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Netherlands Bach Society     [コンサートの記憶]

佐藤俊介とオランダ・バッハ協会管弦楽団
              ~彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール

(出演)
佐藤俊介(ヴァイオリン/音楽監督)

オランダ・バッハ協会管弦楽団
 ヴァイオリン:アンネケ・ファンハーフテン、ピーテル・アフルティト
 ヴィオラ:フェムケ・ハウジンガ
 チェロ:ルシア・スヴァルツ
 コントラバス:ヘン・ゴールドソーベル
 チェンバロ:ディエゴ・アレス
 バスーン:ベニー・アガッシ
 フルート:マルテン・ロート
 オーボエ:エマ・ブラック 、 ヨンチョン・シン



(プログラム)
J. S. バッハ: 管弦楽組曲第1番 ハ長調 BWV 1066
ピゼンデル: ダンスの性格の模倣
J. S. バッハ: ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 ハ短調 BWV 1060R

J. S. バッハ: ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調 BWV 1042
ビュファルダン: 《5声の協奏曲 ホ短調》より 第2楽章
J. S. バッハ: ブランデンブルク協奏曲第5番 ニ長調 BWV 1050


(アンコール)
J. S. バッハ: 管弦楽組曲第2番 より 7. バディネリ
       管弦楽組曲第3番 より 2. エア






1パートほぼ一人という小編成なのに
なんと豊潤で優美なサウンドだろう!

歌詞が聞こえてきそうなフレージングは
鮮やかな物語を編み上げ
その展開を心躍らせながら聴く
極上の喜び。。




'19Oct佐藤俊介3.jpg




佐藤俊介さんが2018年にオランダ・バッハ協会の音楽監督に就任し、
その管弦楽団とともに初めての「来日」を果たしました。

1983年から音楽監督だったヨス・フェルトホーヴェン氏のもとで
コンサートマスターを務めてきた佐藤さんに次の音楽監督が任されたのは
音楽の方向性を同じくする事が最大の理由だったかもしれません。




聴き慣れた曲が「そうきたか~!」と演奏され、
語り口の斬新さに驚き、何度のけぞったかわかりませんw
裏切られて喜んでしまうなんて!

でもね、本当に説得力のある演奏なのは
全員が超絶上手いから!
まったく、
ライブならではの奏者同士のやりとりにドキドキしてしまう。

一人一人がそれぞれの曲の細部までを知り尽くしていて
全体を俯瞰しながら
でも、ものすごく情熱的に弾きまくるソリスト集団。

コンチェルトだからといって
ソリストにスポットが当たりすぎることは決してない。

年齢的に一番若い佐藤俊介さんが
このスゴイ集団に溶け込んで
ひとつの音楽を創り上げているのは
なんだか とっても誇らしい。




              (以下の写真はweb上からお借りしました)
'19Oct佐藤俊介4.jpg




ところで、前半の2曲目に演奏された
ピゼンデル「ダンスの性格の模倣」がとても楽しかった!
短い8曲が場面転換のように次々に演奏され
あっという間に終わってしまうのだけど
どれもルネサンスの踊りの音楽のように聞こえたのです。

ヴァイオリニストのピゼンデルはバッハと親交があり
イタリアへ赴いた際にはヴィヴァルディにヴァイオリンを習い
ドイツにその音楽を持ち帰ったのだそうです。

後半に演奏されたビュファルダンもバッハの兄を通して影響があった人。

そんなふうに、バッハの周辺の作曲家を紹介することで
バッハの立ち位置がとても立体的になる、という好感が持てるプログラム。

バッハ協会だからといってバッハだけ演奏しているわけではありません♬




この日は曲によって奏者が出入りし、楽器の配置も変化したのですが
ビュファルダンの曲はフルートと弦楽合奏・通奏低音で静かに演奏されました。

そして、続く「ブランデンブルク協奏曲」が同じ編成で始まった時にはビックリ!
「たった7人で?!」
いや、でも本当に全然オッケイなんです!!
7人で、ブランデン!

そして、その5番といえばアレですよ。
チェンバロ・ソロ!
これがまた すんばらしい即興でね~。

この管弦楽団の演奏は
どの曲も一つ一つのフレーズが丁寧に語られ
その上で緩急自在に動く音楽が躍動していくのだけれど
・・まるでジェットコースターのように!
チェンバロもそれを踏襲しての即興演奏。
ほんとうに聴き惚れました~♪♬





'19Oct佐藤俊介2.jpg




アンコールはフルートが活躍するバディネリで場内は大喜び!




そしてお別れは、この曲しかない!
管弦楽組曲第3番の「エア」。
(ヴァイオリン独奏に編曲された「G線上のアリア」として有名。
 この日はもちろんオリジナルの形での演奏された)



たんたんと奏される通奏低音。
やさしいハーモニーとヴァイオリンの歌。


夢のようなひとときを
ありがとう。。


(また来てね!)
























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