SSブログ

オンディーヌ         [コンサートの記憶]


生まれる前の世界

そこで聞こえる音たちは

とても純真で

とても無垢。。




辻井伸行 ラヴェルを弾く!
         ~オーチャードホール

(プログラム)
ラヴェル:水の戯れ、亡き王女のためのパヴァ―ヌ、ソナチネ

ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調

(アンコール)
ドビュッシー:アラベスク第1番
ラヴェル:オンディーヌ(夜のガスパール より)




辻井伸行さんのピアノの音が美しいのは、メディアを通じて良く知っていましたが
生演奏は その何十倍も素晴らしいものでした。

彼の演奏は、まず その音色に耳を奪われる!
音楽的なこととか曲の解釈以前に
もっと根源的ななにか。。

生まれてくる魂が この世にやってくる前にいた世界
そんな国に響いている音を聴いているよう。

懐かしさと もう戻れない切なさが交じり合い
涙がこぼれる。。

心が

無になっていく・・



本当にこれは一期一会のひととき!
この瞬間は後にも先にも、たった今だけ。

ここに集った人だけが聴くことのできる音。

光の無い世界に住む彼が
全身全霊で紡ぐ音が ここにある。

おそらく、幸せの尺度が私たちと全く違う
けれど
この世に存在する確かなものとして
彼はピアノを奏でる

そこには
音楽とピアノを愛する
彼の純粋な心の歌があるだけ。。












'14Sep辻井くん.jpg
               (写真はメディアからお借りしました)



ソロの後のコンチェルト。
私が楽しみにしていた指揮者が病気で交代したこともあったかもしれませんが
ソロの方が良かったなあ。。
コンチェルトの後にピアノのアンコールがあり
2曲目のオンディーヌの素晴らしかったこと!

これは妖精の魔法でしょうか?
水面(みなも)を揺らし
さざ波が やがて泡立ち うずまき、煌めくさまを
目の当たりにしているよう。。







おそらく、今の辻井さんにラヴェルがピッタリ合っているのでしょう。
このホールは響き良くないことで有名ですが、それをものともしない演奏に
会場は大喝采!
私も彼の耳に届くように、手が痛くなるくらい拍手しました。



そして
後半の交響曲はパスして帰りました♪(←殴



















































nice!(11)  コメント(4)  トラックバック(0) 

nice! 11

コメント 4

M. L. Liu

こんにちは。 アメリカから~ 私は辻井伸行くんのファンです。
Please forgive me for not being able to write in Japanese.

This performance in the Orchard Hall has impressed a lot of people. I wish I was there. But thank you for sharing your impression. It is a nice present for Mr. Tsujii on his birthday!
by M. L. Liu (2014-09-14 01:25) 

Halumi

M.L.Liuさん♪
こんにちは!コメントをありがとうございます。
アメリカから辻井さんを応援していらっしゃるのですね。
私は辻井さんの生演奏を初めて聴きましたが、 心が洗われるようなピアノの音には本当に驚き、感動しました。
この日は辻井さんのお誕生日だったのですね! これから、ますます活躍されることでしょう。楽しみですね!
by Halumi (2014-09-14 22:30) 

ピアノフォルテ

ショパコンの時弾いてるのをネットで見ていて、目が見えないというのが信じられなかったです。
本当にご活躍で素晴らしいですよね!
だいぶ前に大阪の楽器店の企画で生辻井くんの演奏をパパと聴きましたが、素顔もとってもチャーミングな方でした。
最近はチケットが完売してしまうそうですね。
Halumiさん、ラッキーです!
by ピアノフォルテ (2014-09-19 16:21) 

Halumi

ピアノフォルテさん♪
辻井さんの感性の鋭さは、本当にすごいです。
見える者は知らず知らず楽譜などの視覚的なものにとらわれているのでしょうね。
by Halumi (2014-09-19 22:55) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0