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L'art de la transmission    [語られる音たち]

フランスにおけるピアノ教育の伝承
    ~武蔵野音楽大学 江古田キャンパス ベートーヴェンホール


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・ジャン=マルク・ルイサダ先生の講演会


ピアノ奏法については
深みのある良い音をホールの奥まで届ける。
そのために
指の付け根を強固なピラミッドのように形作り
前腕は鳥の羽のように柔らかで自由な動き
二の腕はボディービルダーのような筋力が必要。

スタイルの良い音の響きは
建築物のように低音がしっかりとあること。
ペダリングは3つめの手。

趣味の良さを保つ。
声楽、オペラから歌い方を学ぶ。


ルイサダ先生が受けてきたレッスンは
同時に、愛を込めて語られる
レジェンドピアニストのお話でもあった。

中でもご本人イチオシのエピソードは
シャンピ先生(88歳)のパリのお宅で
レッスンを受けていたら
ペルルミュテール氏(76歳)がやって来た。
「来週、ロンドンでリサイタルをするので
レッスンを受けに来た。」と聞き
17歳のルイサダ先生は絶句!
ピアニストとして活躍していても
最後の日まで進歩する可能性があるから
先生のアドバイスを受けるのだ!


自分のテイストをつくる事が大切。
溢れる情報を鵜呑みにしすぎていないか。



そして、この公演の最大のトピックは
何と言っても
角野隼斗さんへのお褒めの言葉が聞けたこと!

「私の大事な生徒の一人、角野隼斗は」
と仰ると、会場がどよどよw

「彼は、様々な事に関心・興味があり
新しいものの良さを考え
それを理解しようとする。
そして、すぐに吸収してしまう。
これが今日のまとめです!」

ここに着地するとは思わなかったけど
見事なまとめでした♡



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・公開レッスン(小学生~大人 7名)

終始一貫して「脱力」のための身体の使い方について。

ショパンは愛情やストーリーの表現、
ドビュッシーは椅子を低くした演奏、
そして両者の
版によって異なる楽譜についての深い考察、
作曲された時代の楽器とモダンピアノとの相違点など
細やかな指摘が聞けた。

ルイサダ先生がお手本で弾いて下さるのは
深く、あたたかく、そして煌びやかな音!
時間を大幅に延長した
熱い、素晴らしいレッスンだった。




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・楽器ミュージアム 

休憩時間にツアーに参加し、
所蔵している膨大な数の楽器の解説を聞いた。
あらゆる種類の、あらゆる年代の楽器の展示。
見学者は演奏禁止なので
係の方が少し音を出してくれるのを聞けて
大変に貴重な時間だった。





























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