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on early music    [コンサートの記憶]

フランチェスコ・トリスターノ ピアノ・リサイタル
         ~三鷹 風のホール

(プログラム)
J.S.バッハ:イギリス組曲第2番 イ短調BWV807
トリスターノ:Serpentina
J.S.バッハ:イギリス組曲第6番 ニ短調BWV811

組曲 ~オン・アーリー・ミュージック~
トリスターノ:Ciaccona seconda
フレスコバルディ:トッカータ集第2集より
          第4番 “da suonarsi alla levatione”
          第9番 “Non senza fatiga si giunge al fine”
          第8番 “Di durezze e ligature”
トリスターノ:リトルネッロ
スウェーリンク:ファンタジアニ調 SwWV259
トリスターノ:RSのためのアリア
ギボンズ:フレンチ・エアー、アルマン、イタリアン・グラウンド、グラウンド
トリスターノ:トッカータ

(アンコール)
トリスターノ:hello





即興のように
自由で生き生きとしたバロックと
タイトでグルーヴィーなオリジナルが
時空を超えて行き来する。。




'23Octフランチェスコ6.jpg



前半、イギリス組曲からの抜粋は
3日前よりずっと のびやかで
生命力にあふれていた。
超速のテンポでもブレない
美しい抑揚に聴きほれる。

バッハに挟まれたオリジナルは
細かいパッセージがミニマルのよう。
このチャーミングな小品とバッハが
何の違和感もなく
いや、それどころか
互いの個性を引き立て合って
豊かな空間が現れる。。


'23Octフランチェスコ7.jpg



後半も
オリジナルと古楽が交互に奏される、
フランチェスコのオリジナルの組曲。

前半と同じく、
ステージの上手から登場したフランチェスコは
ピアノの椅子に座ると
しばし 上の方を見やっている。
遠い彼方から
音楽が降りてくるのを待つように。
そして
おもむろに打鍵する。
かっきりとした音色のベースが
タイトなリズムを繰り出す。
繰り返されるグラウンド。
時折
研ぎ澄まされた短いフレーズが
火花のように弾ける!
そしてカオス・・
大きな渦に飲み込まれていく。

おだやかな水面に
ぽつり ぽつりと
したたる滴のように
フレスコバルディが たゆたう。
セピア色のモノローグ。
どの曲も切れ目なく奏され・・

いつのまにか
フランチェスコのオリジナルの世界へ。
細かい連打が風を呼び
大気が大きく揺れる。
やわらかな色彩の雲が流れ・・

引き寄せられたように
スウェーリンクのポリフォニーが
饒舌に語り合う
果てしない物語。

そして 
Aria for RS
祈り・・
神聖な響きと愛。
(プログラム・ノートに
「闘病している友の快復を祈りながら書いたというから、
 RSとは坂本龍一のことだろう」とあった)

聖歌はいつのまにか
いにしえの歌に すり替わる。
タイトなギボンズは
軽やかなステップを踏む。
そこから
あっというまにオリジナルになだれ込む。
グルーヴ感いっぱいのトッカータに喝采!!





                     (以下の写真はweb上からお借りしました)

'23Octフランチェスコ9.JPG

                 

アンコールは"hello"
もちろん、フランチェスコのオリジナル。
繰り返される太いベース音と
ホールいっぱいに響く
テンション満載のサウンドを浴びられて
幸せだったよ。。








'23Octフランチェスコ8.JPG




後半の組曲「アーリーミュージック」は
フランチェスコの公演の配信があり
本当にステキだったのだけれど
やっぱり
ナマは ぜんっぜん違う!
特にこの日は
エレクトロニクスを使わなかったので
グランドピアノのナマ音で
極上の響きを聴けたから
魂を持って行かれた。。















































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