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The Golden Age      [コンサートの記憶]

東京・春・音楽祭2023
鍵盤音楽年代記Ⅰ           
 ~東京文化 小ホール

ピアノ:キット・アームストロング


(プログラム)
伝 T.プレストン:ラ・ミ・レの上で
J.ブル:イン・ノミネ IX
    幻想曲 ニ短調 *
    幻想的なパヴァーヌとガイヤルド
G.ファーナビー:マスク ト短調 *
W.バード:ヒュー・アシュトンのグラウンド *
     荒涼とした森を歩きますか *

W.バード:オックスフォード伯爵の行進曲*
     鐘 *
     パヴァーヌとガイヤルド「ウィリアム・ピーター卿」
T.タリス:御身はまことに幸いなる者 I *
J.P.スウェーリンク:半音階的幻想曲

      *「フィッツウィリアム・ヴァージナル・ブック」より 

(アンコール)
J.S.バッハ:オルガン小曲集より
       「おお人よ、汝の罪の大いなるを嘆け」BWV622




胎内で聴いていたような

懐かしい音が

命を与えられ躍動し

伸びやかに歌う。。




'23Aprilキット1.jpg



キット・アームストロングの東京春祭公演は
「鍵盤年代記」と題され
鍵盤音楽の創世記から現代に至るまでを
5つの年代に区切った5公演。
この日はその初日の
「The Golden Age 1520-1620」。


モダンピアノのベーゼンドルファーから
驚くほど多彩な音色が引き出され、
J.ブル、W.バードの作品が豊かに響く。


この時代、もちろんピアノという楽器は存在しなかった。
クラヴィコードやハープシコード
そしてオルガンで奏でられた音楽。
その解釈と表現方法に形式が必要という人がいる。
けれど、それを取り払い
奏者の思いを乗せて
モダンピアノならではの演奏をする。
そんな人も増えてきた。
キットもその一人。
彼が弾くピアノで
音楽は自由を得て
生き生きと羽ばたく。
ライブを聴く私たちに
熱く語りかけ
ともに呼吸する喜びを歌う。



'23Aprilキット2.jpg



キットは数学の博士号を持っているくらいなので
演奏は非常に理知的で明晰。
以前に聴いた時は
とても冷静な印象だったけれど
今回は、憑依したかのような演奏が聴けてビックリ!
天上の大いなるものが
彼の魂に降りてきて
音楽が鳴り響く・・
まさに圧巻のパフォーマンス!!

でも、次の瞬間
冷静なキットにもどり
フーガの海に深く沈む。。



キットのお家はフランスの古い教会。
そこで様々なコンサートを開いている。
コロナ禍の時は
そこから毎日のように演奏を配信してくれた。
その演奏と、彼の作品解説に
どんなに励まされたことだろう。

今、こうして
ナマでキットの演奏が聴ける!
なんてステキなんだ!!

アンコールは
「鍵盤年代記Ⅱの予告です」と告げて
J.S.バッハが演奏された。

バッハ以前の音楽の後に聴くと
とても新しい時代を感じたよ。。



























































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