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Andreas Staier(Bach Fest9)        [コンサートの記憶]

アンドレアス・シュタイアー チェンバロリサイタル
          ~旧帝国裁判所建物(ライプチヒ)~6月16日(土)20:00開演


(プログラム)
J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻より プレリュードとフーガ       
              C-Dur,BWV846・ c-moll,BWV847・Cis-Dur,BWV848・
               cis-moll,BWV849・ D-dur,BWV850・d-moll,BWV851
ゲオルク・ベーム:前奏曲、フーガ、後奏曲 in g
J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻より プレリュードとフーガ
         Es-Dur,BWV852・es-moll,BWV853

~pause~

J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻より  プレリュードとフーガ
         E-Dur,BWV854・ e-moll,BWV855
ヨハン・カスパール・フェルディナンド・フィッシャー:音楽のアリアドネ より
       プレリュードとフーガ in C、 in e、in E、in a、 in A、in d、in F
J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻より・プレリュードとフーガ
         F-Dur,BWV856・ f-moll,BWV857 




16日シュタイアー3 (1).JPG


J.S.バッハ(1685~1750)
G.ベーム (1661~1733)
J.C.F.フィッシャー(1656~1746)

ベームもフィッシャーもバッハより年上で、バッハに影響を与えた作曲家たち。
だから3人の作品は、続けて聴いても全く違和感なく
むしろお互いを引き立て合っているよう。

たとえば、プログラム前半で
バッハの平均律の間に1曲だけ挟まれたベームの曲は
たまたま家に寄った親戚の叔父さんが、ちょっとお茶飲んで話して行ったみたい。

後半はバッハ平均律2曲の後、フィッシャーが弾かれるが
「音楽のアリアドネ」は1曲が平均律よりもずっと短く
おおらかで明るい雰囲気なので、とてもリラックスして聴ける。
さらに平均律にとても良く似た旋律がそこかしこにあり親しみを持てる。


ところで「アリアドネ」について、ちょっと調べてみた。

・・アリアドネーという名は「とりわけて潔らかに聖い娘」を意味する。
  ギリシア神話の女神。
  ミノタウロス退治にクレタ島に来たテセウスに恋し
  彼に導きの糸を持たせて怪物を退治したあと迷宮から脱出できるようにしてやった。

  怪物退治に迷宮へ入るテセウスに脱出用の糸を与えたことから
  難問を解決する鍵を「アリアドネの糸」という。

  アリアドネーのフランス語読みはアリアーヌ、イタリア語はアリアンナ
  モンテヴェルディの『アリアンナの嘆き』(マドリガーレ集 第6巻)
  フランツ・ヨーゼフ・ハイドンのカンタータ『ナクソスのアリアンナ』
  リヒャルト・シュトラウスのオペラ『ナクソス島のアリアドネ』


そうか、シュタイアーはアリアドネの糸をたぐって
バッハの平均律の出自を解明してみせてくれたのだな。

平均律に馴染みがあるから、ついバッハを基準に考えてしまうけれど
実はバッハは先人のフィッシャーから影響を受けていた。
だからアリアドネが平均律に似ているのではなく、その逆なのだ。

ここへ来る前に、彼が何故このようなプログラムを組んだのか不思議で
かなり調べたのだけれど、
実際に演奏を聴いたら とても納得できた。
単に曲を並べるだけではない熟慮されたプログラム。
そこにはバッハへの思いと深い洞察力があった。




16日シュタイアー3 (2).JPG



音楽をする喜びに溢れたシュタイアーの演奏は
聴いていて本当に心地よかった。
所々に惜しい傷はあっても、それを感じさせない音楽づくりと潔い推進力!
やはり、プロはこうでなくちゃね。


16日シュタイアー.jpg



それにしても、重厚な建物と豪華絢爛な室内装飾。
まさに夢のようなひととき。。




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