】レクチャー
「ショパン全書簡」が提示する新しいショパン像
 講師:関口時正(東京外国語大学 名誉教授)
 
【第2部】プレゼンテーション
「モダン楽器とピリオド楽器によるショパン演奏について」
 話・ピアノ:川口成彦

 聞き手(第1部、第2部とも):吉田純子(朝日新聞編集委員)

 
【第3部】リサイタル  使用楽器:1843年製プレイエル
 トマシュ・リッテル(第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール優勝者)

 ショパン:ノクターン第4番 Op.15-1
      ノクターン第1番 Op.9-1
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番 Op.109
 モーツァルト:幻想曲 K.475

 ショパン:24の前奏曲 Op.28

(アンコール)
 シューベルト=リスト:影法師(「白鳥の歌」D957から)
 ショパン:マズルカ ホ短調 op.41-1



こんなに豊かに鳴り響く
フォルテピアノを聴いたのは
初めて!

抜群のテンポ感で駆け抜け
言葉を紡ぐようにフレーズを歌う。

モダン楽器では
決して聴けない解釈に
心踊る。

ノスタルジーではないピリオド!
最高でした!!




'23Juneリッテル2.jpg



トマシュ・リッテルさんを知ったのは
2018年ピリオド楽器のショパンコンクール。
もちろん、配信で見ていたのだが、
彼のピアニズムはコンテスタントの中で
抜群に優れていて
文句なしの優勝だった。
余裕さえ感じられる安定感。
それは、
ピリオド楽器に精通しているからこそ。
また、リッテルさんは
モダンピアノも弾きこなし、
コンクール受賞歴もお持ち(凄

いつか生演奏を聴きたいとの思いが
この日は漸くかなった。


そして、改めて
ナマ音は配信と全く異なることを痛感する。


意外に骨太なモーツァルト。
情緒のある、耳に心地よいベートーヴェン。

そして
ショパンは
ためらいなく
清らかな水のように流れていく。
もちろん
繊細な筆の運びは
随所に聴かれるけれど。

だから
24の前奏曲は
ほんとうに新鮮だった!

私は、この作品を
今初めて聴くのではないか
と、錯覚するくらい。

明るい日差しの中で
やわらかく微笑むショパン。
風がそよぎ
木々がゆれる。。

そこには
内向的で求道者のようなショパンは
いない。


全ての演奏に
深い洞察が感じられ
彼の内なる声が伝わってくる。

それは
楽器や
ステージのエネルギーに
インスパイアされた
今、ここでしか聴けない
奏者の心。




そして
アンコールで奏されたシュベルト。
とってもオドロオドロしくて怖かった(震
こんなに深い音が聴けるなんて。。


最後に演奏されたマズルカ!
土の香りをまとう歌
懐かしい風景

いつまでも
聴いていたかった。。



'23Juneリッテル1.jpg






この日は演奏の前に解説があったのですが
リッテルさんのレクチャーを聞きたかったな~。
と思うような、いや多くを語るまいwww

それから、リッテルさんが
アンコールの曲名を告げた時に着信音がが!
リッテルさんは音が消えるまで待ってから
演奏したわけですが(多分内心は・・
演奏中ではなくて良かったですが

あっ
だからシュベルトが
あんなに恐ろしかったのか!(え?





























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