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BASSO CONTINVO      [語られる音たち]

コンティヌオ・ギルド「あなたを伴奏いたします」
               ~千駄ヶ谷 3F音楽室


'19Octコンティヌオギルド2.jpg


(解説)坂本龍右
(実演)コンティヌオ・ギルド 
      チェンバロ:山縣万里
      テオルボ・リュート:坂本龍右
      チェロ:高橋弘治



コンティヌオ・ギルド(通奏低音組合)のメインの活動はコンサートですが
受講生を募り、演奏の伴奏をするというアウトリーチも行っています。

毎回お題が変わるようですが、今回は「オスティナート」。

演奏の前に坂本龍右さんの解説がありました。
これがとても上手で楽しく、自分もすぐにオスティナートが弾けるような錯覚に!

オスティナートというのは簡単に言えば循環コードのようなもので
伴奏者はある決まったパターンを繰り返します。
サイズに決まりはないので、場つなぎや次に演奏される曲の雰囲気作りが可能。
しかし、装飾や変奏を加えるとはいえ
通奏低音の演奏者の本音は「飽きる」ですって(笑)。


当日 配布された「今すぐ使える!オスティナート虎の巻」には
様々な地域や時代のオスティナートが載っていいます。
チャッコーナ・ベルガマスカ・パッサカリア・フォリアなどなど。
それが一通り解説(演奏を交えて)された後、受講生の演奏になりました。





'19Octコンティヌオギルド1.jpg


私は受講生の方たちのリコーダーと歌を聴講。
決まったメロディーに通奏低音組合のメンバーが
様々な変化を盛り込んだ伴奏をつけていきます。

伴奏が変わると、受講生の気持ちが刺激されて
旋律の表情が変化するのが聴いていてとても楽しい。

そして、受講生同士のアンサンブル。
坂本さんが次々にアイデアを提案して
即興演奏が形になっていく様子がとても面白かった!
























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PLUS BAROQUE        [語られる音たち]

バロック・ピアニストへの道

大塚直哉先生のセミナー。
編著されたバロック音楽の楽譜について。


'19June大塚2.jpg



普段は二次元の楽譜から音楽を作るが
3D(ダンス)で身体を使い、拍子とリズムから読み解くと、
生き生きと躍動感のある演奏になる!

ということで「拍の感じ方」を体験。
基本は
プリエ=膝を曲げる
エルヴェ=伸び上がる→これが1拍目。

メヌエットやガヴォットなど、それぞれの舞曲には
決まり事として「ステップのまとまり」がある。
2拍目を大事にするところもある。

ヘミオラの拍子感に気をつける。
小さな歯車がヘミオラの時に大きな歯車になる、という解説に納得!
だからテンポを変えずに演奏する←ダンサーが踊れるように。

いくつかの舞曲についての大まかな説明があったが
バッハの舞曲は例外だらけなので、ダンスをするのは難しいとのこと。

この楽譜集はかわいいイラスト満載。
ナイスなキャラクターたちのダンスのフォームが
バッチリ描かれていて、楽しく勉強できそう!
なんとパラパラ漫画まであるよw







ところで、チェンバロの語源はシンバルなのだとか!
キラキラした音が出るから、ということでナルホド~。

本日の楽器は
久保田さんが工房から運んで来た二段鍵盤のチェンバロでした♬♪


'19Jun大塚1.jpg



























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ロベルタ・マメリ マスタークラス 2018 [語られる音たち]

チェンバロ・リュートとともにバロックを歌う
             ~えびらホール



マメリ先生がお手本を歌うと
最初のひと声で場面の色彩が現れ
その曲の世界に入り込む

先日のリサイタルが思い出されて再び感動。。




'18NovマメリMC2.jpg





バロック曲独唱のレッスンを聴講しました。

去年はアンサンブルのレッスンでしたが、今年は独唱だったので
呼吸、発声から歌詞の発音、フレージング等、とても細かく丁寧なご指導を間近に見られて
本当に勉強になりました。

真剣なレッスンだけれど、陽気で気さくなマメリ先生。
受講生がちょっとでも向上すると
「ブラーバ!」
「モルト ベーネ!」
「ブラビッシモ!!」
と、すかさず誉めてくれるので
こちらも嬉しくなってしまします♡

惜しまれるのは、通訳が全て訳してくれなかったこと。
細かく訳さなくても大丈夫という前提だったのでしょうか?

しかし、外国語は難しいですね。
受講生の皆さんはとてもお上手に発音されていましたが
マメリ先生は
「イタリア語と日本語が混ざってる」
と仰っていました(Oh!




(以下、自分のためのメモ)レッスンは2日間でしたが部分的に聴講しました。

・常に身体が開いている状態で立つ。しなやかに。
 誰かに押されてもゆるがない。全て準備されている。
 肩を上げない。手はリラックス。

・その状態で、頭の後ろから到達した音が前へ向かっていくように歌い出す。
 声は常に斜め上をめざす。

・お腹の周りを柔らかくする。
 →受講生が歌っている最中に先生が手でお腹をもみほぐしてあげていた。
  先生が歌っている時のお腹の状態を受講生に触らせて確認させていた。

・お腹を固くすると声に影響する(震えるなど)ので気を付ける。

・Pとfは空気の圧が同じ。

・音程によって母音が変わってしまわないように音階(音3つでもOK)でゆっくり練習する。
 母音は常に「前」にあること。

・跳躍の時、低い音を歌う時も高い音を歌うポジションで。

・モンテヴェルディの時代はテキストが大事。
 イタリア語を読んだ時の抑揚が、そのまま音楽になっている。
 言葉の方向性。
 楽譜にかかれている音符よりも自由に歌う。

・メリスマは大事な音に重さを乗せる(もたれかかる)。
 どこに方向性を持って向かっているか。

・自分がやりたいことを解って、それを人に伝える。

・自分の出来る、最高のことをやろうと思うこと。



























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自分で見つける音楽 Vol.6 [語られる音たち]

小曽根 真ワークショップ「自分で見つける音楽 Vol.6」
               ~東京文化会館 小ホール



'18Sep OZ1.jpg





「こんにちは!」
良く通る声が客席の後ろから聞こえる。
フリーハンドマイクの小曽根さんが、お客さんに挨拶しながらステージに向かっていく。
登場しただけで、みんなが幸せな気持ちになるってスゴイ!

まずは一曲。
ポリフォニーの音楽が、やがて「枯葉」になっていく。

こうして小曽根さんのワークショップが始まった。
今まで音楽以外の事にも触れてきたけれど、今回は音楽に集中するということで
去年、どうしても来られなかった私(それまではずっと出席!)は大喜び。

以下、自分のためのメモ


*芸術は生きている事を思い出させてくれる
  音楽という言語をどれくらい理解しているかで楽しみ方が変わる

*アーティストがどのように思いを伝えるか
  アーティストが送信したものをオーディエンスが取りに行く→受信する感性を信じる
  オーディエンスが発する空気を感じる。演奏によって、その空気がどう動くか。

*自分の中の四分音符を信じる
  ゆるぎない拍子感を持つこと(グルーヴ)→その上でアドリブをする

*心身をニュートラルにする方法
  自分の音を聴く 自分に集中する 出したい音をイメージする
  演奏前に息をはく

  コンサートは予期せぬことが起こりやすい(集中したい時に雑音がするなど)
   →どんどん後ろに捨てていく(なかった事にする!)

*クラシック音楽でも、演奏者の感情を表現したい
   →作曲家がかいたもの以外は表現すべきではない、という考えと相反するが、
    それは現代の大事な芸術論。
    感覚は主観なので、様々な考えがあって良いが、
    歴史や伝統があると型が出来てしまう。それはとても恐いこと。
    
*自分を信じよう、と もう一度思い出させてくれるのが芸術
  自分が信じているものはこれ、と言えることが大事!







ジャズピアニストの小曽根さんがクラシックを弾くことに眉をひそめる向きも多いという。
実際、演奏が終わった直後にブーイングが飛んだことも。
でもその時は同じくらいのブラボーも!!
それほど人の感覚はさまざま。

小曽根さんの親友でピアニストの清水和音さんが
「デタラメだけど凄く良かったよ!」
と小曽根さんが弾いたモーツァルトを誉めてくれた時、とても安堵したという。

ボーダレス な思いが込められた小曽根さんの曲「ミラー・サークル」を最後に。

エキゾチックなパッセージと明るい場面が交差し
終わりの静かな響きが消えるまで
耳をすます。。




'18Sep OZ2.JPG








客席から出てピアノを演奏した二人と一緒に弾いたり、丁寧にアドバイスしたり
いくつもの質問に真摯に答えながらの密度の濃い時間でした。

それにしても、小曽根さんのピアノは ものすごい説得力!
「ピアノの鍵盤をひとつだけ弾くと、鳴るのは一つの音。
でも、それに続けてもう一つ弾くと、そこに音楽が生まれる」
「最初と同じ音から、今度は別の音へ。そうすると聴いている人の気持ちが動く」

そんなふうに、ごくシンプルな音を弾いてくれただけで
本当に気持ちが動いてしまう。
これはね、ピアノと音楽を深く愛して、知り尽くしているから出来るんだよ。

またいつか、心が動くピアノが聴けますように!





































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生誕333       [語られる音たち]

いま、バッハを語ろう   
      ~代官山 蔦屋  


加藤浩子さん(音楽評論家)の新刊「バッハ」出版記念トーク・イベント。
ゲストは鈴木優人さん。

加藤さんの著書は、加藤さんの深い音楽的知性に基づいて
バッハが住んでいた街や村を実際に訪ねた様子、
そして、そこで感じた事や新たな発見を盛り込んで
等身大のバッハを描き出しています。



さて、加藤さんが旅先で撮影した写真や動画を
スクリーンに投影しつつ対談し始めたのですが、
なかなか思い通りの写真が出て来ません。
そこで、優人さんが「なんなら僕がやります!」
と、スタッフからノートパソコンを奪い取りましたw
これでスムーズに写真が出てくるようになり、トーク再開です~。

オルガニストでもある優人さんは、様々なパイプオルガンを弾いた経験があるので
専門的な知識とともに、楽しいエピソードを紹介してくれました。

例えばリューベックのマリエン教会は
オルガン席がとても高い所(ビルの6階くらい)にあります。
階段を昇ってようやく着いた!と思ったら
何やら桶のようなものがあり、ロープが付いています。
聞くところによると、それはオルガニストのための忘れ物回収機なのですって。
つまり、オルガン席に着いて「あっ楽譜を忘れた!」と気付いた時
階段を駆け下りて、また登っていてはミサに間に合わないかもしれません。
そこで、下にいる家族とか友人に
「○○を入れて~!」と言ってロープ付きの桶を降ろすのです。
忘れ物が入った桶は、ロープでするすると引き上げられ
無事に演奏が出来るというもの。

これが加藤さん撮影の、オルガン演奏中の動画とともに語られるので、本当に面白かった~♬
ちなみに、動画の音声がスピーカーから出ないのを察知した優人さん、
即座にPCにトーク用マイクをくっつけて、客席にも聞こえるようにしてくれました。さすがー!

ところで
「お父上とご一緒に音楽をされていて、ぶつかる事はありませんか?」
という加藤さんの質問。
「ぶつかることはしょっちゅうです。ただ、他人とぶつかると後が大変ですが、
家族だと翌日にはすっかり忘れて並んでアイスクリームを食べていたりします」
あああ、ホントに鈴木家はバッハ家と良く似ているかも。
「バッハは20人の子持ちでしたが、僕はひとりっ子ですから~」
そうか、
才能が全て集約されたのですねっ!
お話しは尽きませんが、これからバッハ同様、作曲も含めてますますご活躍くださいませ~。
何しろバッハの作品数は膨大です。優人さんも後世に残る名曲を、ぜひ!



加藤さんの本は、書き込みなどしてヨレてしまったので
新しいのを購入してサインしていただきました。

'18Julyつたや.JPG





先日、優人さんがラジオの「古楽の楽しみ」で管弦楽組曲第3番を紹介して

「祝い事のような特別な機会に、屋外やホールのような広い空間で演奏されたと考えられる。
ライプツィヒの街の晴れやかな場所に思いを馳せながら聴いてみたい。」

と言った時、あの街の空気がふわっと伝わってきて感激しました。

それと同時に、加藤さんが旅を続けるのは、
バッハが存在していた証へのオマージュなのかも、と思ったのでした。














(自分用メモ)
・賛美歌の息つぎ(フェルマータのマーク)のところにバッハは北ドイツでブクステフーデのオルガンを聴いて来た後、即興で不協和音を入れていた。(聴いた音楽がかなり斬新だったもよう。)
(コープマン先生がフェルマータの件について質問を受け、そこはあまり長い間(ま)はとらない。間をとって伴奏者が即興することも出来ると答えていた。←それが良いのか悪いのかは時間が押していて不明)

・バッハを器楽で演奏する時→BCJの若松さんが「ヴァイオリン(楽器)が鳴るように弾いてもダメ」と言っておられた。
そのことから↓↓
・バッハは音楽の本質を求めている。
 カノンに集約できる、深い信仰に基づき普遍的・根源的なものが楽譜から感じられる。








・このお店の印象、かなり悪し。客を待たせても平気だったり、客が何を求めているのか察知できない。掃除が行き届いていない。(最近、ウツワはカッコ良く作ったけど「人」が機能していないという場面が多いなあ)
 



そんな事が続いていたので
この日、駅近くで入ったコーヒーショップでの接客がステキで感動~!
自家製ハチミツレモンのパンケーキもホントに美味しかった♡


'18Julyつたや2.jpg



























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バロック音楽談義     [語られる音たち]

トン・コープマンのバロック音楽談義 vol.2
           ~ミューザ川崎



ホールに入ると、あれ?どこかで見たことのある楽器が。。


'18Julyトン・コープマン1.jpg



というか、間違えようがない!
これは優人さん家のチェンバロ・エビちゃんです~。
(中に海老の絵が描かれているための愛称)
しかし何故ここに??

後でわかったのですが、トン・コープマン先生はこのチェンバロがとても気に入っていて
日本で演奏する時はご指名なのだそうです。
さすが、エビちゃん。人気ありますねー♡




前半は通奏低音と音楽修辞学についての講義。
通訳は大塚直哉先生です。
コープマン先生は饒舌で、時々暴走するので
大塚先生は苦笑いしながら、
でも全て的確に通訳して下さいました。



'18Julyトン・コープマン2.jpg



前半の講義内容を後半のマスタークラスで実践です。

チェンバロを弾き、歌い、身体中で音楽を表現して表情豊かな演奏を導き出す。
「大切なのは音楽によるコミュニケーション!」
と仰るコープマン先生は音楽に命を与えているよう。

ライプツィヒで聴いたカンタータの源泉はこれだ!!
と納得したのでした。


それにしても
鈴木家のチェンバロを、他の人が弾くのを初めて聞きましたが
音が違うことにビックリしました~。

特にコープマン先生ときたら
「チェンバロはこういうふうに たたいて弾いちゃダメだよ!」
と、ダメなお手本を大げさにやるのでヒヤヒヤしましたよ。
(あー、優人さんにナイショねw)




























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歌よ、響け、高らかに       [語られる音たち]

ペンテコステ(精霊降臨)記念  第10回音楽講演会
                      ~東京恩寵教会

講演:鈴木雅明

J.S.バッハ カンタータ BWV172 Erschallet,Ihr Lieder,Erklinget,Ihr Saiten!


'18Mayカンタータ解説.jpg





バッハが1714年にペンデコステ(精霊降臨)の礼拝のためにかいた
カンタータBWV172の解説を聞きました。
その成立から
合唱、アリアなど全6曲の楽曲分析まで
大変詳しい、またユーモアを交えてのお話しでした。

スクリーンに年表、要点、そして楽譜を映しだし
もちろん、音楽も聴かせて下さるので
とても解りやすく、理解を深めることができました。

歌詞の意味を生かす曲づくり、
楽曲全体がシンメトリーになっている構造、
「銀の透かし模様のよう」と讃えられた対位法。。

鈴木雅明氏の溢れ出す知性に触れた、とても有意義な時間でした。

さらに、賛美歌の伴奏までして下さって
もう感激!
手鍵盤だけの小ぶりなオルガンでしたが
世界的なオルガニストが奏でる賛美歌は
とても重厚に響きました。




ところで、冒頭の華やかな合唱曲は
1714年の初演時にはCdur(ハ長調)でかかれていたのに
1724年の再演時にDdur(ニ長調)に移調されています。
調にこだわりを持つバッハだったのに何故??!

・・この翌々日。
優人さんの「古楽の楽しみ」は
「ナチュラル・トランペットの魅力」のお話しでした。

その中に、こんな解説が。
「ナチュラル・トランペットはニ長調が大好き!
バロック時代、一番楽に鳴らせるのがD管だった」

おおっ
バッハがBWV172をCdurからDdurに移調したのは、
この辺りにヒントがあるのかも?!

さて、真意のほどは?
























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Madrigale      [語られる音たち]


ロベルタ・マメリ スペシャルワークショップ
                 ~えびらホール


今年はモンテヴェルディ生誕450年記念 ということで様々な演奏会が開かれていますが
私の大好きなソプラノ歌手のロベルタ・マメリがワークショップをするというので
3日間のうちの最終日を聞いてきました。

5声のマドリガーレ2曲のレッスン。

Ah! dolente partita(SSATB、マドリガーレ集第4巻)
Cruda Amarilli(SSATB、マドリガーレ集第4巻)

2曲目の第1ソプラノをマメリ先生が歌って下さって、超絶ステキでした!!
彼女の歌を聴いて、いつも思うのは
まったくの自然体なのに、何故あんなに強くて艶のある声が出るのだろう~?ということ。
普通にしゃべるように歌えるって凄い!



'17Octマメリ1.png



↑↑このような美貌のマメリ先生ですが、ものすごくエネルギッシュ!(チラシの写真です)
すごいスピードのイタリア語でお話しされて、
歌いながらビシビシ指示を出されてました。


(以下、自分のためのメモ)

・器楽の伴奏がない場合は自分たちで音を決めて良い。歌いやすい場所で歌う
 →A=440Hzにこだわらない。

・必ず他のパートの勉強もすること。
 そして、自分が正しい音で歌っていると他のパートも聞こえてくる。

・歌う前に声に出して歌詞を読む。→言葉のイントネーションを確かめる。
 (言葉が先に書かれ、それが音楽になっているから)

・パートどうしが同時に歌う箇所を最初に譜面上で確かめる。

・歌詞の意味を表現する。リズムの形に意味のあるものが出てくる。

・モンテヴェルディは振り子のように定まったテンポがある。

・下腹の支え。



'17Octマメリ2.jpg




ロベルタ・マメリが歌うモンテヴェルディは
旋律が空中で弧を描く
まるで鳥の羽のように!

あでやかで、色気のある音楽は
無重力のように見えるけれど
実は鋼のように強靱

それは まるで彼女の生き方のように。。





















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Barry Snyder Super Lessons 2017     [語られる音たち]

バリー・スナイダー スーパーレッスン
           ~B-Tech Japan



"How you can create 'magical moments in music?"

どのようにして
聴き手が 「ときめく」
聴き手の「心に届く」音楽を 生み出すことができるか?


東京講演:曲がもつ"Character(キャラクター)"について


'17Mayバリー・スナイダー2.jpg




バリー・スナイダー氏は米国イーストマン音楽院の教授です。
かなり前のことになるけれど
小曽根真さんがクラシックを勉強しに行ったのがイーストマン音楽院。
そこで小曽根さんを教えたのがスナイダー先生でした。
その先生が日本に来てマスタークラスをして下さるということを知ったのは10日ほど前。
講義内容の曲目を見ると
なんとっ!その殆どが私のレパートリーではないですか!!
これは、私に「来い」という事ですね!
もちろん、行きますとも!




この日は先生の講義と、1名の方のレッスンを聴講しました。

スナイダー先生は大柄で、アメリカ人らしくフランクで明るい感じの方。
もしかしてピアノをガンガン鳴らす人?という予想は
モーツァルトの最初の1音で 見事に覆されました!

一つ一つの音を大切に、いつくしむように弾かれるピアノ。
とても繊細で優美なモーツァルトに、我を忘れて聴き入りました。

そして、シューマン、ドビュッシー、ラフマニノフ と
それぞれの曲の表現のポイントが語られます。

音の聴き方、和声学、手のフォーム、脱力、ペダル・・

そこには、私が理想とする音楽がありました!

そしてレッスンでは、表現するための必要なテクニックをアドバイス。
先生の楽曲の解釈を押しつけるのではなく、
受講生の解釈を最大限に生かせるようにする、素晴らしいレッスンでした。






'17Mayバリー・スナイダー3.jpg




スナイダー先生が最後に弾いて下さったショパンのマズルカ。

その音色は
心の深いところにしみこんで
柔らかい灯りのように
いつまでも
あたたかく照らしてくれることでしょう。。。




















Where do we go from here?       [語られる音たち]

小曽根真ワークショップ「自分で見つける音楽」Vol.4
                ~東京文化会館 小ホール


「こんばんは」
少し関西なまりの挨拶が聞こえて、客席の後ろの扉から小曽根さんが登場する。

拍手が波のように広がる。
振り返った笑顔、笑顔。。

もう、これだけで皆の気持ちはあたたかくなる。
これから始まる幸せな時間が約束されたのだから!


小曽根さんはステージに上るとすぐにピアノにむかう。

ひとつ、鳴らされた和音
それを上へ下へとうつしていく
響きがバルトークに似ているね
それがいつのまにか3拍子になる
羽が生えたように軽やかなジャズワルツ
音の1つ1つが本当に綺麗!
そして
どこまでも自由で生き生きとしていて。。

♪ フェアリー・ダンス(小曽根真)



そして音楽についてのお話の始まりです。
毎週のラジオ番組が終わってしまってから、小曽根さんのお話を聞く機会が減ってしまったので
時間をたくさん延長してお話をしてくれて本当に嬉しかったなあ。


小曽根さんが弾くピアノの残響音を聴き、
リハモナイズに感動し、
クラップしながら拍の変化を目の当たりにするうちに
もう何でも出来る気になってしまう!
演奏だけじゃなく、なにもかも[ムード]
まさに小曽根マジック☆


そうそう、小曽根さんがピアノを始めるきっかけになった曲も演奏してくれました。

♪ クバノ・チャント(レイ・ブライアント)

これは小曽根さんがオスカー・ピーターソンの演奏で聴き、とても感動したものだそうです。

そうして、私がこの日一番心に残ったお話は

「アート(音楽や絵画など)にふれることによって
 自分が生きている実感を持てること。
 自分の中にある感覚をもういちど思い出させてくれるのが
 本物のアート」



質問をつのると、たくさんの手が挙がります。
それに丁寧に答える小曽根さん。
その上、もうすぐ本番をむかえるバルトークの協奏曲がいかに大変かも語ってしまうw
あ、それで(いまさらですが)
最初の曲のイントロがベーラだったのね。(←バルトークの名前デス
あの方のポリフォニーなところ、ハマるとステキにきこえてくるタイプですね?





そして語られたピアノの響きのこと。

弾く前に どんな音を出したいか イメージすることの 大切さ。
残響音を聴きつづけることの大切さ。

そうやって音に対して愛情を持っているから
小曽根さんのピアノはステキに鳴るのだ。。


♪ Where do we go from here?(小曽根真)


私の心にダイレクトに飛び込んで来る音楽
とめどなく涙があふれる。。



混迷を極める世界の中で
自分は どう生きるのか?
内面に問いかけつつも
希望を捨てずに
しっかりと明日を見つめていこうという
力強いメッセージ


教会終止で終わる最後の響きを
満場のホールの全ての人が
しいん。。として
聴き続けた

柔らかくうねる倍音が
空気に溶けてしまい

小曽根さんが
ほおっと息をはくまで

静まりかえったホールが
幸せな気持ちでいっぱいに満たされたのです。


そして
喝采!





'16SptOZ.jpg








































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