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Les Arts Florissants       [コンサートの記憶]

ウィリアム・クリスティ指揮
レザール・フロリサン
《メサイア》
       ~東京オペラシティ コンサートホール


(出演)
指揮:ウィリアム・クリスティ

ソプラノ:エマニュエル・デ・ネグリ、キャスリーン・ワトソン()
アルト:ティム・ミード
テノール:ジェームズ・ウェイ
バス:パドライク・ローワン

管弦楽&合唱:レザール・フロリサン


(プログラム)
ヘンデル:オラトリオ《メサイア》HWV56








豊潤なサウンドと
幸福感に満ちたメサイア!

マエストロが描く音楽を具現する
素晴らしい合唱と管弦楽
そして
情感あふれるソリスト達が繰り広げるドラマに
ドキドキが止まらない

これぞまさしくオラトリオ。。




'19Octレザールフロリサン1.jpg








キリスト降誕と受難そして復活の場面が
リアルに目の前で繰り広げられていく。
期待と喜び
祈りと祝祭。。

それらの場面を
管弦楽の柔らかでまるみのある音色が
すばらしいハーモニーで美しく彩り
物語の舵をとる。

そして
コンマスのヒロ・クロサキを筆頭にした
確かな技術のオーケストラメンバーは
ソリストのインプレッションに呼応した
自由自在な、それは見事な演奏!







                (以下の2枚の写真はweb上からお借りしました)

'19Octレザールフロリサン3 - コピー.jpg






ほんとうに、ウィリアム・クリスティの指揮はすごかった!
指揮棒を持たず、両手で様々なフォルムを描くのだけど
それが その瞬間の音楽すべてを表している。

時には優美に
そして時には大胆に
音楽はウィリアム・クリスティから発せられ
命ある生き物のように舞い踊る。

そして合唱の歌詞を全て歌っていて
歌い出しの子音を誰よりも先に発している。

だから 
それに導かれるクワイヤーの発音は素晴らしく明瞭で
物語に奥行きを与える。

ひとりひとりの個性を失うことなく
こんなに充実したバランスを保てる合唱は
まさしく驚異的!

オーケストラと同様、
曲によって音色まで変えてしまえるってスゴイ!




オラトリオ「メサイア」は1742年の初演から大成功で
ヘンデルはその後、何度も再演を繰り返した。
その時によってソリストや楽器が変わったそうで
今回演奏されたのはソプラノのソリスト2人なので1754年版でしょう。
こんなに昔の音楽なのに、全く古さを感じさせないというのはスゴイ!

そして、すばらしい奏者たちによる
今 ここでしか聴けない「メサイア」!
それは
なにものにも替え難い。。





終演後、喝采に応えてマエストロとソリスト達は何度もステージに。
クリスティは腕時計を見て、「もうおしまいね」という仕草をして
全員がステージからいなくなったのだけれど
拍手は鳴り止まず。



'19Octレザールフロリサン4.jpg


ついにウィリアム・クリスティが一人で登場して
最後の挨拶になったのでした。



そして!まさかのサイン会!!


'19Octレザールフロリサン2.jpg



祝辞の言葉に
「うん うん」
とにこやかに頷くウィリアム・クリスティ。


フランスにある、所有しているお城で
才能のある若い人を育成しているそうですが
そこでの指導は
恐らくとても厳しくて
でも、愛に溢れるものに違いありません。




































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