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Benelux(4)      [旅の空は]

子どもの頃、よく眺めていた大型の厚い美術書。
「世界の美術」といいうタイトルで、日本編と西洋編の2冊があった。
有名な絵画や美術品の写真で構成されていたが
「西洋」の中の一枚に羊が描かれたものがあった。
中央の四角い台を大勢の人が囲み、台の上には羊が立っている。
その時は、キリスト教で「羊」に大きな意味があることを知るよしもなかった。

大人になってから
画家ヤン・ファン・エイクが描いた祭壇画の中にその「羊」の絵があって
「神秘の子羊」と呼ばれていることを知る。
それは聖書の重要なキーワードだ、と教えてくれた人がいる。

いつか、あの祭壇画を見てみたい。。

私がこの旅を決めたのは、その思いがあったから。



ブルージュからゲントまでは60Km足らず。
バスを降りてすぐに聖バーフ大聖堂へ。

中に入ると「神秘の子羊」の祭壇画のレプリカの所に案内される。
料金を払ったツアーの人にガイドが説明をするための場所なので、撮影可。


祭壇画が閉じられた状態。

ゲント ヤン1.JPG



これを観音開きにすると

ゲント ヤン3.JPG





中央に「神秘の子羊」が現れる。

ゲント ヤン2.JPG




本当に細密に描き込まれてることに、改めて感動。
・・に浸っている時間はなく
いよいよ本物とご対面。
こちらは撮影不可!


暗い!!

しかも、水槽の中にすっぽり入っているように
周囲がガラスで仕切られているので
よく見えません~!!

その上、大混雑。
皆、解説用のレシーバーを耳にあてている。
その間をかいくぐって前に出て、何とか観ることができたけど
10分間!というツアーの決まりで
心臓バクバク。
子羊からピューっと出ている鮮血のように
私の目から涙が噴き出しそうになった(悲
ええい、泣いているばあいじゃない。
しっかり見届けて、
大急ぎでショップで買ったのがこの絵はがき。



ゲント ヤン4.jpg







・・14世紀のフランスとイギリスの「百年戦争」。
ジャンヌ・ダルクが処刑された前年に
国力を増していたブルゴーニュ公国の君主フィリップ善良公と
ポルトガル王女イザベラの婚礼が執り行われた。

この婚礼の2年前、
フィリップ善良公の宮廷画家であり侍従であったヤン・ファン・エイクは
王女イザベラの肖像画を描くためにポルトガルを訪れた。
写真がない時代に
「モデルの性格までも写し取る」といわれたエイクの肖像画が気に入られ
めでたく婚儀が整ったという。

その昔、画家や音楽家が政治的な任務を担っていたそうなので
エイクもそのような立場にあったのだろう。

その後、エイクはブルージュに居を構える。
彼の名声は広まり、宮廷の仕事の他に様々な依頼が来るようになる。
ゲントの聖バーフ大聖堂の祭壇画もそのひとつで1432年に完成させた。
この15世紀ネーデルラント最高の祭壇画は
16世紀に完成したゴシック様式の大聖堂にある。

大聖堂の内部と祭壇画は、2019年現在修復中。


出来上がると、こちらに飾られるそうだ。



ゲント ヤン5.jpg

もっと明るい状態で観られますように。。







後ろ髪を引かれつつ外に出て
しばらく歩いて振り向くと
聖バーフ教会が見送ってくれた。

ゲント1.JPG






かつてゲントは織物産業で栄えた。
河にかかる橋の上からながめた街。

ゲント2.JPG



今、立っている橋は 聖ミヒャエル橋。
私の大好きな大天使ミカエル!

ゲント3.JPG







街は昔の外観をそのまま保存してる。

ゲント4.JPG





でも、中にはいると実はこんなに現代的。
こちらはホテルとして使われている。


ゲント5.JPG





遊覧船のツアーもありますよ、とガイドのヘレンさん。
とってもステキなおばさま♡


ゲント6.JPG




キュベルドンというベルギーの名物。
果汁を固めた、甘い砂糖菓子。

ゲント7.JPG


ここではブドウ風味だけだったけど、ブリュッセルには様々な種類があった。





ツアーのバスまで戻るのに、徒歩では遠いのでトラムに乗った。

ゲント8.JPG


チケットを買ってもらい、皆で乗ったので大丈夫だったが
外国で知らない市電に、ひとりで乗るとしたら焦りまくるかも。





さて、次の観光はオウデナールデ。
ベルギーは自転車競技が盛んだが、その中心地。
ここで毎年、歴史ある競技が開催されている。

石畳の道を走るのは、外国人にはリスクがある。
だから慣れているベルギーの優勝が常なのだとか。



この国の、どの街にもあるマルクト広場。
その名の通り、市庁舎がそびえている。

オウテナールデ1.JPG







こちらが有名な自転車の博物館だが、この日は休館日。


オウデナールデ2.JPG





何故かヤンさまの「アルノルフィニ夫妻」がポスターに!


オウデナールデ3.JPG

実物はロンドン・ナショナルギャラリーにあります~。









こちらに来てからとても涼しく、曇りがちのお天気だったが
青空が広がってきた。


オウデナールデから.JPG




バスはブリュッセルへ向けて走る!























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