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Rachmaninoff Op. 18         [コンサートの記憶]

東京都交響楽団 第990回定期演奏会
      ~サントリーホール


(出演)
指揮:アントニ・ヴィト
ピアノ:反田恭平
東京都交響楽団

(プログラム)
キラール:前奏曲とクリスマス・キャロル(1972)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調Op. 18
ペンデレツキ:交響曲第2番「クリスマス・シンフォニー」

(ソリスト・アンコール)
シューマン(リスト編曲):献呈









なんて豊かに鳴るピアノだろう!
ひとつひとつの
芳醇な音が響き合い
唯一無二のストーリーが描かれる。。


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前半の2曲目。
ステージ中央にピアノがセッティングされ
オーケストラが席に着く。

黒のスーツ姿の反田恭平さんを前に
指揮のアントニ・ヴィト氏が登場。

静寂の大ホール。
冒頭のピアノの和音。
テンポは前向き。
続いてオーケストラの波が押し寄せる。
コントラバスとともに
ピアノの低音が地鳴りのよう!

ラフマニノフならではの
情感のこもった
どこか物悲しい旋律を
時に きらびやかに
あるいは
歌詞が聞こえてくるかのように
印象的な抑揚で歌うピアノ。

そしてオケのソロが旋律をとると
ピアノは豊かな和声感で伴奏する。
その出し引きの見事なこと!

マエストロの鮮やかな指揮の下で
ピアノとオーケストラが呼応しあい
共にラフマニノフの世界を
創り上げていく!

第2楽章が静かに終結し
最後の余韻に浸る隙を与えず
マエストロの棒はアタッカ!
生き急いでしまうような第3楽章なのに
驚くほど息の長いフレーズを奏でるソリスト!
なんと魅力的なピアニズムだろう。。


広いロシアの大地
吹き渡る風
凍てつく森に
雪どけの光
そして
人々の息吹。。

壮大なストーリーが
縦横無尽に描かれる。

まさに至福のひととき。。




アンコールは
ピアノのソロなのに
歌とオーケストラの演奏のよう!
彩り豊かな音楽に
くぎづけ。。


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                (この写真はweb上からお借りしました)



反田恭平さんがSNSで
「マエストロはワルシャワの大先輩」
と書いていた。
とても意気投合したとか。
会話はポーランド語だったのでしょうか?
確かに、演奏も
お互いの心が通い合っていた。
まるで
同じ風景の中に
二人でたたずんでいるように。。


最近の反田さんは指揮者としても活躍中。
だから、楽譜の読み方も
ピアニスト時代とは違うのでしょう。
オケのことを良く把握していて
ピアノがオケの中に自然にとけ込んでいる。

私の席から
演奏中の反田さんが
指揮やオケとコンタクトを取るのが
とても良く見えた。
オケのソロパートと合わせる時は
必ずそちらを見ているのだ。
そしてお顔の表情の豊かなこと!
あまりにも幸せなフレーズを聴いた瞬間、
私は感激のあまり天を仰いだのだが、
反田さんを見ると
なんと極上の笑顔!
真剣勝負のコンチェルトでも
反田さんは
音楽の美しさに感動する
心の余裕を持っている。


加えてピアノの音の素晴らしさ!
反田さんのピアノの音色は
数年前と比べものにならないほど変化した。
ふくよかな響きの中に芯がある
つややかで美しい音色。
さまざまなタッチを駆使し
千変万化の表情を創り出す。。

ほんとうに
今まで聴いたことのない
すばらしいラフマ2だったよ♪♬


'23Dec反田1.jpg

            (この写真はweb上からお借りしました)



この日は協奏曲の前後にも演奏があり
どちらもポーランド人の現代作曲家の作品。

最初のキラールは「戦場のピアニスト」などの
映画音楽も手がけた人。
ざわざわとした弦楽器の震えの中で
4つのオーボエが呼び交わす。
不思議な夢のような作品。


最後のペンデレツキの作品のサブタイトルに
「クリスマス・シンフォニー」とあるが、
全編、不穏な雰囲気。
冒頭の方でごくわずかに聞こえた
「きよしこのよる」の断片。
それに寄り添った弦楽のハーモニーが
終わり近くで
再び、豊かに奏された時
思わず涙が。。

マエストロ・ヴィトが
ポーランドの心を深く理解して
それは見事に、的確に
そして
愛を込めてタクトを振った。
それに応えたオーケストラも
ほんとうに素晴らしかった。
そう、
私が今までこのオケを聴いた中で
最高だったよ♬♪



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             (この写真はweb上からお借りしました)





実は、この演奏会は全く圏外でw
この日の朝、
「当日券が出る」
という情報を知り
反田さんの演奏じゃ、取れるわけないでしょ~
と、ダメモトで販売サイトにアクセス。
そしたら
なんと、買えてしまった!!驚!!

あんなに反田さんの演奏会に行きたくて
先行抽選や先行販売に挑戦しても
全滅だったのに。
こんなこともあるんですね。




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ところで、この翌日。
何気なくつけたラジオから
魅力的なピアノが!
思わず最後まで聴いてしまった。
そして
アナウンスにビックリ!
「ピアノは反田恭平さんでした」
ブラームスのピアノコンチェルト。
先月のNDRエルプフィルのライブ録音だ!
しかも同じサントリーホール。
なんてラッキー♡
しかも、ラジオの「聞き逃し配信」で
最初からしっかり聴き直せて
なんてラッキー♡♡
思いがけないクリスマス・プレゼント☆



しかし、2日続けての反田さん。
呼ばれてるとしか思えませんw(え?









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