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Mao Piano Recital      [コンサートの記憶]

藤田真央ピアノ・リサイタル
      ~サントリーホール

(プログラム)
ショパン:
ポロネーズ第1番嬰ハ短調Op. 26-1
ポロネーズ第2番変ホ短調Op. 26-2
ポロネーズ第3番イ長調Op. 40-1「軍隊」
ポロネーズ第4番ハ短調Op. 40-2
ポロネーズ第5番嬰ヘ短調Op. 44
ポロネーズ第6番変イ長調Op. 53「英雄」
ポロネーズ第7番変イ長調Op. 61「幻想」

リスト:ピアノ・ソナタロ短調S. 178

(アンコール)
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調Op. 1
チャイコフスキー:18の小品Op. 72より 第17曲変ホ長調「遠い昔」



'23Oct真央1.jpg


美しい抑揚で歌うポロネーズ。
1~7番通して初めて解る、
ショパンの真意の見事な表現に感動。。
間合いを取らず、次々に演奏された7曲は
まるで、ひとつの作品のよう。

ポロネーズは
飛び抜けて有名な6番「英雄」など
単独で弾かれることが多く
なぜ通して弾くのか不思議だったが、
聴いてみると
もしかしたらショパンは
通して弾くことを想定して書いたのでは?
と思うくらい!

特に、怨念とも思えるような曲想の5番から
「英雄」で華やかに弾けたエネルギー!
そして、アタッカで奏された「幻想」。
・・心の揺れ、時のはざま。。

そんな流れを
藤田真央さんのピアノは
柔らかな音色で
大切に表現していた。





その穏やかな空間が一変した
後半のリスト!

天使と悪魔が交錯する
ドラマティックな展開に釘づけ!!
もう、長尺があっという間!

千変万化の音色。
抜群のバランス感覚。

ブラヴィッシモ!!!




凄い集中力で大曲を弾いた後なのに
アンコールは
これまた超絶技巧のプロコ(凄~!

そして、ダブル・アンコールの
チャイコフスキーは絶品♡
藤田さんが弾くチャイコは
薫るような色合いが
本当にステキ♬♪




'23Oct真央2.jpg





満席のサントリーホールなのに
ピアニストが最後の音を弾き終えて
鍵盤から指を離し
向こうの世界から戻ってくる、
ほんとうの「終わり」の瞬間まで、
全くの
「無音」!!
空気のゆらぎさえも無い静寂。
まるで真空状態。
永遠とも思える長い時間が過ぎ、
身動きしなかったピアニストが
ゆっくりと身体を起こすと
止まっていた「時」が動き出す。

・・喝采・・!


あの長い静寂・・
藤田真央さんの音楽に対する強い想いが
オーディエンスを集中させ
全員の気持ちが
ひとつになって生まれた
奇跡のような時間を
私は決して忘れないでしょう。。




オーバーサイズのような
黒の上下に身を包んだ藤田真央さんは
おぼつかない(ように見える)足取りで
ステージに登場すると
お辞儀もそこそこに
持っていた黒っぽいタオルハンカチを
ピアノの中にポンと放り込み
あっという間に弾き始める。

そして演奏が終わると
お辞儀した?というくらいの
カンタンな礼をして
さっさと引き上げてしまう。
演奏が気に入らなかったのかしら?
と心配するくらいだけど、
再び登場した時は
満面の笑顔でお辞儀を繰り返す。

弾いている時の集中力の凄さは
何かが降臨したかのよう。
音楽の神さまと
交信しているのかも?

弾き終わると
まるで、憑き物が落ちたようにw
まさに天才なんですね!

藤田さんは
作品をあらゆる角度から
とても深く読み込み、
それを、どう表現するかを熟考しつつ
丁寧な練習を重ねているのでしょう。
天才であっても
努力を惜しまない。

たとえばショパン。
表現しようとするあまり
ポロネーズのリズムはどこ?
と思うような場面も。
それが個性的な解釈と
前向きに聴ければ良いけれどね。
その点、
ジャズもプロの
ゲルシュタイン先生に師事しているから
これから、どんな風に深化するか。
若いピアニストの未来が
とても楽しみです~♪♬























































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on early music    [コンサートの記憶]

フランチェスコ・トリスターノ ピアノ・リサイタル
         ~三鷹 風のホール

(プログラム)
J.S.バッハ:イギリス組曲第2番 イ短調BWV807
トリスターノ:Serpentina
J.S.バッハ:イギリス組曲第6番 ニ短調BWV811

組曲 ~オン・アーリー・ミュージック~
トリスターノ:Ciaccona seconda
フレスコバルディ:トッカータ集第2集より
          第4番 “da suonarsi alla levatione”
          第9番 “Non senza fatiga si giunge al fine”
          第8番 “Di durezze e ligature”
トリスターノ:リトルネッロ
スウェーリンク:ファンタジアニ調 SwWV259
トリスターノ:RSのためのアリア
ギボンズ:フレンチ・エアー、アルマン、イタリアン・グラウンド、グラウンド
トリスターノ:トッカータ

(アンコール)
トリスターノ:hello





即興のように
自由で生き生きとしたバロックと
タイトでグルーヴィーなオリジナルが
時空を超えて行き来する。。




'23Octフランチェスコ6.jpg



前半、イギリス組曲からの抜粋は
3日前よりずっと のびやかで
生命力にあふれていた。
超速のテンポでもブレない
美しい抑揚に聴きほれる。

バッハに挟まれたオリジナルは
細かいパッセージがミニマルのよう。
このチャーミングな小品とバッハが
何の違和感もなく
いや、それどころか
互いの個性を引き立て合って
豊かな空間が現れる。。


'23Octフランチェスコ7.jpg



後半も
オリジナルと古楽が交互に奏される、
フランチェスコのオリジナルの組曲。

前半と同じく、
ステージの上手から登場したフランチェスコは
ピアノの椅子に座ると
しばし 上の方を見やっている。
遠い彼方から
音楽が降りてくるのを待つように。
そして
おもむろに打鍵する。
かっきりとした音色のベースが
タイトなリズムを繰り出す。
繰り返されるグラウンド。
時折
研ぎ澄まされた短いフレーズが
火花のように弾ける!
そしてカオス・・
大きな渦に飲み込まれていく。

おだやかな水面に
ぽつり ぽつりと
したたる滴のように
フレスコバルディが たゆたう。
セピア色のモノローグ。
どの曲も切れ目なく奏され・・

いつのまにか
フランチェスコのオリジナルの世界へ。
細かい連打が風を呼び
大気が大きく揺れる。
やわらかな色彩の雲が流れ・・

引き寄せられたように
スウェーリンクのポリフォニーが
饒舌に語り合う
果てしない物語。

そして 
Aria for RS
祈り・・
神聖な響きと愛。
(プログラム・ノートに
「闘病している友の快復を祈りながら書いたというから、
 RSとは坂本龍一のことだろう」とあった)

聖歌はいつのまにか
いにしえの歌に すり替わる。
タイトなギボンズは
軽やかなステップを踏む。
そこから
あっというまにオリジナルになだれ込む。
グルーヴ感いっぱいのトッカータに喝采!!





                     (以下の写真はweb上からお借りしました)

'23Octフランチェスコ9.JPG

                 

アンコールは"hello"
もちろん、フランチェスコのオリジナル。
繰り返される太いベース音と
ホールいっぱいに響く
テンション満載のサウンドを浴びられて
幸せだったよ。。








'23Octフランチェスコ8.JPG




後半の組曲「アーリーミュージック」は
フランチェスコの公演の配信があり
本当にステキだったのだけれど
やっぱり
ナマは ぜんっぜん違う!
特にこの日は
エレクトロニクスを使わなかったので
グランドピアノのナマ音で
極上の響きを聴けたから
魂を持って行かれた。。















































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Englische Suiten      [コンサートの記憶]

フランチェスコ・トリスターノ(ピアノ)
            ~王子ホール

J.S.バッハ:イギリス組曲(全曲)

第1番 イ長調 BWV806
第2番 イ短調 BWV807
第3番 ト短調 BWV808

第4番 ヘ長調 BWV809
第5番 ホ短調 BWV810
第6番 ニ短調 BWV811





左右の手が
二つの生命体のように
鍵盤を駆け巡り
完璧なポリフォニーを奏でる!

クリスタルな美しい粒子が
リズミカルに飛び跳ね
抜群の推進力で
新しい物語が紡がれる。。



'23Octフランチェスコ4.jpg



フランチェスコが弾くバッハは
とてもクリアなフォルムで
細やかなパッセージが
有機的に歌い合う。

まるでチェンバロのように
軽やかな装飾音。

だからといって
決して
ピリオド寄りではない。

フランチェスコの音楽は
常にイン・テンポ!
サラバンドまでもがダンサブル♪♬
そう、
「イギリス組曲」は舞曲集だもの!

圧巻のジーグにノックアウト。。


渾身の全曲演奏で
アンコールは無し。
いつものように
ステージから投げキッス♡


'23Octフランチェスコ2.jpg

     (この写真はweb上からお借りしました)



二度の中止・延期を経て
ようやく実現したリサイタル。
待ってたよ フランチェスコ。
そう、去年は
角野隼斗さんとデュエットのコンサート。
芸劇もブルーノート東京も聴けて
久しぶりの生演奏に倒れそうwだったけど
サイン会は無かった(悲。

それが、今回はありましたっ!!


'23Octフランチェスコ3.jpg


お話できただけでも嬉しかったのに
名前を覚えていてくれたなんて!

さいこう フランチェスコ♡







この日はTVの収録がありました。
なぜ私が緊張するかw


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欧州バロック作品集       [コンサートの記憶]

欧州バロック作品集
     ~王子ホール

(出演)
イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)
クリスティン・フォン・デア・ゴルツ(バロック・チェロ)
クリスティアン・ベザイデンホウト(チェンバロ)

(プログラム)
J.S.バッハ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調 BWV1021
ピゼンデル(伝J.S.バッハ):ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ハ短調 BWV1024
ビーバー:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ 第5番 ホ短調


ヘンデル:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ニ長調 HWV371
フローベルガー:ブランシュローシュ氏の死に寄せるトンボー ハ短調 FbWV632
        (チェンバロ・ソロ)
J.S.バッハ:ヴァイオリンとオブリガート・チェンバロのためのソナタ ト長調 BWV1019

(アンコール)
バッハ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ホ短調 BWV1023 第3楽章 アルマンド
ヴェストホフ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ 第2番 イ短調 フィナーレ



'23Octファウストトリオ1.jpg



超絶技巧の3人が
伸びやかに奏でるバロック音楽は
生命力にあふれ
どこまでも自由奔放!

新鮮な言葉で紡がれる
めくるめく物語に
終始釘づけ

・・深い多幸感。。




'23Octファウストトリオ2.jpg





イザベル・ファウストさんが
とても楽しそうに微笑みながら弾く。
以前、バッハの無伴奏を聴いた時は
ストイックな方かと思ったけれど
このメンバーが創る音楽は
どこまでもポジティブ!

この3人での日本公演が数回あったので
同じ作品でも
全く違う歌いまわしで弾かれるから
(それがバロックの常)
今日は そう来たかっ と
思わず笑みがこぼれるのでしょう。

3人とも、オソロシク達者で
その演奏技術があるからこそ
こんなに楽しい音楽が出来る。


チェロの
クリスティン・フォン・デア・ゴルツさん(長いっw
最初に写真を見た時は
本当に失礼なことに男性だと思いました。
公演前に女性だと気付いたけれど
実際の彼女は、見た目も演奏も男勝り。
芯のあるチェロの音色と幅広いダイナミクス。
その歌い方のカッコ良さと言ったら!
イザベルさんと繰り広げる
丁々発止のやり取りにドキドキ。
その上
クリスティアン・ヴェサイデンホウトさん(また長いw
の美しい音色のチェンバロが
すばらしく流麗な装飾音とともに
トリオをきっちりと締め、
ドライブさせていく。

1曲だけチェンバロ・ソロがあり
それがフローベルガーの
「階段落ちで亡くなる」という(怖
ものだったので
深い響きのある音色を堪能できたのでした♡



ファウストさんは、
いつも個性的でステキなご衣装なのだけど
この日も超カッコ良かった~!


'23Octファウストトリオ6.JPG
      (この写真はweb上からお借りしました)




サイン会があるというので
ファウストさんの最新CDは迷わずゲト♬♪

そして、ベザイデンホウトさんの協奏曲のアルバムに
ゴルツさんが参加していると売り場に掲示があったので
それもゲト♬♪

めでたくサインを戴きました。

'23Octファウストトリオ4.jpg


しかーし!
帰宅してから よーく見たら
協奏曲のCDのオーケストラ・メンバーに
ゴルツさんのお名前が
無いっ!!
チェリストが違う人っ

さらに よーく見たら
フライブルク・バロックオーケストラの
コンサートマスターが
ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツさん!
調べてみたら
クリスティンさんのお兄さんでした。
何ということでしょう~。
クリスティンさんは参加していないCDに
快くサインして下さったのでした(泣

あの掲示は何だったのかっ(怒


お詫びに(?)
楽しかった演奏会そのままの表情の
3人の写真を載せますね。
ピンぼけでスミマセン。

'23Octファウストトリオ5.jpg









































































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The Amity Duet at Lilia        [コンサートの記憶]

小曽根真xアヴィシャイ・コーエン
       ~川口リリア・音楽ホール

(出演)
ピアノ:小曽根真
ベース:アヴィシャイ・コーエン

(セットリスト)
B.Kaper:On Green Dolphin Street
A.Cohen:Gesture #2
M.Ozone:Snap Shot
A.Cohen:Rememering
M.Ozone:O'berek

M.Ozone:Origin of the Stars(ソロ)
    :Lazy Uncle
M.Dennis:Evryhing Happens to Me
C.Corea:Matrix
A.cohen:The Ever Evolving Etude


(アンコール)
R.Rodhers/L.Hart:I didn't know what time it was







同じ時代を生きてきた二人の深い会話が
阿吽の呼吸で繰り広げられる!

それぞれの楽器を超越した
もの凄いパフォーマンス。。





'23OctOZ3.jpg



すべてが
インプロヴィゼーションの嵐!
小曽根さんが
「曲の原型を留めていない」
と言ってたけど
まさに異次元!!


もちろん
オーセンティックな場面も沢山あった。

太いベースに乗って
ピアノが深く美しい音色で
自由自在に、のびやかに歌う。
そして
ベースが主張すると
ピアノはそれに
キュートな彩りを添える。
まさに
大人同士のやりとり。
羨ましいくらいの間柄。
贅沢なひととき。。



小曽根さんが
もの凄い超絶技巧の持ち主なのは
よーく知っているし
この日も
素晴らしいパフォーマンスの連続に
あっけにとられていたけど
アヴィシャイさんのベースも凄かった!
音数の多さは言わずもがな
ボディーや弦を叩く音が入るので
もう一人
パーカッショニストがいるみたい。

そんな二人が
シンクロして音楽を創り上げていく、
魔法のような瞬間が
目の前で繰り広げられる!


激しい演奏をするアヴィシャイさんだけど
オリジナル曲は
とても優しくて、あたたかい。
やわらかな心の持ち主。。





後半の始めに演奏された、小曽根さんのソロ。
それは 星野源さんに捧げた作品。

小曽根さんの奥様が病気の時
星野源さんが
アリーナ・ツアー中にもかかわらず
病院の手配を手際よくしてくれたおかげで
奥様が助かった、
その事への感謝を込めて。。
Origin of the Stars=星野源さんへ♡

軽やかでチャーミングなメロディーは
星野さんそのもの。
透き通ったピアノのハーモニーは
愛に満ちていて胸が熱くなる。。
やっぱり
小曽根さんのソロ・ピアノは
最高!!


'23OctOZ2.jpg


今年の2月に
私はこの二人のデュエットを聴いた。
それは、初顔合わせのライヴ。

      The "Amity Duet"


二人は、先月ニューヨークでライヴをし
今は日本でのツアーが始まったばかり。
これから、どんなふうに変化していくのでしょう~?






































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Complete!!    [コンサートの記憶]

阪田知樹 ラフマニノフ ピアノ協奏曲全曲演奏会
            ~サントリーホール

(出演)
阪田知樹(ピアノ)
大井剛史 (指揮)
東京フィルハーモニー交響楽団 

(プログラム)
ラフマニノフ:
ピアノ協奏曲第1番 嬰ヘ短調 Op. 1
ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 Op. 18

ピアノ協奏曲第4番 ト短調 Op. 40
パガニーニの主題による狂詩曲 Op. 43

ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op. 30







書かれた音符の一つ一つが見えるような
理知的なピアノ!

抜群のセンスとバランス感覚が
作曲家の魂と共鳴して
ロマンあふれる最高の物語を紡ぎ出す・・
まさに阪田マジック!





'23Sep阪田1.jpg



2023年はラフマニノフ・イヤー!
なにしろ生誕150年、そして没後80年。
世界中でラフマニノフの作品が演奏されている。

中でも華やかなピアノ協奏曲は
さまざまな演奏会のプログラムに組み込まれる。
しかし、
協奏曲の全てを一夜で演奏するというものは
殆どない。
しかも、
独奏者が一人だなんて!



'23Sep阪田2.jpg




ラフマニノフのピアノ協奏曲は4曲。
それに「パガニーニの主題による狂詩曲」も入れて
全5曲の作品を一挙に弾いてしまおうという
その独奏者は阪田知樹さん。

長尺の演奏時間だが
阪田さんの凄まじい集中力は
最後まで途切れない!

深く響くバスの上に浮かび上がる
鮮やかな色彩の音像。

正確無比の跳躍は
クリアな音色で
軽やかにキメる!

そんなテクニックを駆使して
深い思考の下に構築された
豊かな音楽を聴かせてくれる。


客席の集中度もすごくて
針を落としても聞こえるくらい。

オーケストラは
コンマス三浦章宏さんを筆頭に
ヴァイオリン・セクションが美しい!
そしてクラリネットの
アレッサンドロ・ベヴェラリさん!
第2番でピアノが伴奏にまわった時の
クラリネット・ソロ。
なんと豊かな歌心でしょう~♡
それに触発されて
次にピアノが旋律になった時の
情感あふれる場面に
思わず涙。。
ああ、こんな場面がもっと聴きたかったなあ。



プログラム最後の第3番は
阪田さんの思いに溢れていて
この日の最高だった。

ゴールイン!の瞬間、
オール・スタンディング・オベーション!!

満員の客席は
一緒に走り続けてきた気持ちが爆発!!
コンプリート!!


'23Sep阪田4.JPG
         (この写真はweb上からお借りしました)



喝采・・
何度もステージに呼び戻される阪田さん。
最後はオーケストラがはけた後に
一人でステージに!
阪田さんの
やりきった!という清々しい笑顔。

この場にいられて
ほんとうに良かった。。





10代の頃から国際コンクールに入賞し続け
活躍しつつも、しっかり研鑽を積んできた阪田さん。
20代最後の年に達成した偉業は
彼のピアニスト人生の大きな礎になることでしょう。




プログラムの挨拶に記した
「一生忘れることのない一日」
それは
演奏者全員とオーディエンス、
そして阪田知樹さん自身の。。
























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il viaggio di Corelli       [コンサートの記憶]

ボローニャからローマへ 旅するコレッリ
           ~今井館聖書講堂

(出演)アンサンブル・パルテノペ
     朝吹園子 バロック・ヴァイオリン
     懸田貴嗣 バロック・チェロ      
     西山まりえ チェンバロ
   (ゲスト)上田朝子 テオルボ

(プログラム)
M.カッツァーティ(1618-1678):ガエターナ
 (ヴァイオリンとヴィオローネ、通奏低音のためのソナタ op.55 より)
G.ピットーニ (~c1630-1677) : テオルボと通奏低音のためのソナタ op.2
A.ストラデッラ (1643-1682): シンフォニア ニ短調
G.トレッリ(1658-1709):ソナタ・ダ・カメラ ホ短調
A. スカルラッティ(1660-1725): トッカータとフランス風アリア イ短調
A.コレッリ(1653-1713):ヴァイオリンとヴィオローネ、またはチェンバロのためのソナタ 
             ハ長調 op.5-3、ホ長調 op.5-11 
G.ボノンチーニ(1670-1747):
 チェロ・オブリガート付きバス・アリア(ヴァイオリン編曲)
 ディベルティメント・ダ・カメラ(1722) より 

(アンコール)
ヴィターリ:チャッコーナ






'23Septパルテノペ2.jpg



タイトルどおり、
コレッリと旅した清々しいひと時。


オリジナル楽器のピュアな音色は
透明感があって、ほんとうに爽やか。
4つの楽器が語りあい、歌い合う。
今、この瞬間に創り出される音楽。
ゆるやかに、優しく
そしてアグレッシブに!



特に惹き込まれたのは
西山さんのチェンバロ・ソロの
アレッサンドロ・スカルラッティ。

彼が活躍していた当時と変わらぬ
ローマのナボナ広場の風がふく。。

'23Septパルテノペ1.jpg




そしてバロック・バイオリン作品の金字塔、
コレッリのソナタは
朝吹さんの熱い思いが全開!
まさに、この日の白眉。




演奏の合間に作曲家たちのエピソードが紹介されて
会場の笑いを誘っていたw

*自分のためのメモ
  アンコールで演奏されたチャッコーナの作曲者ヴィターリは
  モダン楽器で演奏されるシャコンヌを作曲した、ヴィターリの父。





今年の初めに催された
アンサンブル・パルテノペのワークショップに行ったので
彼らの一期一会の音楽の素晴らしさが
より深く聴けた演奏会だった。

ワークショップ↓↓

Early Music Workshop































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Mo.Marconi& Kazuma    [コンサートの記憶]

三浦一馬 東京グランド・ソロイスツ 第7回演奏会
             ~第一生命ホール

(出演)
三浦一馬(バンドネオン)

東京グランド・ソロイスツ(室内オーケストラ)
石田泰尚(ソロ・ヴァイオリン)

ネストル・マルコーニ(ゲスト:バンドネオン)


(プログラム)
(三浦一馬&TGS)
ピアソラ(三浦一馬編):
 フーガと神秘
 悪魔のロマンス
 天使の死
 ブエノスアイレス午前零時
 ツィガーヌ・タンゴ
 ビオレンタンゴ
 鮫(エスクアロ)

(マルコーニ/ソロ)ピアソラ・メドレー
(マルコーニ&TGS)
マルコーニ:
 時が満ちて
 アトリエ
 新聞売りの歩く道のために
(マルコーニ、三浦&TGS)
ピアソラ(三浦一馬編):
バンドネオン協奏曲「アコンカグア」(ダブル・ソリスト版/初演)

≪アンコール≫
ネストル・マルコーニ:⽇本奇想曲/Capricho japones
(TGSのための書き下ろし・新作)
ピアソラ(三浦一馬編):来るべきもの/Lo que vendra


'23AugTGS1.jpg

超かっこいいアレンジとサウンドのTGS!
前半は三浦さんとTGSの気心が知れた演奏。
そして、
やっぱり石田さんは裏切らないw


後半の冒頭で、マルコーニ氏のソロ。
語るように自由に歌うバンドネオンに感激~。
とても80歳を超えていると思えない
つややかで軽やかな歌。。


マルコーニ氏は三浦さんの師匠で
ピアソラと共に演奏活動をしていた方。
師匠を日本に呼んでの演奏会が
コロナ禍で延期になり、
今年、ようやく実現した。
三浦さんにとって、まさに念願の演奏会。


'23AugTGS3.jpg

      (この写真はweb上からお借りしました)



三浦さんの思いが伝わってくる師弟共演は
ほんとうに感動的。
バンドネオンの音色に個性があって
お互いの会話がきわだつ。



マイクが林立していたので
ライブ録音が発売されるでしょうか??
されますように!





終演後、な・なんと
マルコーニ氏と三浦さんのサイン会!
以前に発売されていたCDにお二人のサインを。
三浦さんのサインはバンドネオンですね♡


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Yong People's Chorus of New York City [コンサートの記憶]

ニューヨーク市ヤングピープルズ・コーラス
             ~東京音楽大学100周年記念ホール


(出演)
指揮:フランシスコ・J・ヌニェス(創設者・芸術監督)
   エリザベス・M・ヌニェス
ピアノ:マイケル・ヴィッテンブルク
合唱:ニューヨーク市ヤングピープルズ・コーラス

(プログラム)Globaal Voice in America
M.モンク:ダンス組曲
     1.出現した異世界 2.午後のメロディー 
     3.クォーリー・ウィーヴ 4.パンダ・チャント
B.ヴィヴァンコス:泡
ブラジル伝承曲/M.レイテ:クラオ族の三つの先住民の歌
O.ヤイロ:ツンドラ
J.S.バッハ:装いせよ、おお愛する魂よ(カンタータ180番より)
エリザベス M.ヌニュス:パーセプション
L.バーンスタイン:ウエスト・サイド・ストーリー より
      何か起こりそう・トゥナイト・すてきな気持ち
      アメリカ・サムウェア
R.ロジャース:ユール・ネヴァー・ウォーク・アローン
松村崇継:いのちの歌

中田喜直:夏の思い出
S.ギヨーム:ランポーノ
K.カー:すべての山のために
霊歌/M.ホーガン:主はダニエルを救わなかったか
アメリカ民謡:赤い河の谷間
      :このハンマーを
      :シンディ
三木たかし:心の瞳

(アンコール)
ポール・サイモン:明日に架ける橋





研ぎすまされたた声で歌う
コンテンポラリーに
耳を奪われる!

完璧なアカペラ。
すばらしいリズム感。

立ち位置を次々に変化させ
時にダンスをしながらの合唱。
それでも
歌声は決してブレることなく
生き生きと躍動する。


熱帯雨林のざわめき
凍てつくツンドラ・・
世界中の
さまざまな場所を表現する現代曲。

そしてバッハ
バーンスタイン
日本の唱歌
アメリカの霊歌・・

一人一人の個性が最大限に生かされ
情感が伝わるパフォーマンスは
深く心に響く。。


'23JulyコーラスNY1.jpg





今月初旬に韓国で催された
合唱祭世界大会で金メダルを受賞し
そのまま公演のために日本へ。
到着した時に
エミー賞ノミネートの速報を受けたという。

このタイミングで演奏が聴けたのは
まさに幸運!!

(合唱祭には100名の参加
 日本公演は37名、おそらく中高生)

演奏する曲の紹介は
合唱団員たちが二人ずつ
マイクに向かって
一生懸命おぼえた日本語で話す。
それを聞いていると
このコーラスの教育方針が
伝わってくる。
ほんとうに様々な人種が
ともに暮らす街、ニューヨークで
多様性を重んじ
全員が自信を持って生きていけるように
細やかな配慮を怠りないのでしょう。




アンコールの後、
全員がステージから降りて
客席の通路を歩いてくれた。

コーラスは皆、笑顔。
客席は拍手喝采。

私も盛大な拍手をしていたら
指揮のエリザベス・M・ヌニェスさんが
私の手を握ってくれました(驚!
とっても美しい方なので
ぼ~~っとしてしまいましたよw










































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Cañizares     [コンサートの記憶]

カニサレス
   ~浜離宮朝日ホール


(出演)
カニサレス(ギター、作曲) Juan Manuel Cañizares
フアン・カルロス・ゴメス(セカンド・ギター) Juan Carlos Gómez

(プログラム)
カニサレス:「アル・アンダルス組曲」より
         アルヘシラス、カディス
      「地中海組曲」より
         バレンシア、バルセロナ
      「組曲・モサラベ」より
         コルドバ

ロドリーゴ:「アランフェス協奏曲」より第2楽章アダージョ
        アランフェス・マ・パンセ(ギター・アレンジ)
ファリャ:「恋は魔術師」より 情景~きつね火の唄
     「三角帽子」より 粉屋の踊り
カニサレス:悠久
      魂のストリング
      深淵
      彗星の雨

(アンコール)
カニサレス:Fantacia「幻想」


'23Julyカニサレス1.jpg



明るくジューシーなサウンドの
ギターデュオは
スペインの香りでいっぱい!


すっごいドライブ感
そして
シンクロする心とリズム。


ステージの右側にカニサレス。
組んだ足の上にギターを乗せ
不動で演奏する姿は
フラメンコ・ダンサーの
すばらしい体幹を連想させる。

セカンド・ギターのゴメスは
右足を足台に乗せ
左足で拍を刻む。

演奏の姿勢がこんなに違うのに
阿吽の呼吸で音楽を創る!
華やかで
どこか郷愁をおびた
地中海からの風。。



'23Julyカニサレス3.jpg



カニサレスの愛妻は
マリコさんという日本人。
彼女はカニサレスのマネジャーをしつつ
音響学を学んで演奏会のサポートも万全。
SNSで情報発信を怠りなく
ユーチューブでスペイン語講座もするという
大活躍ぶり。
この公演の最後、舞台上で
カニサレスの挨拶を通訳した上
カテコ撮影許可してくれました~♡

そして
マリコさんがステージ上から撮影した写真も!
もちろん、私も写ってま~す♡


'23Julyカニサレス4 - コピー.jpg
          (この写真はweb上からお借りしました)







フラメンコ・ギターは伝承される音楽。
耳で聴いたものを覚えるから
楽譜はない。

だから楽譜ありきの
クラシック・ギター界とは
相容れなかった。

カニサレスは
フラメンコ・ギター奏者でありながら
クラシック音楽を学んだ希有な人。

彼は双方の融合を果たした
重要な存在。

この日はカニサレス自作の協奏曲が
二台のギターに編曲して演奏された。
その作品をオーケストラと共演したCDに
サイン頂きました。
聴くのが楽しみ~♬


'23Julyカニサレス2.jpg










































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