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Harpsichord ConcertⅡ         [コンサートの記憶]

バッハ:チェンバロ協奏曲全曲録音プロジェクト Vol. 2
                   ~ヤマハホール

J. S. バッハ

チェンバロ協奏曲 第4番 イ長調 BWV 1055
Allegro Largetto Allegro ma non tanto

チェンバロ協奏曲 第7番 ト短調 BWV 1058
Allegro Andante Allegro assai


チェンバロ協奏曲 第6番 ヘ長調 BWV 1057
Allegro Sndante Allegro assai

チェンバロ協奏曲 第3番 ニ長調 BWV 1054
Allegro Adagio e piano sempre Allegro

(アンコール)
即興演奏~チェンバロ協奏曲 第6番より第3楽章



指揮・チェンバロ:鈴木 優人

リコーダー:アンドレアス・ベーレン、水内謙一

管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン 
               ヴァイオリン:若松夏美cm・高田あずみ
               ヴィオラ:山口幸恵           
               チェロ:山本徹
               ヴィオローネ:西澤誠治





黒を基調にした

美しいシノワズリの楽器から

紋様とおなじ

金色の粒子がキラキラと舞い上がる!

それは命をあたえられ

いきいきと踊る

遠い昔に書き留められた音符たち。。







'19Julyチェンバロ協奏曲1.jpg

                       (この記事の写真はweb上からお借りしました)




昨年に続くバッハのチェンバロ協奏曲の全曲演奏会。

優人さんの神業的演奏は言わずもがな、
BCJとのあうんの呼吸はさすがっ!
本当にすっごいアンサンブル!!

特にベーレンさん&水内さんの
超絶ツインリコーダー最高!!






なんだか去年よりもずっと親密な感じ。
張り詰めた緊張感が払拭され
ともに音楽をする喜びが伝わってくる。

それは今回のラインナップの方が有名曲が多かったから?
いや、それもあるけど
アンドレアス・ベーレンさんの存在が大きいような気が。

ベーレンさんはリコーダーは超絶に上手いのはモチロン、
サックスでジャズもやってしまう方ですから
この日のリコーダーも
本当にのびのびとして、自由で
聴いていて幸せになれる、そんな音楽。

ベーレンさんは第6番、たった1曲のためだけに来日してくれたのだけれど
彼が存在していることがポジティブな場をつくり
アンサンブルに活気を与えていたのではないかしら?

作品に様々な解釈があるのは当然。
演奏も、また しかり。
作曲者の意図を充分に汲み取った上で
演奏する人の心が反映されたら、どんなにステキだろう。

演奏会はライブ!
アーティストの白熱したパフォーマンスを
耳で、身体でキャッチできた時、
それは まさに極上の喜び。



私は数年前のBCJクリスマスコンサート、そして
昨年のライプツィヒでのBCJのカンタータ演奏会でベーレンさんを聴いていて
もう、ファン以外のなにものでもありませんw


ベーレンさんの事ばかり書きまくりましたが
この日は優人さんのチェンバロ演奏が
それこそフルコースディナーのように聴けて
ほんとうに幸せだった♡

オルガンなどの鍵盤楽器の演奏はもちろん、
最近では指揮者としても大活躍の優人さん。
どれも素晴らしいのだけれど
やはり何と言っても
チェンバロを弾く優人さんが
私の中ではイチバンなのだな~♬♪☆♪





'19Julyチェンバロ協奏曲4.jpg




プログラム全曲が終わった時
客席の私たちは、それはもう せいいっぱい拍手をしました。
だって、優人さんが解説の時に
「拍手によっては(ベーレンさんが)もう1曲演奏してくれるかもしれません」
なんて言うものだからw



さあ、そのアンコール!

優人さんがひとりで登場してチェンバロを弾き始める。
バッハかな?
いや、これは即興演奏。
なんて美しい音色でしょう~。
優人さんがエビちゃん(チェンバロの愛称です)を弾くと
ほんとうに煌びやか。。

やがてベーレンさんが登場し
静かにリコーダーを奏ではじめる。
フォリアの世界で戯れるように。

ヴィオローネが加わり低音を支え
リコーダーは小鳥が羽ばたくように
くるくると愛らしい即興を披露する。

それが ふと 途切れた時

ヴィオラがバッハのモチーフを弾きながら登場する。
ヴァイオリンが
チェロが
そして客席から もう一つのリコーダーが登場し
全員で奏でるフーガの
なんと愉快なこと~♪♬♪
ああ、楽しかったなあ。。



そこで、要望~!
このアンコールは、CDのボーナストラックにしてほしい!!
優人さんのチェンバロ即興なんて、ホントに貴重です~♡






































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Collegium Musicale vol.4          [コンサートの記憶]

ヴィヴァルディとゼレンカ 18世紀の教会音楽
                ~日本福音ルーテル東京教会


(出演)
ソプラノ:藤崎美苗 澤江衣里
アルト:青木洋也
テノール:中嶋克彦
バリトン:加耒 徹

オーボエ:森 綾香 小野寺彩子
ヴァイオリン/ヴィオラ・ダ・モーレ:原田 陽
ヴァイオリン:池田梨枝子 廣末真也
ヴィオラ:廣海史帆
チェロ:懸田貴嗣
オルガン:山縣万里

(プログラム)
ヴィヴァルディ Antonio VIVALDI (1678-1741)
  ヴィオラ・ダ・モーレ協奏曲 ニ短調 RV393
  ニシ・ドミヌス「主が家を建てられるのでなければ」RV608

ゼレンカ Jan Dismas ZELENKA (1679-1745)
  「聖週間のための6つ哀歌」より ZWV 53 .
      聖木曜日の第一哀歌
     聖木曜日の第二哀歌
  天の女王、喜びませ ZWV 134
  マニフィカト ハ長調 ZWV 107

(アンコール)
ゼレンカ:アーメン(マニフィカトハ長調より)

 




アルトソロの甘美な歌声が
高く 低く
祈りの旋律を紡ぐ

たたみかけるように歌われる
劇的なシーン

緩やかに揺れる
ロマンティックなフレーズ

哀しみのモノローグはセピア色に
決意と諭し、そして許し

ほんとうに様々な感情が入り交じった音楽は
最後に
ヴィヴァルディが好んで使うフレーズが
風のように疾走し
旋回して舞い上がる!





'19July C.ムジカーレ1.jpg




この日のプログラムは
5人の声楽メンバーの、それぞれのソロと
ヴィオラ・ダモーレの協奏曲。

1曲目の青木洋也さんのアルトソロでノックアウトされw
後半は加耒徹さんのバリトンソロの芳醇な歌声で昇天~♡

加耒さんの歌はとても真摯で
心からの感情の発露がすばらしい。
それが、聴く人ひとりひとりの心にダイレクトに届く。
器楽のアンサンブルの中に すうっと溶け込んでいながら
ソロとしての表現を余すところなく聴かせてくれる。



精鋭の通奏低音を筆頭に、素晴らしい器楽奏者たち
そして細やかなアンサンブルの合唱よる
まさに心踊るプログラムを堪能。

ヴェネツィアのヴィヴァルディの許へ赴き
ともに音楽をしたというドイツのゼレンカ。
ふたりの作品は兄弟のように似ているから
一夜で聴けたのは本当に嬉しい。



終曲の「アーメン・コーラス」がアンコールで再び演奏される。

アルトが歌い出すフレーズが
次々に受け渡される
まろやかなフーガ

帰り道は
それが エンドレスでぐるぐる・・

なんて幸せな夜!












青木洋也さんのソロは私が今まで聴いた中で
いちばん よかった!!
なので、以下この曲の自分のためのメモ♪

(歌唱はもちろん、作品がとてもドラマティックで感動。
しかし当日配られた対訳はサブタイトルがなく、一連の詩のように記載されていたので
初めて聴く私は戸惑ってしまったのでw)



ヴィヴァルディ『ニシ・ドミヌス Nisi Dominus』(RV608)
   旧約聖書「詩篇(詩編)」第127篇に基づく作品

曲名は「主でなければ」の意。
該当する詩篇の内容から邦題は「主が家を建てられるのでなければ」とされる。

1. Nisi Dominus (Allegro) 主が家を建てられるのでなければ
2. Vanum est vobis (Largo) あなたがたが早く起きるのも
3. Surgite (Presto) 苦しみのパンを食うものよ
4. Cum dederit (Andante) 主は愛するものに眠りを与えたもう
5. Sicut sagittae (Allegro) 力のある者たちの子らは
6. Beatus vir (Andante) 幸いなるかな
7. Gloria Patri (Larghetto) 栄光が父と子と精霊に
8. Sicut erat in principio (Allegro) 初めにそうであったように
9. Amen (Allegro) アーメン






























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VIENNA ON THE PATH TO MODERNISM   [アートに逢いに]

ウィーン・モダン展
      ~国立新美術館



'19Julyウィーンモダン展1.jpg



ハプスブルク家の終演から
世紀末への美術史を紐解いた
興味深い展示の数々。

絵画のみならず
工芸品、建築、服飾など
その時代のウィーンの空気が直に伝わってくる。
音楽、演劇にも言及し
文化の遺産を俯瞰する。










けれども
やはりクリムトは唯一無二!!



'19Julyウィーンモダン展2.jpg




この「エミーリエ・フレーゲの肖像」は
唯一 写真撮影が許可されていました。

朝一番で入場したので、こんなふうに
どの作品も、自分との間に遮るものがなく
じっくり対峙することができました。


しかし、芸術文化の全てを網羅しようとすると
広く浅くなってしまうのは否めず
私などは音楽に関してはナマニエ感がw

でもね
先だっての上野の「クリムト展」が
歴史の中でどういう位置づけだったかが解ったのは確か。







































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成田千本桜        [カーテン・コールの後に]

七月大歌舞伎 通し狂言 星合世十三團
               ~歌舞伎座

成田千本桜
市川海老蔵十三役早替り宙乗り相勤め申し候




'19July歌舞伎1.jpg



久々の歌舞伎座。
海老蔵の十三役早替り素晴らしかった !!!

6時間という長尺(休憩含とはいえ)
ほぼ出ずっぱりで立廻りに宙乗りという大活躍。
立ち姿は見目麗しく
これぞまさに千両役者!

壮絶な荒事は言うまでもなく
細やかな感情表現に心を打たれる。
そして狐忠信の仕草の可愛らしかったこと!

幕切れ
滝のように降り注ぐ 薄紅色の桜の花びらの下
正座して礼を述べる海老蔵に
満場の喝采が。。







'19July歌舞伎2.jpg




それにしても
歌舞伎役者の身体能力の凄さには驚愕!
重い衣装を着けての立ち回りはもちろん、
同じ姿勢で長い間 静止していられるのは
相当な訓練が必要でしょう。
やはり、幼い頃からの芸事の
厳しい修行があってこそ。
それによって肉体は言うに及ばず、
精神もしっかりと鍛えられるに違いない。



ところで
歌舞伎の公演は昼と夜が別演目で
それが約一ヶ月続く。
役者さん達、生演奏の奏者さん達は
ほぼ全員が両方に出演しているのだ!
そして裏方さん達も!
本当に凄いなあ。。







そんなシビアな舞台を
観客の私たちは幕間にお弁当を頂いたりと
のんきに鑑賞いたしました。
だって、最初にエビさまが
「どうぞ ゆるゆると ご覧下さい」
って言ってくれたよw





















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An Evening of Festive Concertos    [コンサートの記憶]



調布国際音楽祭2019

華麗なる協奏曲の夕べ
        ~調布市グリーンホール 大ホール

(出演)
指揮・チェンバロ:鈴木雅明
ヴァイオリン:寺神戸 亮・山口幸恵・木村理恵
チェロ:懸田貴嗣
オーボエ:三宮正満
オルガン:鈴木優人
管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン

(プログラム)
ヘンデル:合奏協奏曲第6番 ト短調 作品6-6 HWV 324
ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリンとチェロのための合奏協奏曲 ニ短調
        RV 565(「調和の霊感」作品3より)
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲「夏」ト短調 RV 315(「四季」より)

J. S. バッハ:ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 ハ短調 BWV 1060
ヘンデル:オルガン協奏曲第5番 ヘ長調 作品4-5 HWV 293
J. S. バッハ:管弦楽組曲第4番 ニ長調 BWV 1069(初期稿)








タイトル通りの
まさに華やかな演奏のオンパレード!

三宮さんの歌うオーボエ
優人さんの愛くるしいオルガン
懸田さんのコントラストのあるチェロ等々
超凄いソロの連続!!




'19June調布1.jpg


チェンバロとチェロ奏者以外は全員が立奏。
中央に置かれたチェンバロを囲んで
曲によって立ち位置が変わる。

緊張感の中にも余裕ある演奏は
音楽をする悦びが伝わってきて
聴く者を本当に楽しませてくれる。

ことのほか印象に残ったのは
ソロ以外でも全曲で演奏した懸田さんのチェロ。
全体を支え、運んでいくパワーとともに
陰になり日向になりと絶妙な働きが
音楽に奥行きを与え、立体的に見せてくれた。

ほんとうに
どの瞬間もステキだったけれど
全員で偽終止にキレイに飛び込む時はゾクゾクしたな。


器楽のみのBCJを聴く機会は少ないので
改めて管弦楽の達者な演奏に感動~。








この日は調布国際音楽祭2019のグランド・フィナーレ。
優人さんがエグゼクティブ・プロデューサーをしているこの催しは
今年で七年目になるそうです。
毎年すばらしい演奏家による沢山のコンサートが開かれ大盛況ですが
こんなふうにプロデューサー自らグッズの販売をしているw
手作り感満載なところが魅力ですね♬♪


'19June調布2.jpg








































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