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Afternoon Concert Feb. [コンサートの記憶]

成田達輝&萩原麻未 デュオリサイタル
        ~浜離宮朝日ホール

(出演)
ヴァイオリン:成田達輝
ピアノ:萩原麻未

(プログラム)
M.ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ(遺作)
      ヴァイオリン・ソナタ ト長調
      ツィガーヌ

S.フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調

(アンコール)
E.イザイ:子どもの夢 Op.14
W.クロール:バンジョーとフィドル



 

超美音・超絶技巧の
バイオリンとピアノが
個性豊かに繰り広げるパフォーマンス!


時に狂気をはらみ
また彼岸のような儚さを歌う。。




'24Feb成田萩原1.jpg




かわいらしい笑顔の萩原麻未さんは純白のドレス。
そして神妙な面持ちの成田達輝さんは黒の丈の長い上着。
若い夫婦の二人が揃ってお辞儀をすると
ホールの空気が一気に華やぐ。

しかし、いざ楽器に向かうと
二人はともに凄い集中力で
音楽に没入する。
まるで憑依したような
もの凄い演奏!!

それぞれが
非常に個性的なのだが
お互いの波長がピッタリ合うから
その個性が拡大され、増幅され
まさに
オリジナリティーの極致となる。

極度なアゴーギグの変化、
さらに
幽玄な最弱音から爆音まで
ダイナミクスレンジの広いこと!

今、この瞬間に生まれる音楽の瑞々しさに
心をうたれる。

そして、ほんとうに凄いのは
どんな場面でも
楽器を完璧にコントロールしているのだ。
しかも
これ以上ないくらいの美しい音色で!

どの作品も聴き慣れたものなに
まるで初めて聴くような新鮮さ。
圧倒的。。



'24Feb成田萩原4.jpg


ところが
プログラム後半のフランクのソナタの演奏中、
ハプニングが!

成田さんが
静かな第3楽章の途中で
突然、演奏をやめて
「すみません、もう1回最初からやらせて下さい」
と言うのだ。
ステージのそでからカメラで撮影されているのに気付き
集中できないようだ。
1番ビックリしたのは麻未さんで(そりゃそうだ)
夫に「最初からでなくても、2楽章からでも良いのでは?」
と、説得しようとするが
頑として「最初から」と言う達輝さん。
麻未さんは客席に「お時間、大丈夫ですか?」と気遣う。
客席から温かい拍手がおくられ
調弦して、冒頭から。

ああ、
さっきより充実した演奏だ!

アクシデントを跳ね除け
真摯に音楽に向き合う夫婦デュオに
感銘を受けました。


(ちなみに、ホールのSNSで
「スタッフの不手際で演奏が中断したことへのお詫び」があった。)


'24Feb成田萩原3.jpg




演奏を止めた時に
成田さんが「どんな状況でも演奏できなくてはいけないのだが」
と、もらしていた。
確かに、
演奏を止めるなど、もっての外!
と言われても仕方ないかもしれない。

でも、成田さんは
最高の演奏を聴いてもらいたかった。
それは、もの凄い集中力の上に成り立つものだから
ほんの少しでも
邪念を入れたくなかったのでしょう。

そのことを
ホール中の人が感じたから
温かい拍手が生まれた。

ほんとうに
みんな、あなたが納得できる演奏が聴けて
幸せだったよ。




'24Feb成田萩原2.jpg




アンコールの1曲目は
私の大好きな
イザイの「子どもの夢」。
ふたりのお子さんへの
あたたかい愛情が
そのまま
音になっていた。。。

















































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